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低栄養について
食べる力が落ちてきた人の栄養アップ対策
単品の献立になっていませんか?
「あまり食欲がない」「食べにくい」と感じることが増えると、どうしても簡単なメニューですませてしまいがちに。そんなときは、身近にある食品をプラスして、少量でも効率よく栄養が摂れるように工夫してみましょう。
おかゆを食べるなら栄養をプラス
食欲がないとき、「おかゆを食べていればだいじょうぶ」と思っていませんか?おかゆはごはんより水分が多いので、1杯のエネルギーはごはんの半分以下。おかゆを食べるなら、ほかの食材を加える工夫でエネルギーと栄養をプラスしましょう。
「つなぎ」と「とろみ」でまとまり食に
誤嚥[ごえん]を予防するための工夫も大切です。食事の形態は「口の中で噛みやすく、つぶしやすく、まとまりやすく、のど越しよく」を心がけましょう。普通食を刻むだけでは、口の中でばらけてしまい、むせや誤嚥[ごえん]の原因になることも。刻む場合は、つなぎ材料やとろみづけ材料でまとめましょう。
常備しておくと役立つ食品
下記の食品は、常備しておくと栄養補給のほか、料理のつなぎやとろみづけに使うこともできます。また、長期保存もできるため、買い物や食事作りが大変な人は、家族に買い物を頼む際などにまとめて買い置きをしておくと便利です。
手軽に栄養を補充する工夫
「1日3食作るのが面倒」と考える人もいるかもしれません。ただ、1日に必要な栄養を2食で摂ろうとすると、1食の量が多くなってしまいます。少しずつでもいいので、1日3食摂りましょう。
小食の人は、1日何回かに分けて食べやすいものを食べてもいいでしょう。手軽に栄養を補給できるメニューをいくつかご紹介します。
プロテインパウダー(たんぱく質の粉末)は、たんぱく質を手軽に補給したいときに便利です。水や牛乳、ジュースのほか、みそ汁やスープに溶かして飲んでもいいでしょう。ただし、熱い液体に加えるとダマになりやすいため、あら熱をとってから加えます。
- 「図解 噛みにくい・飲みにくい人の食事」藤谷順子監修2003年(主婦と生活社)
- 「在宅生活を支える!これからの新しい嚥下食レシピ」江頭文江著2008年(三輪書店)
- 「時間栄養学」日本栄養・食糧学監修・香川靖雄編著2009年(女子栄養大学出版部)
体を動かすことも大切
体を動かすと消化機能の働きがよくなり、栄養の吸収もよくなります。また、適度な運動は、筋肉や骨をじょうぶにするためにも大切です。じっとしていると、筋肉や骨は弱くなっていきます。買い物や散歩、家事、テレビ体操などで適度に体を動かす習慣をつけましょう。運動にはほかにも、ストレス解消、血行がよくなる、転びにくくなるなどのメリットがあります。
- *1)「 体力科学」vol.54,No.1,2005:地域在宅高齢者における低栄養と健康状態および体力との関連(權ら)
- *2)『 高齢者の栄養管理』細谷憲政監修・杉山みち子他著 2005年(日本医療企画)
- *3)『 在宅での栄養ケアのすすめかた』全国在宅訪問栄養食事指導研究会編集 2008年(日本医療企画)
- *4)「 臨床栄養」vol.118,No.6,2011.5,臨時増刊:病院・施設・在宅を結ぶ高齢者の栄養ケア(医歯薬出版)
- *5)「 介護予防マニュアル(改訂版)」より「栄養改善マニュアル」平成24年3月(厚生労働省)
- *6)「 健康日本2(1 第二次)」(厚生労働省)
- *7)「 日本公衆衛生雑誌」vol.55,No.7,2008:低栄養と介護保険認定・死亡リスクに関するコホート研究(東口ら)
- *8)『 健康長寿診療ハンドブック』日本老年医学会編集 2011年(メジカルビュー社)
- *9)『 低栄養予防ハンドブック』熊谷修監修 2004年(地域ケア政策ネットワーク)
- *10)『 サクセスフルエイジングをめざして』東京都老人総合研究所(現東京都健康長寿医療センター)2005年第2版
- *11)『フレイルに関する日本老年医学会からのステートメント』一般社団法人日本老年医学会 2014年
- *12)『Timed Up & Go Test (TUG)について』一般社団法人日本運動器科学会 藤野整形外科医院院長 藤野圭司