カカオをカルチャーに。

2023/3/27

1級フードアナリスト里井真由美さんがきく チョコレート検定上級合格者・瀬戸さんのチョコレートの楽しみ方

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株式会社 明治が2016年より実施している『チョコレート検定』。スペシャリスト(初級)、エキスパート(中級)、プロフェッショナル(上級)の3つの級に分かれており、最難関のプロフェッショナルは合格率17.8%(2022年度)の狭き門となっています。そんなレベルの高い試験に見事合格した"チョコレートプロフェッショナル"の方々に、1級フードアナリストの里井真由美さんがインタビュー。第1回となる今回は、「『チョコレート検定』で人生が変わった」という瀬戸梨絵さんに、チョコレートとの関係を語っていただきました。

プロフィール

瀬戸梨絵さん

チョコレート検定合格をきっかけにBEAN to BAR(※)チョコレート専門店に勤務。カカオとチョコレートの魅力に目覚め、お取り寄せや催事を通じてさまざまなチョコレートを楽しんでいる。3人のお子さんも、もちろんチョコレートの大ファン!

里井真由美さん

1級フードアナリストの資格を活かし、食・食文化の専門家として、テレビや雑誌、ラジオ、Webなどのメディアを中心に活動。世界各国のレストランに着物で足を運び、グルメ誌に連載するスタイルが話題に。グルメスイーツの年間食べ歩きは1000店以上で、平均7000種以上のスイーツを食している。
里井真由美 プロフィール

※ 製造者がカカオ豆(Bean)から板チョコレート(Bar)まで一貫して手がけるスタイル。具体的にはセレクトしたカカオ豆をローストし、作り手が考える配合や製法で板チョコレートを作ることを指す。

『チョコレート検定』で人生が変わった

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里井さん
瀬戸さんは『チョコレート検定』で人生が変わったとうかがいましたが、そもそも受けようとしたきっかけは何だったのでしょうか?

瀬戸さん
私はもともと製菓学校を卒業して、製菓の仕事に就いていたんです。退職後、仕事からしばらく離れた期間を経てパティシエに復職しようとしたんですが、子どもを育てながらとなると以前のようにはいかなくて。
菓子製造の仕事は朝早くから夜遅くまで働けることを求められるため、子育てしながら製造一本で復帰するのはとても難しかったんです。製菓の技術があるという以外にも、面接で何か武器になるものが必要と考えていたところ、『チョコレート検定』を知りました。

里井さん
お子さんは3人いらっしゃるんですよね。

瀬戸さん
はい、上から8歳、6歳、4歳です。子どもたちにはアオイ科の花に由来した名前をつけたんですが、『チョコレート検定 公式テキスト』のカカオの解説ページに「カカオはアオイ科の植物である」と書かれていて、運命を感じました(笑)。

里井さん
すでに人生が変わる片鱗が見えますね(笑)。検定は何年に受けられたんですか?

瀬戸さん
2018年です。1週間ぐらいかけて公式テキストの内容を頭に詰め込んで、エキスパート(※)に受かりました。

里井さん
1週間で! お子さんを育てながらで、それはすごいですね。大変だったんじゃ?

瀬戸さん
そうですね。一番下の子が生後3か月くらいだったので。子どもが眠っているときに、ひたすら勉強していました。

里井さん
それで、次は2019年に新設されたプロフェッショナルの試験に挑戦したんですね。この年は合格率がすごく低かったそうですが......。

瀬戸さん
はい、私も落ちました(笑)。エキスパートのとき1週間の勉強で受かったので、プロフェッショナルは2週間にしたんですが、甘かったですね。

里井さん
お子さんがいると、2週間でも秒で終わるくらいの忙しさですもんね。その後、コロナ禍でプロフェッショナルの試験が実施されなかった2020年を挟んで、2021年に見事合格されたと。勝因は何だったんでしょう?

瀬戸さん
やっぱり、勉強時間を長く取ったことですね。最終的には、2か月に延ばしました。

里井さん
素晴らしい!

※ 2018年時点ではスペシャリスト(初級)とエキスパート(中上級)の2つの級が設定されていました。2019年にプロフェッショナル(上級)が新設され、現在は3つの級があります。

チョコレートとじっくり向き合える仕事の楽しさ

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里井さん
今、お勤めされているBEAN to BARチョコレート専門店は、エキスパートに合格したときからとのことですが、製菓とチョコレートだと仕事の内容も全然違うもの?

瀬戸さん
違いますね。そもそも私が学校で勉強していたときは、BEAN to BARのチョコレートはまだあまり一般的ではなかったんです。カカオの産地と品種、食べるチョコレートが生まれるまでの歴史を一通り習った程度で。製菓実習も、クーベルチュール(製菓用チョコレート)を使ったテンパリングや、ボンボンショコラなどのチョコレート菓子を作った程度でした。

一方、BEAN to BARチョコレートの専門店では、カカオ豆でチョコレートそのものを作るところからスタートするんです。カカオの加工については製菓学校では習わなかったので新鮮でした。検定の公式テキストの中でも、特にカカオについては初めて知ることばかり! それがすごくおもしろくて、どんどんハマっていきました。

里井さん
やはり、チョコレートには奥深い魅力があるんでしょうか?

瀬戸さん
ありますね〜。検定を受けてからいろいろなBEAN to BARのチョコレートを食べていますが、同じカカオでも工程が変わるだけで、味も大きく違ってくるんです。そんなところにも、大いにおもしろみを感じますね。

里井さん
お店では今、どんなお仕事をされているんですか?

瀬戸さん
今は主に、カカオからチョコレート生地を作る中のコンチング(※)という工程を担当しています。あとは販売の場で、お客様に産地ごとの違いをご説明したり、商品自体のご紹介をしたりすることもありますね。

里井さん
ああ、想像つきます! 瀬戸さん、お話し上手だから、食べる側の私としてはこういう方に説明していただけるとすごくうれしい。どちらもやりがいがありそうですね。

瀬戸さん
うん、楽しいですね。製菓だと幅広いことをする必要がありますが、今はチョコレート一本で、ギュッと絞ってじっくり作っていけるのがとてもおもしろいです。

※ なめらかなチョコレート生地にするために、練り上げる工程。

お取り寄せも活用中の瀬戸さんが気になるチョコレートは?

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里井さん
チョコレートにはかなりお詳しいと思いますが、瀬戸さんのお気に入りは?

瀬戸さん
いろいろ好きなんですけど、『meiji THE Chocolate』だとドミニカ共和国。プロフェッショナルのテイスティング試験ですごく悩まされた分、好きになりました(笑)。

里井さん
おいしいですよね、ドミニカ共和国! 他にはどんなチョコレートを?

瀬戸さん
子ども3人だとちょこちょこ外出するのが難しいので、百貨店のイベントやお取り寄せを活用しています。直近だと、阪急うめだ本店の『バレンタインチョコレート博覧会』に行きました。

あのイベントで一番に買ったのが、チョコレートジャングルさんのホワイトチョコレート。
ホワイトチョコレートは本来、カカオバターと粉乳、お砂糖から作られますが、このホワイトチョコレートは、お砂糖の代わりにカカオパルプパウダーが入っているんです! 今年の博覧会に初出店すると知ったときからとっても気になっていました。

里井さん
それは珍しいですね。お味はいかがでした?

瀬戸さん
おいしかったです。チーズケーキみたいにコクがあって、ほどよい酸味もあって。
今まで、ホワイトというと甘くてコテコテしているイメージで、どちらかというと苦手だったんですが、これはすごくスッキリした味わいでしたね。

里井さん
他に注目しているお店や、ショコラティエの方はいらっしゃいますか?

瀬戸さん
ずっと好きなのは、金子智巳さんがオーナーシェフを務める新潟のスイーツ・エスカリエさん。ケーキもチョコレートも作っていらっしゃるのが、本当にすごいと思います。
あと、カカオと素材の組み合わせもユニークで好き。カカオを味噌に漬けたり、燻製したりするチョコレートもあるんですよ。

里井さん
えっ、味噌!? 食べたことないですね、それ。商品名は何ていうんでしょう?

瀬戸さん
『味噌漬け』って書いてあります(笑)。

里井さん
そのままなんですね(笑)。

瀬戸さん
このほかにも、山椒とか。カカオハスク(※カカオ豆の外皮)のスモークなどもありますよ。

里井さん
個性的なラインアップですね。ぜひ食べてみたい! 他にはどこかありますか?

瀬戸さん
トモエサヴールさんが取り扱っている、シンガポールのフォッサチョコレートさんにハマっています。
エスカリエさんは「カカオ豆そのもの」に燻製や香り付けをする技術に長けているのに対して、フォッサチョコレートさんは「素材に合うカカオ豆」を選ぶのがお上手です。

エスカリエさんと似たところもあって、お茶など、いろいろな素材を使ったチョコレートがあるんですよ。日本の食材とコラボしたものだと、すだち、きなこ、すじ青のりとか。意外に感じますが、素材の味を活かしていておいしいんです。

里井さん
すじ青のりって、すごいですね。そして、聞けば聞くほど、どんどん出てくる瀬戸さんもすごい(笑)。
すでに全種類、試しているのでは?

瀬戸さん
さすがにそこまでは(笑)。ちょっとずつ、試しながら食べています。

里井さん
瀬戸さんの言う「ちょっと」は、きっと普通の人には「たくさん」な気がします(笑)。

里井さんのオススメ

ショコラティエ パレ ド オール ブランの「タブレット テロワール ブラン」

6か国くらいありますが、まろやかさが際立ったベトナムがお気に入りです。さらに、ホワイトチョコに5種類のウイスキーを合わせたボンボンショコラや果物と合わせたボンボンもオススメ!

ここは店内に工房もありとてもテンションがあがるお店です。日本ではホワイトチョコレートのBEAN to BAR専門店は他にないのでぜひ足を運んでみてください。

『チョコレート検定』がつないでくれた人との縁

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友人が育てたカカオ。沖縄で種から育てた苗に1つだけ成った貴重なカカオポッド(カカオの実)を瀬戸さんに送ってくれた。

里井さん
それにしても、本当によくご存じ! 試してみておいしかったときは、何らかの形で発信したりするんですか?

瀬戸さん
SNSに書きますね。検定を受けるとき、同じ時期に受験する人がいるかもと思って作ったアカウントがあるので。

里井さん
実際にお仲間はできました?

瀬戸さん
いつの間にか増えていって、今でも交流がありますよ。みんなでチョコレート情報を交換したり、おいしいチョコレートを贈り合ったり。私も、ウチのお店の新作を送ったりしています。

里井さん
検定をきっかけに、人とのご縁もつながったんですね。

瀬戸さん
楽しいし、新しいチョコレートの情報やお店のチョコレートの感想もいただけてありがたいです。
その中で仲良くなった沖縄の友人は、自宅の庭の手作りビニールハウスで育てているカカオポッド(カカオの実)を送ってくれました(笑)。せっかくいただいたので、自宅で発酵させて、子どもたちと一緒にチョコレートを作ったんです。電子レンジの「発酵」ボタン、ひたすら連打して(笑)。

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瀬戸さんが子どもたちと一緒に作ったチョコレート。国内でも例の少ない日本産カカオを使用したチョコレートの完成!ラッピングしてカカオポッドをくれた沖縄の友人のもとへ。

里井さん
チョコレートの英才教育(笑)。お子さんと一緒に楽しめるのはいいですね。そんな瀬戸さんに、今後のチョコレートライフについてうかがいたいです。今後、どんなことをしたいですか?

瀬戸さん
私自身、検定を受けることでカカオのおもしろさを知り、今の仕事に就いたので、多くの人のカカオと出会うきっかけが、楽しいものになるようにしたいですね。

BEAN to BARのチョコレートを食べているときによく思うのが、みんなで砂の中に手を突っ込んで宝探しをしているイメージ。たくさんの人と同じチョコレートを食べているとよく感じるんですが、「こっちではこんな味がしたよ」「ここはこんな味だよ」「じゃあそっちに向かって食べてみよう」とか、自分では捉えきれないいろいろな風味が一枚の中から見つかるのが、おもしろくて楽しいんです。

チョコレートを作るときは、カカオに詰まった可能性をできる限り引き出してあげたいと思いますし、自分もそこを楽しみながら、お客様にも楽しんでいただきたいですね!」

里井さん
チョコレート作りに携わりながら情報を発信している瀬戸さんなら、きっと実現できますね。

瀬戸さん
私も検定を受けていなかったら、たぶん今のお店にいなかったし、友人がカカオポッドを送ってくれることも、チョコレートを子どもと作ることもありませんでした。本当に、人生がガラッと変わるきっかけになってくれたので、『チョコレート検定』には「ありがとう」を言いたいですね。

全国で実施決定!『チョコレート検定 2023』申し込み受け付け中

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瀬戸さんの人生を変えた『チョコレート検定』が、今年も全国47都道府県のテストセンター(CBT方式)で開催されます(※上級2次試験のみ、東京・大阪会場で実施)。応募資格はただひとつ、チョコレートが好きなこと! 詳細はこちらのページで確認できます。チョコレートを愛する皆さん、ぜひ挑戦してみませんか?

『チョコレート検定 2023』公式サイト

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