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チョコレートケーキは種類が豊富!それぞれの特徴や発祥の国を紹介

2022/07/14

チョコレートケーキは種類が豊富!それぞれの特徴や発祥の国を紹介

世界各国にはたくさんの種類のチョコレートケーキがあります。それぞれ特徴や発祥の地などが異なり、見た目や味にも個性があります。そこで今回は、世界のチョコレートケーキの中から人気の11種類をピックアップして、特徴や発祥の国などを紹介。チョコレートケーキを選ぶ際の知識として参考にしてください。

チョコレートケーキの種類はどれくらいある?

チョコレートケーキは世界各国にあり、その数は豊富。日本でも馴染み深い「ブラウニー」や「ガトーショコラ」、クリスマスケーキとしても有名な「ビュッシュ・ド・ノエル」などの他にも、様々なチョコレートケーキが存在します。

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フランスのチョコレートケーキ

フランスには世界で有名な洋菓子店が多数あり、まさにスイーツ大国。フランス発祥の歴史あるお菓子もたくさん存在し、日本の洋菓子店にもたくさん並んでいます。ここでは、フランスの有名なチョコレートケーキの中から4種類をピックアップして紹介します。

1.オペラ

アーモンドパウダー入りのビスキュイジョコンドという生地に、コーヒー風味のシロップを浸み込ませて何層も重ね、その間にコーヒー風味のバタークリームやチョコレートガナッシュをサンド。とてもリッチな味わいのチョコレートケーキです。表面はチョコレートのグラサージュと金箔で仕上げた、とてもシンプルな見た目が特徴です。金箔は、オペラ座の屋根にそびえ立つ金のアポロン像を表現しています。
1955年に、パリの老舗パティスリー「ダロワイヨ」が作り始めたというのが定説となっていますが、それより先に、ダロワイヨの義理の兄弟の店で作られていたようです。

2.チョコレートタルト(タルト・オ・ショコラ)

フランス語でタルト・オ・ショコラともいうチョコレートタルト。パイ生地かサブレ生地などで作るタルト台にガナッシュを流したお菓子です。濃厚なチョコレートとサクサクとしたタルト生地の食感のコントラストが魅力で、シンプルですが存在感があり多くの人に好まれる1品です。フランスではとても人気のあるお菓子で、パティスリーには必ず並んでいます。
タルトの底にスポンジなどやわらかい生地を敷いたり、グラサージュをかけて光沢をつけたり、アレンジが加えられたタルト・オ・ショコラもあります。

3.フォンダン・ショコラ

「やわらかいチョコレート菓子」という意味のフォンダン・ショコラ。中はとろっとしたクリーム状になっていて、なめらかな食感が魅力です。商品によっては固形の場合もありますが、器に流し込んで焼いたものを熱いうちにスプーンですくって食べるのがポピュラーな食べ方です。

4.ビュッシュ・ド・ノエル

ビュッシュ(bûche)とは薪の意味で、ジェノワーズなどスポンジ生地をバタークリームやチョコレートクリームでコーティングし、薪の形を表現したクリスマスに食べられるケーキです。
なぜクリスマスに薪なのかは諸説あり、ヨーロッパの寒い国々では暖を取るための薪が大変貴重なものだったからという説や、前年の燃え残りの薪からできる灰が、雷や火事除けのおまじないになるという説など、いずれにしてもヨーロッパの人々の生活に大事なものだったことがわかります。

オーストリアのチョコレートケーキ

音楽の都と言われているオーストリア・ウィーンは、日本で定番になっているあるチョコレートケーキの発祥の地です。現地の洋菓子店では見かけることが多い「ザッハ・トルテ」について紹介します。

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5.ザッハ・トルテ

オーストリアを代表するケーキといえばこのザッハ・トルテ。チョコレート風味のスポンジ生地をチョコレートのフォンダンでコーティングした濃厚な風味のチョコレートケーキ。店にもよりますが、間にはアプリコットジャムを塗る場合もあります。本場では砂糖の入っていないホイップクリームをたっぷりと添えて食べることが多く、どっしりとしたチョコレートの風味と甘味を引き立てます。

ドイツのチョコレートケーキ

昔からドイツの人々に親しまれているチョコレートケーキがあります。森や動物をイメージした、ドイツならではのチョコレートケーキを紹介します。

6.フォレ・ノワール(シュヴァルツヴェルダー・キルシュトルテ)

チョコレート風味のスポンジ生地と交互になるように、ホイップクリームとキルシュ漬けのサクランボを散らした層を何層にも重ね、表面には削ったチョコレートとキルシュ漬けのサクランボを飾って仕上げるケーキ。ドイツ、オーストリア、フランスのアルザス地方で広く作られています。ドイツでは「シュヴァルツヴェルダー・キルシュトルテ」、フランスでは「フォレ・ノワール(黒い森の意味)」と呼ばれています。シュヴァルツヴァルトとはドイツ南西部の森林地帯にある地方の名前で、暗い森の様子をイメージして作られたお菓子。ドイツを代表するチョコレートケーキのひとつです。

7.レーリュッケン

レーリュッケンはドイツで昔から親しまれているお菓子で、「鹿の背中」という意味を持ちます。ココア生地とアーモンド生地の2層からなるバターケーキの1種で、かまぼこのような形のトヨ型で焼き上げ、丸いほうの面にアーモンドスライスをトッピングして仕上げます。その見た目が鹿の背中のようだったことから、レーリュッケンと名付けられました。

アメリカのチョコレートケーキ

アメリカにはチョコレートをたっぷり使ったケーキや、記念日にもなっているケーキなど様々なチョコレートケーキがあります。その中から日本でも馴染みのあるものや、名前の変わったケーキなど3種類を紹介します。

8.ブラウニー

アメリカの伝統的な焼き菓子、ブラウニーは茶色っぽいものという意味です。ブラウニーという名前の妖精から名付けられたという説もあります。チョコレートを使ったケーキ生地にクルミなどのナッツを加えて焼き上げ、好きな大きさに四角くカットすればできあがり。家庭のおやつとして良く食べられ、家庭の数だけレシピがあると言われるほど、多くの人に愛されている定番のチョコレートケーキです。

9.デビルズフードケーキ

直訳すると悪魔のケーキ、という名を持つお菓子。チョコレート味のスポンジケーキにチョコレートクリームを挟み、全体もチョコレートクリームでコーティング、削ったチョコレートを飾るなどチョコレート尽くしの黒いケーキです。アメリカやイギリスで作られていて、悪魔は黒のイメージがあるからか、悪魔の誘いのごとく美味しいからか、その名の由来には諸説あるようです。

10.ジャーマンケーキ

ジャーマンケーキは、ドイツではなくアメリカで生まれたチョコレートケーキ。アメリカのBaker's Chocolate Companyで働いていたジャーマン氏が作りました。1852年に考案した彼の名を冠した製菓用チョコレート「ベーカーズジャーマンスイートチョコレート」を使うため、その名で呼ばれています。
卵黄とエバミルクで作ったフィリングにココナッツやピーカンナッツを加えてチョコレートのスポンジ生地でサンド。甘く濃厚な風味にナッツ類の食感がアクセントになっています。

日本のチョコレートケーキ

最後に、日本のチョコレートケーキ、ガトー・クラシック・オ・ショコラを紹介します。ガトーショコラと言うと、フランス語ではチョコレートのケーキという意味になりますが、日本では定番のチョコレートケーキを指します。洋菓子店はもちろん家庭でも愛されている日本のガトーショコラについて紹介します。

11.ガトー・クラシック・オ・ショコラ

バター、卵、とかしたチョコレートを中心に小麦粉や生クリーム、ココアパウダーなどが入ります。オーブンで焼けばできあがる素朴でシンプルなチョコレートケーキで、丸い型で焼いて粉糖を振りかけ、切り分けてホイップクリームを添えることもあります。フランスでもパティスリーやカフェ、パン屋から高級レストランに至るまで様々な場所で見かける定番のお菓子ですが、ガトー・クラシック・オ・ショコラは日本に入ってきてから独自の進化を遂げ、レストランやカフェ、洋菓子店のほか、家庭でも簡単に作れるレシピとして日本で広く愛されているチョコレートケーキの1種となりました。

チョコレートケーキの種類や特徴を知り、それぞれの味を楽しんで

世界各国にあるチョコレートケーキには、それぞれの国ならではのストーリーや魅力が詰まっています。味や見た目の違いだけではなく、発祥地の文化や名前の由来など、様々な背景を知ることでさらに楽しみながら食べられます。ぜひチョコレートケーキを食べる時に思い出してみてください