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食育での利活用

スワロービジョン研究で「生き生きとした食生活」に貢献する

Make Life Lively

明治の嚥下研究

食育での利活用

スワロービジョン研究で
「生き生きとした食生活」に貢献する

Make Life Lively

世界初の4次元嚥下シミュレーター
「Swallow Vision®:スワロービジョン」とは

スワロービジョンは、株式会社 明治(食品工学)と武蔵野赤十字病院(医歯学)が共同開発した、世界初の4次元嚥下シミュレーターです。
医療画像から作られた正確な生体モデルと、生体内での特性を考慮した食品モデルを用いて、人が食品を嚥下する様子を精密に再現・可視化することができ、専門学会などで高い評価を得ています。

スワロービジョンの可能性

社会への貢献

1) 食育での利活用
 「食べる力」=「生きる力」を育む食育
「食育」とは、様々な経験を通じて、「食」に関する知識と、バランスの良い「食」を選択する力を身に付け、健全な食生活を実践できる力を育むことです。食べることは生涯にわたって続く基本的な営みですから、子供はもちろん、大人になってからも「食育」は重要です。

「食べること」「食べられること」そして「年齢や機能に応じた食べ物のこと」、それらの奧の深さを伝えたい。それが スワロービジョンの目標です。

食育での利活用

政府広報オンライン
http://www.gov-online.go.jp/useful/article/201605/3.html

2)「食べる楽しみ」を「いつまでも」
栄養摂取法はいろいろありますが、「食の楽しみ」は「口から食べる」ことでしか得られません。高齢になっても、いつまでも「口から食べられる」ように、嚥下能力に応じた食品を提案していきたい。

そんな食品やメニューの提案にスワロービジョンを利活用していただけるように研究しています。

「食べる楽しみ」を「いつまでも」

3)「食べる楽しみ」を「どなたにも」
生来または中途障害によって、嚥下障害に苦しんでいる方がおられます。食べると誤嚥して肺炎に罹りやすいので、「口から食べてはいけません」と言われることもあります。

でも、たとえばお母さんは、工夫すると食べられる食品があるのを知っていることも・・。そんなとき、スワロービジョン用の個別モデルがあれば、本当に食べられるか、どんな食べ物を、どんな風に食べると食べられるのかが、分かるようになる可能性があります。

「食べる楽しみ」を「どなたにも」

医療分野への貢献

1) 症状と検査、診断、治療の流れ(臨床での意思決定法)
患者様の症状から治療に至るまでの医師の思考と検査、診断、治療法決定の流れをまとめると、下図のようになります。
スワロービジョンは、検査や診断の精度向上に貢献できると予想されます。また、治療結果の予測が可能になり、より適切な治療法の決定、新治療法の試行、そして新機器開発につながります。

医療分野への貢献
医療分野への貢献

2) 検査精度の向上
患者様ごとの個別モデルができれば、咽頭残留量誤嚥経路の計測が可能です。

3) 治療効果の予測
患者様ごとの個別モデルができれば、 手術効果の予測が可能です。

4) 誤嚥のメカニズム解明
スワロービジョンで誤嚥を解析することで、患者さんに負担なく誤嚥のメカニズムを解明できると期待されています。

5) 嚥下運動の加齢変化の解析
スワロービジョンは、可視化の技術が高いので、個別モデルが増えれば嚥下関連器官の加齢変化を解析できます。

高齢者や嚥下障害者に適した商品開発への利活用

1)価値設計での活用
健常者、高齢者、嚥下障害者の各モデルを比較することで、問題の発見と特定、解決策のための商品提案に利用することができます。

高齢者や嚥下障害者に適した商品開発への利活用

2) 商品の品質評価での活用
生体の運動や食塊の物性など様々な条件(パラメータ)で解析して、品質評価のための仕組みをさらに強化することができます。
スワロービジョンは、ニュートン流体※1だけでなく、非ニュートン流体※2の食塊の流れも解析できます。解析した食塊の流れは、視覚的に観察・評価するために2次元・3次元の静止画あるいは動画として示したり(可視化)、物理的な特性値を抽出してグラフや位置情報として示したり(数値化)することができます。

※1:粘度がせん断速度に依存して変化しない流体をニュートン流体とよびます。例えば水、はちみつ、サラダ油などがあります。
※2:粘度がせん断速度に依存して変化する流体を非ニュートン流体とよび、普段目にする液状食品の多くが含まれます。例えばドレッシング、マヨネーズ、ケチャップ、などがあげられます。

①食塊の流れの可視化
②食塊の流れの数値化(せん断速度分布)

※①②をクリックすると画像が表示されます。

スワロービジョンのしくみ

1)嚥下のコンピューターシミュレーション
コンピューターシミュレーションとは、ある現象を“数理的なモデルに置き換えて”コンピューターの中で模擬試験することです。実際に試験することが不可能・困難・危険である場合や、試験しても、その現象の特性や法則を解明できない場合に大変有効です。嚥下は肉眼で観察することが不可能な上に、複数の器官が緻密に連携した複雑かつ高速の運動です。その現象の細部に至る観察と網羅的な解析を可能にしたものが、嚥下シミュレーター「スワロービジョン」です。

2)スワロービジョンの構成
スワロービジョンでは、立体CGソフトによって作成した生体モデルと、物性計測などによって定義した食塊モデルを統合して、シミュレーションを行います。そして、シミュレーションの結果を評価・分析したのち、現実問題へ適用していくという流れを取ります。

スワロービジョンのしくみ

研究発表(クリックでPDFが開きます。)

監修
東邦大学医学部 客員教授 道脇幸博先生

東邦大学医学部 客員教授
道脇 幸博先生
1981年  東京医科歯科大学歯学部歯学科卒業
2001年  昭和大学歯学部第一口腔外科学教室助教授
2006年  武蔵野赤十字病院 特殊歯科・口腔外科部長
2022年  同 定年退職
2022年  東邦大学医学部 客員教授,現在に至る
2023年  株式会社みちわき研究所 代表取締役社長,現在に至る

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