- 明治栄養ケア倶楽部トップ >
- 栄養ケア情報/低栄養について >
- 食べる力が落ちてきた人の水分補給
低栄養について
食べる力が落ちてきた人の水分補給
食べる力が落ちてくると水分が摂りにくくなることもあり、脱水への備えも重要です。効率よく水分が摂れる工夫、飲みやすくする工夫なども知っておきましょう。
さらさらの液体は誤嚥[ごえん]に注意
飲みこむ力(嚥下[えんげ]機能)が落ちた人は、誤嚥[ごえん]に注意が必要です。特に、水のようなさらさらした液体は、嚥下[えんげ]反射が起きる前に気管に入り込みやすいものです。誤嚥[ごえん]が心配な場合には、とろみ調整食品で水やお茶などにとろみをつけ、液体の流れをゆるやかにすることで、誤嚥[ごえん]のリスクを減らすことができます。
とろみ調整食品の使い方
飲み物や、みそ汁やスープなどの汁物にとろみをつけるには、粉末のとろみ調整食品が便利です。液体の温度に関係なく、加えて混ぜるだけですぐにとろみがつきます。ただし、とろみがつきすぎると、口の中や喉に貼りつく危険があります。ストローや吸い飲みで飲める程度のとろみ加減を目安にします。
水分と栄養を同時に補給する方法も
食べる力が落ちた人には、水分と栄養が同時に効率よく摂れる工夫も大切です。ミルクココアやきな粉ミルクなど少し甘い飲み物を摂ると、栄養補給もでき、リラックス効果も期待できます。
参考文献
- *1)「 体力科学」vol.54,No.1,2005:地域在宅高齢者における低栄養と健康状態および体力との関連(權ら)
- *2)『 高齢者の栄養管理』細谷憲政監修・杉山みち子他著 2005年(日本医療企画)
- *3)『 在宅での栄養ケアのすすめかた』全国在宅訪問栄養食事指導研究会編集 2008年(日本医療企画)
- *4)「 臨床栄養」vol.118,No.6,2011.5,臨時増刊:病院・施設・在宅を結ぶ高齢者の栄養ケア(医歯薬出版)
- *5)「 介護予防マニュアル(改訂版)」より「栄養改善マニュアル」平成24年3月(厚生労働省)
- *6)「 健康日本2(1 第二次)」(厚生労働省)
- *7)「 日本公衆衛生雑誌」vol.55,No.7,2008:低栄養と介護保険認定・死亡リスクに関するコホート研究(東口ら)
- *8)『 健康長寿診療ハンドブック』日本老年医学会編集 2011年(メジカルビュー社)
- *9)『 低栄養予防ハンドブック』熊谷修監修 2004年(地域ケア政策ネットワーク)
- *10)『 サクセスフルエイジングをめざして』東京都老人総合研究所(現東京都健康長寿医療センター)2005年第2版
- *11)『フレイルに関する日本老年医学会からのステートメント』一般社団法人日本老年医学会 2014年
- *12)『Timed Up & Go Test (TUG)について』一般社団法人日本運動器科学会 藤野整形外科医院院長 藤野圭司