
オランジェットとは、オレンジの皮を砂糖漬けにしてチョコレートでコーティングしたものです。フルーツを使ったチョコレートとして代表的な「オランジェット」についての解説や、おすすめブランドを紹介します。
目 次
「オランジェット」とはどんなチョコレート?
オランジェットは、オレンジの皮を砂糖漬けしたものをチョコレートでコーティングしたもので、細長く切ったものだけではなく、輪切りのオレンジにチョコレートをかけたものもあります。
専門店に行くと、店によって様々な形やチョコレートコーティングの種類、トッピングなどを工夫した商品に出会えます。

オランジェットはフランス語で「orangette」と書きます。「orange(オレンジ)」「orangeat(オレンジピール、砂糖漬けオレンジの外皮)」からもわかるように、オランジェットはオレンジを使ったものを指しますが、最近は、オレンジ以外の柑橘類を使った商品が様々あります。バリエーションについては後ほどご紹介します。
「オランジェット」に使われるチョコレートの種類は?
オランジェットのコーティングにはダークチョコレート、ミルクチョコレート、ホワイトチョコレートなどいくつかの種類のチョコレートが使われています。
オレンジピールの砂糖漬けの甘さと、ほろ苦さとのコントラストが味わえるのがダークチョコレートのコーティングです。ブランドやお店によっては、コーティングしたあとにカカオニブ(カカオ豆を細かく砕いたもの)をトッピングしている商品もあり、カカオのビターな風味がオレンジの味を引き立てます。また、コーティングに山椒などのスパイスをかけ、オレンジの爽やかさを引き立てている商品もあります。

ミルクチョコレートやホワイトチョコレートでコーティングしたものは、やさしい甘さやミルクのコクと、オレンジピールの甘味が愉しめます。風味や見た目の印象も違いますので、好みで選ぶと良いでしょう。
また、チョコレートコーティングの歯ざわりと、しっとりジューシーなオレンジピールの食感もオランジェットの魅力のひとつ。チョコレートはテンパリングしてからオレンジピールをコーティングしている商品が多く、そのためパリっと固まったチョコレートを味わうことができます。
オランジェットのバリエーション
近年、オランジェットはいろいろな広がりが出てきており、バリエーションが増えています。
ひとつはオレンジの産地です。これまでは、品質が良いと言われるスペイン・バレンシア産のオレンジを使っているブランドを多く見かけましたが、最近では国産のオレンジを選ぶパティシェやショコラティエ、チョコレートメーカーも出てきています。

次に、柑橘類の種類の広がりです。元々はオレンジを使うため「オランジェット」という名前がついているチョコレート菓子ですが、最近はオレンジ以外の柑橘を使った商品も広がってきています。
例えば、レモンやグレープフルーツ、柚子ピールを使ったものなどがあります。柑橘の種類が変われば、香りや、酸味、苦味、甘味など味も異なり、オレンジを使った商品とは違う魅力があります。
近年、様々な柑橘にチョコレートをかけた商品を「かんきつジェット」という造語を作ってカテゴライズしているイベントもあります。いろいろなお店の商品を食べ比べてみるのも楽しいですね。

最後に、仕上げのバリエーションも挙げられます。カカオニブやローストナッツなどをチョコレートにまぶしたり散らしたりしたタイプは、カリっとした食感や風味のアクセントになるほか、見た目の個性も感じられます。
また、チョコレートの表面に転写シート(チョコレートの表面に模様をつけるもの)でデザインを施した商品もあり、ひとくちにオランジェットと言っても様々な広がりがあるのです。
オランジェットおすすめ4選
最近人気があるオランジェットにフォーカスし、おすすめブランドと商品をご紹介します。いくつか食べ比べて違いを味わうのも楽しいですね。
レオニダスのオランジェット
レオニダスは1913年にベルギーで創業した老舗のショコラトリー。2023年に創業110周年を迎えたベルギー王室御用達ブランドです。
そのレオニダスで年間を通じて人気なのがオランジェット。細切りにしたオレンジの皮を砂糖漬けにして、ビターチョコレートでコーティング。爽やかなオレンジピールの風味とチョコレートの相性の良さが愉しめます。自分用にちょうど良いトライアルサイズや、ギフト用のパッケージもあります。

ラ・メゾン・デュ・ショコラのオランジェット
2週間かけて砂糖漬けしたオレンジピールをダークチョコレートでコーティング。外側はパリっとした食感ながら、内側にはフルーツの柔らかさと味わいが閉じ込められ、甘味と苦味のバランスと共に食感のアクセントを楽しめるオランジェットです。
昔ながらの定番を、ショコラティエ、ニコラ・クロワゾーが、果実本来の風味とダークチョコレートの組み合わせをしっかりと味わえるコンフィズリーに仕上げています。

ミュゼ・ドゥ・ショコラ テオブロマのオランジェット
ショコラティエが手掛けるオランジェットは、チョコレートもオレンジピールにもこだわった一品。主役のオレンジピールは、スペイン産のオレンジをシロップで煮込んだものを使用し、粒状のアーモンドを少量まぶしてから、ビターチョコレートでコーティングしています。味や香りに加えて、歯ごたえも楽しめる、工夫をこらしたオランジェットです。
オレンジのほど良い苦味と酸味、フレッシュ感のある香りに、ビターチョコレートのシャープな香りが好相性。爽やかな後味を楽しむことができます。

ショコラティエ パレドオール ブランのオランジェット
ホワイトチョコレートのBEAN to BAR専門店、ショコラティエ パレドオール ブランの「オランジュブランシュ ブラン」は、カカオバターの搾油から手掛ける自家製ホワイトチョコレートでコーティングしています。
スペイン・ヴァレンシア産のオレンジピールを工房で味を調えた後、自家製ホワイトチョコレートをかけて粒状のアーモンドを一緒にまぶしています。青山店の工房で作るホワイトチョコレートは甘すぎず、カカオの香りとコクのある味わいが爽やかなオレンジピールの香りを引き立てています。

meijiのオランジェット(パウチ)
蜜漬けオレンジピールをビターチョコで包み込んだ商品。食べるとオレンジピールの香りや程よい苦味、果肉感と共に、ビターチョコレートの味わいが楽しめます。便利なチャック付きの袋に入っているのでバッグに入れて携帯にも便利。手でつまみやすく、ひと口サイズでちょっと食べたい時にもぴったりのオランジェットです。

オランジェットの作り方・レシピ
オランジェットを手作りしてみたい、という方には、市販の砂糖漬けオレンジピールを使うのが簡単でおすすめです。
<材料>
ダークチョコレート 適量
砂糖漬けオレンジピール オレンジ1個分
ココア 適量
<作り方>
①チョコレートは細かく刻んでボウルに入れる。50~55℃くらいの湯煎にかけ、ゴムべらで混ぜながらチョコレートをとかす。水気が入らないように注意してテンパリングをする。
②オレンジピールは6~7㎜程度の幅に切る。(もしシロップなどでベタついている場合は、キッチンペーパーなどで軽く汁気を取る。)

③とけたチョコレートに②のオレンジピールをつけ、オーブンペーパーの上にのせる。
④冷蔵庫で1時間ほど冷やし固めて、お好みでココアをまぶす。
※③でチョコレートをつける際、オレンジピールの全体もしくは半分など、お好みでチョコレートの量を調整してください。
ダークチョコレートとオレンジピールの相性は良いですが、お好みでミルクチョコレートやホワイトチョコレートでも試してみてください。
まとめ
ジューシーなオレンジにチョコレートをかけたオランジェットは、風味や食感のコントラストが味わえるフルーツ系チョコレート。チョコレートとオレンジの相性の良さが愉しめる一品です。
近年、百貨店のバレンタイン催事では様々なオランジェットを集めたコーナーができるなど、人気が高まりつつあるオランジェット。元はオレンジを使った商品ですが、柑橘の種類やその産地で選ぶなど、広がりが出てきています。いろいろなお店のオランジェットを食べ比べて、ぜひお気に入りの一品を見つけてみてください。