
カカオ本来の味や香りを引き出す工程にこだわり、産地ごとの香味の特長が愉しめるひとくちサイズのチョコレート、「meiji THE Cacao(ザ・カカオ)」。ラインナップのうち「フルーティカカオ」と「フルーティカカオ・ラテ」が2026年3月31日にリニューアルして新発売となりました。商品に込めた想いや、味わいの鍵となるカカオについて、2人のご担当者にお話を伺いました。
meiji THE Cacao(ザ・カカオ)とは?
「meiji THE Cacao」はカカオ産地ごとの香味の特長や個性が味わえるひとくちサイズのチョコレート。スーパーやコンビニエンスストアなど身近なところで購入できる商品ですが、産地での豆の選定に始まり、チョコレートの配合まですべての工程にこだわり、カカオ本来の香りや味わいが愉しめるのが魅力です。
ラインナップは、ナッツを思わせる香ばしいコクが味わえる「ナッティカカオ」、白い花を思わせる甘い香りの「フローラルカカオ・ラテ」、そして、今回3月31日にリニューアルした「フルーティカカオ」と「フルーティカカオ・ラテ」の計4品となります。
「フルーティカカオ」と「フルーティカカオ・ラテ」に使われているマダガスカル産カカオ豆について知ると、この2種類のチョコレートがもっと愉しめるはず!実際に何度もマダガスカルを訪れた(株)明治 研究本部 カカオ開発研究ユニットの馬場研斗さんと、マーケティング担当の(株)明治 グローバルカカオ事業部 カカオマーケティング部 松岡真季さんにインタビューしました。

今回リニューアルした「フルーティカカオ」、「フルーティカカオ・ラテ」について具体的なお話に入る前に、まず松岡さんに「meiji THE Cacao」ブランドへの想いを伺いました。
「『meiji THE Cacao』は、カカオの産地ごとの香味・個性を生かしたチョコレート。それぞれの好みで味や香りを選べる世界を目指しています。直観的なわかりやすさということで、ナッティ、フローラル、フルーティという3つの軸の香味で展開しています。パッケージは、味わいから感じる色味が感性的に紐づいているというデータを元に、配色を選んでデザインしていて、商品全体で直観的に分かりやすさを重視して、商品設計をしています。」とのこと。身近な場所で手に取れるチョコレートも、ここまでこだわって作られているのですね。
続けて「3つの香味のなかで日本人に一番馴染みがあるのが“ナッティ”です。ナッツやコーヒーなどわかりやすい香ばしさ、安心感のある味わいで、多くの人がおいしいと感じる風味だと思います。“フローラル”の香りも“ナッティ”に比べると馴染みがないかと思いますが、フローラル系のカカオ豆は、昔から明治の様々なチョコレートにブレンドして使用しているので、実はお客様も口にしている機会は多いと思います。ただ、3つ目の“フルーティ”が実は一番難しいんです。」とお話してくれました。
「日本人はチョコレートの酸味が苦手な方もまだ多く、なかなか難しくて浸透していかない。」と続けられました。
ではなぜ、難しさがある酸味系の風味のチョコレート、「フルーティカカオ」、「フルーティカカオ・ラテ」を新発売されたのでしょうか?

「フルーティカカオ」ってどんな味?
例えばいちごなどのベリー類、オレンジやレモンなど柑橘類の風味が好み、というチョコレートファンは多くいるかと思います。しかしながら、カカオのフルーティな風味や酸味が難しいという理由、どんな背景があるのかなどを松岡さんに続けて伺いました。
「日本では、チョコレート=甘さや苦さ、というイメージは一般的にあるかと思います。フルーツ味のチョコレートなら、そのフルーツの味として認識されますが、何も入っていない(シンプルな)チョコレートで酸っぱい、ということに慣れていない方が多いのかもしれません。一方で、ヨーロッパなどでは高級なチョコレートやパティシエの方々が使うチョコレートには酸味系のものが多く、日本人にもその美味しさをぜひ知っていただきたいと考えています。また、これは私自身の体感でもあるのですが、合わせるものや食べ方によって、むしろフルーティ、酸味系のチョコレートのほうがおいしさの幅が広がると感じています。合わせる飲み物などによって、よりカカオのフルーティ感が引き立ったり、異なるフルーツの香味を感じたり、いろいろな表情を持っているのが「フルーティ」タイプのチョコレートです。」
酸味は難しそうという印象がありましたが、松岡さんは「フルーティな香味はミルクと合わせることで親しみやすい味わいになります。今回、ミルクタイプの『フルーティカカオ・ラテ』を展開することで、より多くのお客様にお召し上がりいただけるのではないかと思います。」とのこと。フルーティな酸味+ミルクのおいしさ、酸味があるからこそアレンジの可能性がある、というのは意外な感じがしました。
今回リニューアルした「フルーティカカオ」、「フルーティカカオ・ラテ」は、酸味だけではなく重厚なカカオ感もあり、軽やかな香りや華やかさも感じられるなど、いろいろな要素を持つチョコレートだそう。その風味のポイントになるのが、こだわって選んだマダガスカル産カカオです。
マダガスカルでの奮闘
今回、meiji THE Cacao フルーティカカオのリニューアルで重要なポイントはカカオ産地の選定。これまで使われていたドミニカ共和国産カカオに、マダガスカル産カカオをブレンドする新配合となりました。マダガスカル産カカオは、海外のコンクールなどでもラズベリーのような風味、鮮やかなフルーティさが評価されています。
松岡さんは、「ドミニカ共和国産のカカオはどっしりした豊潤な果実感、ドライフルーツ、スパイシーなどと表現されますが、そこにマダガスカル産カカオが加わることで、爽やかさやフルーツ感がより鮮やかに感じられる。」と解説してくれました。
では、マダガスカル産カカオって一体どんなカカオ豆なんでしょうか?カカオ産地でのサポートを続けてきた馬場さんにも伺いました。

「マダガスカル産のカカオ豆は、一般の方々にはあまり馴染みがないかもしれませんが、カカオの市場では世界的に有名で、パティシエやショコラティエなどプロの間では知られているカカオ産地です。ただ、島国で生産量が少なく、品質が良いものはなかなか日本に入ってこないので、ヨーロッパのメーカーが加工したチョコレートを輸入するケースが多いんです。」
(株)明治では、高品質カカオの持続可能な調達を目指し、明治独自のカカオ農家支援活動「メイジカカオサポート(MCS)」を2006年から実施しています。マダガスカルにおいては2019年からMCSの活動が始まりました。
「私たちが望むカカオの作り方を、農家の方々と一緒にひとつひとつ相談しながらやってきました。豆を日本に持ち帰り、チョコレートを作ってまた数か月後に現地に行き、品質のフィードバックしながら試行錯誤を繰り返す・・・というのを5年くらい行ってきたんです。再現性なども確認して、ようやく望む品質まで改良することができました。」
馬場さんはコロナ禍がまだ収束しきっていない2023年から担当となり、現地にいるメンバーとオンラインでやり取りしながら分析機器を使ったり、指導やコミュニケーションを続けたりしてきたとのこと。
「これまで品質にバラつきがかなりあったんです。同じ方法でやっているつもりでも、発酵しすぎて酸味が抜け、味が腑抜けてしまったり、せっかくのマダガスカルカカオの特長が出なかったり、ということがありました。発酵臭などネガティブな要素が出てくる前にちょうど良いところで発酵を止めるなども、マダガスカルカカオのクリーンな香りを出すうえでは重要です。」

日本から遠く離れたカカオ産地と、コミュニケーションを取るのは簡単なことではないと思いますが、どのように根気強く改良をしてきたのか非常に気になり、馬場さんに伺いました。
「発酵を始める前の豆の取扱い方がポイントでした。我々が活動を始める前は、いろいろな農家から集めたカカオ豆は量がまとまるまで置いてあったのですが、先に集めたものはすでに発酵が始まってしまって。ある程度溜まってから“発酵0日目”としていたため、発酵しすぎていたという状況だったんです。コロナ禍もあり時間がかかりましたが、現地での活動の最後の2年くらいは均質なカカオの発酵ができるようになり、農家ごとや収穫年ごとのバラつきが少なくなりました。ただ、それが適切な価格で買われないと元の管理レベルや品質に戻ってしまうので、我々としても根気強く買い続けていきたいと思います。そうすることで、産地全体の品質向上に繋がるのかなと思います。」とのこと。産地にいる方々との地道なやり取りの結果、安定した品質のカカオ豆が入手できるようになったのですね。


気になるマダガスカルカカオの味わいは?
(株)明治が数年越しで試行錯誤し、生産者と一緒に納得いく品質を追求したマダガスカルのカカオ。「フルーティカカオ」、「フルーティカカオ・ラテ」のパッケージには“マダガスカル産カカオブレンド”と記載があり、その味わいが気になります。

「マダガスカルカカオはクリアな風味でフルーティさが特長的。ドミニカ共和国産カカオをベースに、マダガスカルカカオを少し加えるだけでもはっきりとその良さが出ます。」と松岡さんは語ります。今回、いろいろなパターンでラテタイプ(ミルクチョコレート)を検証されたそうですが、カカオ分47%でもマダガスカルのフルーティな特長が出ているとのこと。
一般的に47%のミルクチョコレートというと、甘めでマイルドなカカオ感なのかなと思ってしまいますが、マダガスカルカカオの酸味やフルーティさ、香りの強さなどが、この配合を可能にしていると伺いました。
香りへのこだわりについて馬場さんは、
「チョコレートの味っていろいろな要素が絡み合っていると思うんですけど、カカオ豆の発酵が進めば進むほど渋味が減り、腑抜けたり、発酵調の良くない香りが出てきたりするので、どこで発酵を止めるかがポイントです。発酵の1日~8日目くらいまで細かく見ながら、ここだ!という絶妙なタイミングを見つけ出したというのが、今回のマダガスカルカカオのこだわりポイントですね。」と語ってくれました。最後に馬場さんが付け加えた、「味や香りの力強さがあります。」という表現からも、マダガスカルカカオの風味の強さや個性が窺えます。
おすすめの愉しみ方は?
そんなこだわりカカオの風味を生かした新しいTHE Cacaoの「フルーティカカオ」と「フルーティカカオ・ラテ」。どんなふうに味わうのが良いのでしょうか?
「やはり他のナッティ、フローラルと比べて食べてみてほしいですね。」(馬場さん)
「チョコレートが好きな人はカカオ分70%のダークタイプがおすすめ。初めての方にはカカオ分47%のラテタイプから試してもらうのが良いと思います。」(松岡さん)
どちらもカカオの酸味をおいしく食べられる設計で配合を決めているそう。具体的にどんな味わいなのか伺うと、松岡さんご自身は「ラズベリー、トロピカルフルーツ系、あんずなどのフルーティさ、また、乳酸菌飲料のような印象も感じました。」、馬場さんからは「ラズベリーや、フルーツに発酵調が合わさり赤ワインのような感じも受けました。」とのこと。また、チョコレート検定上級の方々への試食も行ったところ、ドミニカ共和国産カカオよりもいろいろなフルーツの名前が挙がり、日本酒や甘酒などお酒っぽい印象も感想として出たそう。
このチョコレート自体にしっかりと個性があるため、上質な味わいの紅茶やスペシャルティコーヒーなどと合わせては?との提案もいただきました。
また、インタビューの冒頭で、アレンジによって可能性が広がるとおっしゃった松岡さんからは、こんなヒントも教えてもらいました。「お湯や温めた牛乳と『フルーティカカオ』を合わせたドリンクはおすすめ。スパイス、オレンジなどと相性が良く、意外なところではバターを入れるのも合いますよ。また、例えばガトーショコラやレアチーズケーキなど、お菓子作りの際に少し加えると、マダガスカルカカオの酸味や香りが立ちます。私自身も試しておいしかったです!」
お二人からは、お仕事や家事を終えたあとのご褒美として、ゆっくり味わってほしいとののこと。まずはシンプルにそのままで愉しむほか、何に合うのかな?などイメージを広げながら味わうのも良さそうです。
まとめ
産地にしっかりと寄り添い、カカオの品質からこだわって作り上げた「meiji THE Cacao」の「フルーティカカオ」と「フルーティカカオ・ラテ」。2品の新しいチョコレートを通して、マダガスカルカカオの特長である酸味や華やかさ、フルーティな香りをお愉しみいただければと思います。
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プロフィール

松岡 真季
2001年入社。研究所でチョコレートの基礎研究、新商品開発に携わったのち、2013年から本社にて商品企画、2024年からマーケティングに従事。

馬場 研斗
2010年入社。工場でカカオ豆加工工程の品質管理に携わったのち、2016年からカカオ豆開発担当に。以来、マダガスカルを始めドミニカ共和国、エクアドル、ブラジル、ベネズエラ等でカカオ豆の品質向上に従事してきた。

管理栄養士、スイーツプランナー、ショコラコンシェルジュ®
大学卒業後、洋菓子関連の会社に入社し販売や商品開発に携わる。
その後2007年に独立、商品企画開発や店舗開発等のマーケティング、経営面でのアドバイスなど、スイーツやチョコレートのコンサルタントとして幅広く活動。2008年以降、サロン・デュ・ショコラ・パリをはじめ、世界各国のスイーツやチョコレート市場の調査を行うほか、カカオ産地も訪問。
ウイスキーとチョコレートが好きで、カルチャースクー等でショコラとウイスキーのマリアージュセミナーを多数実施。ウイスキー専門誌「ウイスキーガロア」のテイスターを務めるほか、日本で初となるスピリッツのコンペティションTWSC(東京ウイスキー&スピリッツコンペティション)の審査員も務める。
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