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低栄養について
高齢者がとりたい 栄養・食品
体力キープの基本は「エネルギー」と「たんぱく質」
体力と抵抗力を保つためにエネルギーを、元気に動ける骨格筋を保つために良質なたんぱく質を、十分に摂りましょう。
ベースとなるこれらの栄養をしっかり摂った上で、骨や筋肉に必要なカルシウム、体の調子を整えるビタミンやミネラル、食物繊維などをバランスよく摂ることが大切です。
1日に摂りたい栄養と食品の目安
1日に摂りたい食品の量の目安は下記の通りです。卵や豆腐は消化のよい良質なたんぱく質なので、肉や魚が食べにくい人は、まずは卵や豆腐でたんぱく質を摂るようにするとよいでしょう。ただ、肉や魚には、卵や豆腐とは異なるアミノ酸やビタミン、ミネラルなどが含まれており、毎日摂る食品の種類が多い人ほど高齢になっても活動能力が高く、長生きであるという調査報告もあります参考*9、10。毎日でなくても、なるべくさまざまな食品を摂れるよう心がけましょう。
1日の推定エネルギー必要量は70代以降の男性で1850~2200kcal、同女性で1500~1750kcalです。
(日本人の食事摂取基準2015年版、身体活動レベルⅠ、Ⅱ)
ちょっとした工夫で栄養充実メニューに
毎日の食事メニューを、ほんの少し変えるだけで摂取できるエネルギーや栄養量は変わります。例として、70歳以上の男性(身体活動レベルⅡ/ふつう)のメニュー例をご紹介します。
左の献立は充実しているようですが、エネルギーもたんぱく質もやや不足ぎみ。簡単にすませがちな朝食や昼食、間食にも卵、乳製品、肉や魚、野菜、果物などをプラスしてみましょう。また、3食でなるべく異なるいろいろな食材を使うと、栄養のバランスが充実します。
(日本人の食事摂取基準2015年版、エネルギーは推定必要量、たんぱく質は目標量13~20%エネルギーの中央値を採用)
- *1)「 体力科学」vol.54,No.1,2005:地域在宅高齢者における低栄養と健康状態および体力との関連(權ら)
- *2)『 高齢者の栄養管理』細谷憲政監修・杉山みち子他著 2005年(日本医療企画)
- *3)『 在宅での栄養ケアのすすめかた』全国在宅訪問栄養食事指導研究会編集 2008年(日本医療企画)
- *4)「 臨床栄養」vol.118,No.6,2011.5,臨時増刊:病院・施設・在宅を結ぶ高齢者の栄養ケア(医歯薬出版)
- *5)「 介護予防マニュアル(改訂版)」より「栄養改善マニュアル」平成24年3月(厚生労働省)
- *6)「 健康日本2(1 第二次)」(厚生労働省)
- *7)「 日本公衆衛生雑誌」vol.55,No.7,2008:低栄養と介護保険認定・死亡リスクに関するコホート研究(東口ら)
- *8)『 健康長寿診療ハンドブック』日本老年医学会編集 2011年(メジカルビュー社)
- *9)『 低栄養予防ハンドブック』熊谷修監修 2004年(地域ケア政策ネットワーク)
- *10)『 サクセスフルエイジングをめざして』東京都老人総合研究所(現東京都健康長寿医療センター)2005年第2版
- *11)『フレイルに関する日本老年医学会からのステートメント』一般社団法人日本老年医学会 2014年
- *12)『Timed Up & Go Test (TUG)について』一般社団法人日本運動器科学会 藤野整形外科医院院長 藤野圭司