カカオの文化

チャンポラードとは?フィリピンの伝統的なチョコレート粥をご紹介

チャンポラードとは?フィリピンの伝統的なチョコレート粥をご紹介

みなさん、こんにちは!フィリピン在住のGary Ann Lastrillaです。 今回は、フィリピンの伝統的なチョコレート料理「チャンポラード(Champorado)」という料理についてご紹介します。

フィリピンにおけるチョコレート(カカオ)の歴史

突然ですが、みなさんはフィリピンでカカオ栽培が盛んに行われていることをご存知でしたか?カカオやチョコレートといえば、日本ではガーナやエクアドルに代表されるようなアフリカや中南米のイメージが強いかと思いますが、実はフィリピンも国を挙げてカカオ産業に取り組んでいる国の一つです。
カカオの栽培・生産が始まったのは、1,700年代のスペイン統治時代。南北緯20度のカカオベルトと呼ばれる熱帯地域に位置し、豊かな土壌を持つフィリピンは、カカオの栽培に適した環境が整っており、日常的にチョコレートを食べたり、飲んだり、フィリピン人の生活や文化に根付いていきました。

フィリピンの日常に溶け込むチョコレート文化

フィリピンのホテルにあるチョコレートドリンクコーナー

フィリピンでは、チャンポラードやチョコラーテ(濃厚なホットチョコレート)のような食べ物からリップクリーム、フェイスマスク、ローションといった美容商品までチョコレートが日常のあらゆる場面で取り入れられています。

また、チョコレートのデザートやお菓子は誕生日パーティーや結婚式といったお祝い事に欠かせない存在になっており、特に板チョコやタブレア(カカオを潰して固めたもの)、焙煎されたカカオ豆等がクリスマスやバレンタイン等の特別な日の贈り物としてよく選ばれます。さらにフィリピン人の旅行の際のお土産としてもチョコレートは圧倒的な人気があります。

チャンポラードとは?

チャンポラードは、フィリピンであらゆる年代の方々から愛されている、伝統的なチョコレートのお粥です。主な材料は、もち米とココアパウダー、お砂糖、エバミルク(無糖練乳)で、コーヒーやミルク、フルーツジュースと一緒に朝食やおやつの時間によく食べられています。また、ホテルやレストラン、カフェでも年中提供されています。

日本でもアジア食品専門店にチャンポラードミックスが置いてあったり、フィリピン料理のレストランにメニューがある場合があるので、ぜひチェックしてみてくださいね。

チャンポラードの作り方

材料(2人分)

・もち米:1/2カップ
・水:500cc
・ココアパウダー:大さじ3
・砂糖:適量
・エバミルク(無糖練乳):適量

作り方

■ステップ1
もち米とココアパウダー、お砂糖、エバミルク(無糖練乳)を準備します。

■ステップ2

鍋に水を入れ火にかけます。沸騰したら、中火から弱火にしてもち米を加えます。お米が固まったり、焦げたりしないように、常にかき混ぜてください。

■ステップ3
とろみがついたら、ココアパウダーとお砂糖を適量加えて再びかき混ぜます。

■ステップ4
お皿にお粥をよそって、エバミルク(無糖練乳)をかけたら完成です!

人気のあるアレンジレシピ

チャンポラードは、好みに応じて他の材料に変更したり、アレンジを加えて楽しむことができます。
例えば、エバミルクの代わりに練乳やココナッツミルクを加えるのもオススメの食べ方の一つです。

タブレア

また、フィリピンではココアパウダーの代わりにタブレアや焙煎されたカカオ豆、紫山芋を使う人もいます。 

干し魚を添えたチャンポラード

さらにフィリピンでは、甘いチャンポラードに塩辛い干し魚を添えるのが通の食べ方!甘さとしょっぱさの絶妙なバランスがクセになります。
その他にも、イチゴやバナナ等の果物をスライスして、さっぱりした味わいを楽しんだり、グラノーラやくるみ、アーモンド等のナッツを加えて食感をプラスするというように、自分の好みに合わせて様々なアレンジができるのもチャンポラードの魅力です。

今回は、フィリピンのチョコレート粥「チャンポラード」をご紹介しましたがいかがだったでしょうか?日本ではなかなか味わうことのできないユニークなフィリピンのチョコレート文化。機会がありましたら、ぜひフィリピン現地で体験してみてくださいね! 

Gary Ann Lastrilla
Gary Ann Lastrilla


フィリピン出身の編集長。
ライターやコンテンツプロデューサー、司会者としても活躍。
また、ジャーナリズムの修士号を取得しており、広報の経験も有する。