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食べる機能に合わせた食事の工夫
食べる機能に合わせた食事の工夫
監修:武蔵野赤十字病院 特殊歯科・口腔外科 部長 道脇幸博先生
監修:武蔵野赤十字病院 特殊歯科・口腔外科 部長 道脇幸博先生
調理の工夫
「歯の具合がわるい」 「食事の時によくむせる」 など食べる機能が弱くなった方の食事は、誤嚥や窒息をしないように調理の工夫が必要になります。それぞれの食べる機能に合わせて、適切な食材を選び、十分に下ごしらえをすることで食べやすくすることができます。
■噛む力が弱い人には
奥歯にのる適度な厚みと大きさにして、歯茎でつぶせる程度にやわらかく加熱します。
■口の中でまとめる力や飲み込む力が弱い人には
舌と上あごでつぶせる程度にやわらかく加熱するとともに、つなぎやとろみづけになる食材を加えて咽喉(のど)に送りやすい形状にします。
食べるときの工夫:交互嚥下
食べる力が弱くなると料理の一部が口の中や咽喉(のど)の奥に残ってしまうことがあります。そんなときは「交互嚥下(こうごえんげ)」を行いましょう。
交互嚥下とは、料理を一口食べる毎にとろみのあるお茶やゼリーなどのど越しのよい食品と交互に食べるようにする方法で、口の中や咽喉(のど)に残った料理の一部が、とろみやゼリーと一緒に嚥下されて、飲み込みがスムーズになり、誤嚥の防止につながります。
市販食品、介護食品を上手に活用
食べやすくする調理の工夫も毎日のこととなると大変です。なるべく負担が少なく継続できる方法として、市販のレトルト食品や缶詰、冷凍総菜などを常備しておくと便利です。介護用のレトルト食品なども販売されているので、上手に活用しましょう。
- 参考文献
- 「食べる力のサポートブック」藤谷順子監修・財団法人 日本訪問看護振興財団
- 「図解 噛みにくい・飲みにくい人の食事」藤谷順子監修2003年(主婦と生活社)
- 「在宅生活を支える!これからの新しい嚥下食レシピ」江頭文江著2008年(三輪書店)
- 「時間栄養学」日本栄養・食糧学監修・香川靖雄編著2009年(女子栄養大学出版部)