カカオの文化

メキシコ(3)メキシコ・オアハカのチョコラテ屋さん

Hola! こんにちは。オアハカのHirokoです。今回はオアハカのチョコラテ屋さんについてご紹介します。

メキシコの中でもカカオが育つのはタバスコ州やチアパス州の低地の熱帯地方です。もちろんそうした産地でもカカオは様々なカカオドリンクとして消費されるのですが、ほとんどのカカオはオアハカ向けに出荷されるほどオアハカではチョコラテ産業が盛んです。

大きなメーカーはあちこちに支店があり、街中を歩いているとたくさんのチョコラテ屋さんを目にします。また、街の中央広場近くの市場の周りにはチョコラテ屋さんがいくつも軒を連ねる一角があり、私は勝手に『チョコラテ横丁』と呼んでいます。そのあたりを通るといつもチョコラテの香ばしくて甘い香りが漂ってきて、ついフラフラとお店の中に吸い込まれてしまいます。

オアハカのチョコラテ屋さんの店頭にはほとんどといっていいほど磨砕機(モリエンダ)が並んでいます。その場でカカオ豆を磨り潰して作るので、とってもいい香りなのです。

出来上がりの最小量は1kgからなので、1kg以上必要なお客さんは自分の好みでカカオ豆や砂糖、シナモンなどのスパイスの分量を指定することができます。カカオ豆はシェル(皮)付きのものとシェルを剥いたもののどちらかから選び、砂糖の分量を決めて、シナモンやアーモンドなどの風味付けを指定したら、モリエンダに投入します。モリエンダの中は石臼が縦に並んで高速回転していて、その臼で摺り混ぜられたカカオ豆は摩擦熱で溶けてドロドロの液体状になって機械から出てきます。それを砂糖と混ぜて、もう一度モリエンダに投入し、カカオと砂糖を均一に混ぜたものが出来上がりの商品となります。出来立てのチョコラテは摩擦熱でホカホカ、熱いくらいです。お客さんは家に持ち帰ったら柔らかいうちに小分けして球状や円盤状に形を整えて冷まして乾燥させて保存します。(私は以前チョコラテ屋さんで買った状態のまま放置してしまったら、カチンカチンの塊になってしまい、あとから取り分けるのに大変苦労しました...。小分け大事!)こうしていつでもおうちでチョコラテが飲めるようにしているのです。

チョコラテ屋さんでは、お店のブレンドをすでに小分けしてパッキングした商品も売っています。カカオの割合やフレーバーも色々あり、試食もすごく勧めてくれるので、お好みの味を探すのも一興です。大きなチョコラテ屋さんは併設レストランやイートインスペースがあって、その場でチョコレートドリンクを注文して飲むこともできます。冷たいチョコラテもあるので、日差しの強いオアハカの街歩きで乾いたのどを潤して糖分で疲労回復するのにぴったりです。書いているうちにチョコラテが飲みたくなってきてしまいました。

次回はオアハカ市内のおすすめのチョコラテ屋さんをご紹介しますね!

このコラムは私が書きました。

ガイド名:Hiroko Sato
出身地:東京

オアハカ在住14年目。世界遺産検定1級。大学時代からメキシコについて専攻し、卒業後旅行会社に勤務。移住後はオアハカを中心にメキシコ全般のガイド、テレビ番組や出張のコーディネーターなど多く経験あり。