基礎知識

プラリネとは?プラリネの種類、日本で購入できるプラリネで有名な海外のショコラティエも紹介

プラリネとは?プラリネの種類、日本で購入できるプラリネで有名な海外のショコラティエも紹介

プラリネとは、砂糖を煮詰めてキャラメル状にしたもので、ローストしたアーモンドやヘーゼルナッツにかけたものです。プラリネをローラーで挽いてペースト状にした、プラリネペーストも、略して「プラリネ」と呼ばれることがあります。国や地域によってボンボンショコラの別称としてプラリーヌやプラリーネンなどと呼ばれることもあります。この記事では「プラリネとは?」に始まり、歴史やプラリネのおすすめレシピなどを紹介します。

プラリネの基礎知識

プラリネとは

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プラリネはフランス語でpralinéと綴り、煮詰めた砂糖にローストしたナッツを加えてキャラメリゼしたものです。プラリネをペースト状にしたものは、ボンボンショコラの中身(センター)としてもポピュラーです。同じ綴りなのですが、最後のeからアクサンが取れてpralineになると「プラリーヌ」と読み、こちらはキャラメリゼしたナッツを差します。ベルギーでは「プラリーヌ」がボンボンショコラを指し、ドイツ語ではボンボンショコラを「プラリーネン」と呼ぶので、各国の人が集まってチョコレートの話をすると混乱するかもしれませんね。

※関連ページ:ジャンドゥーヤとはナッツを使ったチョコレート。プラリネとの違いも解説。

アーモンドやヘーゼルナッツなど原料の違いによるプラリネの種類

パティスリーで主に使われるプラリネはアーモンドとヘーゼルナッツです。そのため、それぞれアーモンドプラリネ(プラリネ・ダマンド)、ヘーゼルナッツプラリネ(プラリネ・ノワゼット)と呼ばれます。ちなみにイタリア発祥の「ジャンドゥーヤ」は、ナッツはキャラメリゼせず、ローストしたヘーゼルナッツやアーモンドを砂糖と合わせて挽き、さらにチョコレートを合わせたものです。

「プラリネ=ボンボンショコラ」ではない

プラリネ=ボンボンショコラと誤解される方もいらっしゃるかもしれませんが、おそらくベルギーでボンボンショコラを「プラリーヌ」と呼ぶことから生じているのではないかと思われます。ベルギーで中に詰め物をしたひと口サイズの「プラリーヌ」が誕生したのは1912年。ある薬局が薬を売るかたわら、チョコレートなどの菓子も置いていたことから、2代目オーナーはチョコレート専門店を開くことにしまし。これが老舗のチョコレート店「ノイハウス」の始まりです。プラリーヌを作り出したのは3代目オーナー、ジャン・ノイハウス2世でした。

ボンボンショコラ発祥ブランドの人気商品に使われていたプラリネ

ボンボンショコラの始まりは、ベルギーの「ノイハウス」のプラリーヌと前述しましたが、ジャン・ノイハウス2世が作り出したプラリーヌのセンターはナッツのペースト、つまりプラリネでした。とろける口どけのチョコレートと、中に入れられたジャリッと歯応えのあるプラリネの組み合わせは、ボンボンショコラの定番中の定番です。アーモンドやヘーゼルナッツだけでなく、今ではピスタチオやゴマ入りのプラリネもあり多彩な味を楽しめるようになりました。

プラリネが有名な海外のチョコレートブランド

ナッツの香ばしい食感と口どけのいいチョコレートの組み合わせはシンプルながら、店の個性が出るものです。ここではプラリネが有名な世界の人気ブランドの中から日本でも販売取扱店があるものを紹介します。

パスカル カフェ(Pascal Caffet)

27歳という年齢で、M.O.F.(フランス国家最優秀職人章)の肩書を得たパスカル・カフェさんは、プラリネの名手として知られます。ガナッシュより繊細と言われる、昔から同店で作られてきたプラリネは、「SANS DOUTE LES MEILLEURS PRALINES DU MONDE ® (間違いなく世界一のプラリネ)」という商標登録もされています。ヘーゼルナッツプラリネの「モルティエ・ドール」、アーモンドプラリネの「アマンド」は定番です。2016年には100種類のレシピからなる「Pralinés(プラリネ)」という本も出版しています。

ブリュイエール(BRUYERRE)

「ヘーゼルナッツプラリネ」を看板商品としているのが、ベルギーの老舗ショコラトリー「ブリュイエール」です。1909年の創業当時のレシピが、今も熟練職人の手で再現されており、ヘーゼルナッツのプラリネもそのひとつ。職人が状態を確かめながら天然石のローラーで、丹念に挽いていくヘーゼルナッツプラリネはナッツの食感が活きています。ヘーゼルナッツプラリネがホワイトチョコレートで覆われた「アンボワーズ」はブリュイエールを代表するプラリーヌ(ボンボンショコラ)です。

プラリネの手作りレシピ

プラリネは意外と簡単に、普段使っている道具で作れます。そのまま食べても、デザートに添えてもおいしい筆者おすすめのレシピをご紹介します。

ケーキに添えておしゃれにナッツのカリカリ系プラリネ

そのまま食べても、ケーキやアイスクリームに添えてもおいしくて、おしゃれ。

【材料】
ナッツ(アーモンド、ヘーゼルナッツ、くるみなど)60g
砂糖 30g
水 10ml

(作り方)
下準備:天板や皿にオーブンシートを敷いておく。

1.鍋に砂糖と水を入れ、水で砂糖全体が湿るまでそのままおいておく。中強火にかけ、とけた砂糖がキツネ色になったら、火からおろして刻んだナッツを加える。
2.ヘラで全体をかき混ぜ、ナッツに均一にからまるようにする。

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3.火に戻してカラメルが再びとけだしたら、すぐにオーブンシートの上に広げる。冷めたらそのまま、または刻んで密封容器に入れて保存する。

ボンボンショコラのセンターにもできるペースト状のプラリネ

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プラリネをフードプロセッサにかけてペースト状にすると、とかしたチョコレートと合わせ、型に入れて固めるだけでかわいいボンボンショコラが完成! 型に入れる代わりに、クッキーでサンドすればオシャレなギフトになりそうです。他にも楽しみ方はいろいろ。バニラアイスクリームにかけるだけでも立派なデザートになりますし、もっと手軽にトースト塗れば贅沢な朝食で1日を始められます。

色々なプラリネをぜひ味わって!

ボンボンショコラのセンターとして古くから親しまれてきたプラリネ。よく似た言葉がいくつかありますが、「プラリネ」はアーモンドやヘーゼルナッツをはじめとするナッツをキャラメル状に煮詰めた砂糖で和えたり、ペースト状にしたものということがおわかりいただけたと思います。ボンボンショコラを選ぶときの参考にしたり、意外に簡単にできる手作りプラリネに挑戦してみたりしてくださいね。

このコラムは私が書きました。

ガイド名:松野玲子

フードライター歴25年。国内外の製菓・料理専門誌の執筆を仕事にするかたわら、プライベートでは国内外の食べ歩きや、パンやお菓子を焼くことを楽しむ食いしん坊。ショコラティエとフランス・ベルギーのチョコレート店を巡った仕事は一生の思い出。