【看護師監修】妊娠中のカフェインはどれくらい控える?1日の目安と代替ドリンク

【看護師監修】妊娠中のカフェインはどれくらい控える?1日の目安と代替ドリンク

妊娠中に大好きなコーヒーや紅茶を飲むとき、「お腹の赤ちゃんに影響はないかな?」と不安になる方は多いですよね。 この記事では、妊婦さんが1日に摂取してもよいカフェインの目安量や、赤ちゃんへの影響について分かりやすく解説します。我慢しすぎずリラックスして過ごすための、おすすめの代替ドリンクも紹介します。

この記事の監修者

  • 氏名:繁 和泉(しげ いずみ)
    経歴:保有資格 看護師・予防医学士
    病院・クリニックにて外科・小児科を中心とした臨床経験を積んだのち、予防医学士の資格を取得。現在は、医療の現場で得た知見をもとに、妊娠・出産・育児に関するコラム執筆や健康啓発活動を行う医療ライターとして活動中。二児の母としての経験も活かしながら、日々、赤ちゃんとご家族の健やかな生活を支える情報発信に取り組んでいます。

妊婦はカフェインをとったらダメ?1日の摂取目安量

妊婦さんとカフェインの関係性についてはさまざまな研究者や公的機関が摂取量について研究を進めています。ここでは日本の厚生労働省の基準を始めとした各種機関の摂取目安についてまとめました。

海外・国内の公的機関が推奨する基準

日本では、厚生労働省が妊娠中のカフェイン摂取量について明確な上限値を定めているわけではありません。一方、海外の公的機関はそれぞれ具体的な目安量を公表しています。世界保健機関(WHO)は1日300mg以下、欧州食品安全機関(EFSA)は習慣的な摂取について1日200mg以下であれば胎児への健康リスクは生じないとしています。また、カナダ保健省も1日300mg以下を目安として示しています。内閣府食品安全委員会のファクトシートでも、妊婦さんが1日200mg以下のカフェインを摂取しても胎児への悪影響は確認されていないとまとめられています。各国で数値に幅はあるものの、「1日200〜300mg程度まで」を一つの目安と考えるとよいでしょう。

参照元:
厚生労働省/食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A
内閣府食品安全委員会/ファクトシート「食品中のカフェイン」

コーヒーなら1日何杯まで飲んで大丈夫?

レギュラーコーヒーには、100mlあたり約60mgのカフェインが含まれています。マグカップ1杯程度(約200ml)に換算すると、120mg前後のカフェインを摂取することになります。1日の目安を200mgとした場合はマグカップ1杯半程度、300mgとした場合は2杯程度が上限の目安です。

実際には豆の種類や淹れ方、カップの大きさによってカフェイン量は変わります。カフェラテなどはコーヒーの割合が少ないぶんカフェイン量も控えめになる一方、エスプレッソをベースにしたメニューは少量でも濃度が高くなるリスクに注意しましょう。他の飲食物からのカフェイン摂取もあわせて、1日の合計量を意識することが大切です。

妊娠中にカフェインを控えるべき理由と赤ちゃんへの影響

なぜ、妊婦さんはカフェイン摂取が懸念されているのでしょうか?その理由はおなかの赤ちゃんに少なからず影響を与えることがわかっているからです。

胎盤を通じて赤ちゃんに移行しやすい

カフェインは胎盤を通って、おなかの赤ちゃんにも届きます。しかし、赤ちゃんは肝臓の働きが未熟なため、カフェインを分解・排出する力が十分ではなく、体内に長く残りやすいと考えられています。そのためママがカフェインを過剰に摂取し続けると、胎児の発育に影響を及ぼし、胎児の発育への影響が指摘される研究もあります。

ママの体への影響

カフェインを摂り過ぎると、利尿作用によって頻尿になったり、中枢神経が刺激されることで寝つきが悪くなったり眠りが浅くなったりすることがあります。また、人によっては動悸や胃痛、胸やけ、頭痛、鉄の吸収阻害による貧血などの不調が現れることもあります。妊娠中は体の変化により普段よりもカフェインの影響を受けやすくなるため、コーヒーや紅茶、お茶などに含まれるカフェインの量を意識しながら摂取することが大切です。

参照元: 厚生労働省/食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A ~カフェインの過剰摂取に注意しましょう

コーヒー以外に含まれるカフェイン量一覧

カフェインといえばコーヒーが代表的な飲料ではありますが、コーヒー以外の身近な飲み物や食品にもカフェインは含まれています。ここでは日々の生活の中で口にすることが多い飲料や食品を取り上げ、そのカフェイン含有量を紹介します。

お茶類

同じ「お茶」でも、茶葉の種類によってカフェイン量は変わります。玉露は、若い葉に日光を当てずに育てた茶葉を濃く出して飲むお茶なので、カフェインが多くなります。煎茶やウーロン茶、紅茶は、日光を当てて育てた葉や、少し成長した葉を使うことが多いため、玉露よりカフェインは少なめです。「お茶だからカフェインは少ない」と思い込まず、妊娠中は飲んでいるお茶の種類にも気をつけましょう。

飲み物 カフェイン量(100mlあたり)
玉露 160mg
紅茶 30mg
煎茶 20mg
ウーロン茶 20mg
ほうじ茶 20mg

参照元: 農林水産省/カフェインの過剰摂取について

チョコレートやココア、エナジードリンクなど

「お茶やコーヒー以外は油断しがち」な食品ほど、実は差が大きいのが特徴です。 普通のチョコレートは紅茶程度ですが、カカオ濃度が上がるハイカカオチョコレートは同じ重量で約3倍に跳ね上がります。一方でココアはコーヒーの10分の1程度と控えめ。エナジードリンクは製品差が非常に大きく、1本でコーヒー数杯分に相当するものも存在するので、購入の際に表示ラベルをチェックしましょう。

食品/飲み物 カフェイン量の目安
エナジードリンク 32~300 mg/100ml(製品により異なる)
ハイカカオチョコレート 84mg/100g
ミルクチョコレート 28mg/100g
ココアパウダー 7mg/100ml(粉末5g)

※参考 コーヒー 60mg/100ml(粉末10g)

参照元:
日本チョコレート・ココア協会/チョコレート・ココアには「カフェイン」が含まれていると聞きますが、子供や妊婦が食べても大丈夫ですか? 農林水産省/カフェインの過剰摂取について

我慢しすぎなくてOK!妊娠中におすすめの代替ドリンク

もともとコーヒーなどを日常的に摂取していた方や、好きな飲み物にカフェインが含まれていた方にとっては、妊娠を機にすぐ切り替えるのは負担に感じられることもあるでしょう。しかし、カフェインの過剰摂取は赤ちゃんへの影響が懸念されるため、量を調節することが大切です。ここでは、妊娠中でも飲めるおすすめの代替ドリンクを紹介します。

「ノンカフェイン」「デカフェ」「カフェインレス」の違い

「ノンカフェイン」「デカフェ」「カフェインレス」は似た言葉ですが、それぞれ意味が異なります。

「ノンカフェイン」は、もともとカフェインを含まない原料から作られた飲み物で、カフェインの含有量は0%です。コーヒーの場合はノンカフェインコーヒーを指します。コーヒー以外のお茶類では麦茶やルイボスティーなどが代表的です。

一方、「デカフェ」や「カフェインレス」は、もともとカフェインを含むコーヒーや紅茶などからカフェインを取り除いた飲み物です。多くの製品では90%以上のカフェインが除去されていますが、完全に0%ではないため、少量のカフェインが含まれている場合があります。

おすすめの飲み物

妊娠中でもコーヒーや紅茶の風味を楽しみたい方には、デカフェ(カフェインレスコーヒー)やカフェインを全く含まないノンカフェインコーヒーもおすすめです。紅茶が好きな方はカフェインレス紅茶もよいでしょう。

そのほか、麦茶やルイボスティー、黒豆茶などのノンカフェイン飲料は、すっきりとした味わいで毎日の水分補給にも適しています。カルシウム補給やリラックスしたいときはホットミルク、体をじっくり温めたいときは白湯もおすすめです。
好みや体調に合わせて飲み物を選びながら、無理なくカフェインを控えていきましょう。

妊娠中のカフェインと上手に向き合うために

妊娠中のカフェインは完全に断つ必要はなく、コーヒーや紅茶、お茶、チョコレートなど、さまざまな食品からの摂取量をあわせて、1日200〜300mg程度を目安に考えることが大切です。
カフェインは飲み物だけでなく食品にも含まれているため、1日の全体量を意識しながら、ノンカフェインやデカフェの飲み物なども上手に取り入れましょう。我慢しすぎず、リラックスした気持ちでマタニティライフを過ごすことが何より大切です。
まずは「飲めない・食べられないストレス」を一人で抱え込まないようにしましょう。体調やカフェインの摂取量について不安なことがあれば、かかりつけの産婦人科医に相談してくださいね。

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