カカオをカルチャーに。

2023/12/15

フランス発の人気チョコレートブランドといえば?歴史や特徴もご紹介

basic49_01.jpg

チョコレートの原料であるカカオの歴史は約5300年と言われており、チョコレートといえばフランスのイメージが強いですが、ヨーロッパで最初に伝わった国はフランスではなく、 意外にもスペインです。では、本記事のテーマであるフランスへはいつ頃伝わったのでしょうか。フランスへはスペインから17世紀に伝わりました。 それから数百年、どのような歴史の変遷を経て現代に続いているのか、またフランスのチョコレートの傾向や人気のブランドなど、フランスのチョコレートについて詳しく解説します。

フランスにおけるチョコレートの歴史

スペイン王室により門外不出とされていたカカオ(チョコレート飲料)は、2つの婚姻をきっかっけにフランスに伝わりました。 1つは1615年にフランス国王ルイ13世と、スペイン国王フェリペ3世の娘アンヌが結婚し、カカオを好んだ王妃によってチョコレートがスペインからフランスに持ち込まれました。
もう1つのできごとはそれから45年後の1660年、ルイ14世と結婚したフェリペ4世の娘マリア・テレサがスペインからチョコレートの料理人を連れてきたことです。
こうして、スペインからフランスに伝わったチョコレート。この当時は、現代のような食べ物ではなく、カカオ豆をすり潰して湯や砂糖、スパイス等を加えた飲料としてのチョコレートでした。 フランスでは、貴族階級の女性を中心にチョコレートを飲む習慣が大流行し、徐々に庶民の飲み物となっていきました。
日本にチョコレートが伝わったとされる最初の記録は、1797(寛政9)年ですので、フランスはそれよりも180年以上も前に伝わっていたのです。

市民向けのココアの広がり

17世紀後半のフランスでチョコレート(ココア)を味わえるのは貴族階級の人々に限られていましたが、スペインと国境を接するフレンチ・バスク地方は例外的でした。ポルトガルから亡命してきたユダヤ人たちが、独自の交易ネットワークを使いカカオ豆を入手、1687年には首都のバイヨンヌ市内でココアを製造・販売するようになったのです。ルイ14世がトゥルーズのダヴィッド・シャリューにココアの製造と販売の独占権を29年間与えていましたが、1680年代にはその権利が切れて、バイヨンヌを先駆けに市民層にココアが広がり始めました。その後、1693年にはフランス国内におけるカカオの取引やココアの販売が自由化されました。翌1694年には、海外からフランスに輸入されるカカオの関税が引き下げられ、 市民にココアが普及していくことになります。ユダヤ人によってバイヨンヌでのチョコレート製造が発展し、1854年にはバイヨンヌだけで34のチョコレートの店があったとのことです。ちなみに、本記事でも後ほど紹介する「ラ・メゾン・デュ・ショコラ」の創業者、ロベール・ランクス氏はバイヨンヌ出身です。

歴史あるフランス・パリのチョコレート店

フランス国王ルイ16世の王室薬剤師だった貴族出身のスルピスドゥボーヴは、フランス革命後の1800年、パリにチョコレート店を開きました。 彼はマリーアントワネットの専属薬剤師でもあり、とかしたチョコレートに粉末の薬を混ぜて丸く薄い型で固め、薬を包み混むチョコレートを作りました。これは「王妃のピストル」(ピストルとは18世紀のスペインの小さなコイン)と呼ばれ、今でも同店の人気商品として続いています。ナポレオンも愛好したという歴史あるチョコレート店は、1823年に甥のガレ氏と共同経営することになり、「ドゥボーヴ・エ・ガレ」となり現代に続いています。
その他にも、1800年代には「フーシェ」や「ボアシエ」などのチョコレート店が創業されました。19世紀は、1847年にイギリスで「食べるチョコレート」が発明されたり、 1876年にスイスでミルクチョコレートが発明されたりするなど、長い間飲料として人々に消費されていたチョコレートから固形のチョコレートへと発展を遂げた時代でもあります。

現代のフランスのチョコレート事情

フランスは、2020年の統計では1人当たりのチョコレート年間消費量は3.6㎏で第14位。第1位のスイスが9.3㎏ですので、それと比べると案外少ない印象を受ける方もいるかもしれません。(尚、日本は1人当たり年間2.1㎏ですので、フランスは日本の1.7倍程度の消費量ということになります。)一方、チョコレートの国内生産量を見てみると、 フランスは約16.8万トンで世界第6位です(2020年統計)。
中心地パリのみならず、各地方都市にも多くのショコラティエ(チョコレート専門店)があり、それぞれの職人が趣向を凝らした商品に出会うことができます。その他、スーパーでも板チョコレートなどカジュアルなチョコレート製品が多く並び、気軽に買うことができます。
また、毎年秋には世界最大規模のチョコレートの祭典「サロン・デュ・ショコラ」がパリで開催されたり、チョコレートの愛好家クラブ 「クラブ デ クロクール ド ショコラ(頭文字を取ってCCCと略される)」では、応募されたチョコレートの品評が行われたりするなど、 フランスではチョコレートが文化として根付いていると言えるでしょう。

フランスでよく見かけるチョコレートの傾向

フランス語ではチョコレートのことを「ショコラ」と言いますが、その主流はボンボン・オ・ショコラ(一口サイズのチョコレートの総称)です。ボンボンはフランス語でひと口サイズの砂糖菓子を意味します。イタリアからアンリ4世に嫁いだマリー・ド・メディシスによってフランス宮廷にもたらされたドロップを、 宮廷内の子どもたちが「ボンボン」と呼んだことから生まれた言葉とされています。ひと口サイズで小ぶりなのが特徴で、 フランスではカカオ成分の高いダークチョコレート(ショコラ・ノワール)が多いです。ミルクチョコレート(ショコラ・オレ)もありますが、ホワイトチョコレート(ショコラ・ブラン)は 少ない傾向です。センター(中身)にはガナッシュを使うのが主流ですが、プラリネもよく使われています。
また、産地別カカオのタブレット(板チョコレート)もショコラティエでよく見かける商品です。こちらもショコラ・ノワールが多い傾向にあります。

フランス発の人気チョコレートブランド

最後に、フランスのショコラティエや代表的な商品などをご紹介します。どのブランドも日本に店舗がありますので、ぜひチェックしてみてください。

ジャン=ポール・エヴァン/JEAN-PAUL HÉVIN

フランスのブルターニュ地方・マイエンヌに生まれたジャン=ポール・エヴァン氏。 パティシエ、ショコラティエ、グラシエの資格を取得後、1986年にはM.O.F.(フランス国家最優秀職人章、パティシエ・コンフィズール部門)を受章しました。1988年、パリ7区のモット・ピケ通りに自身の初となるブティックをオープンし、2002年には日本1号店を伊勢丹新宿本店と広島にオープンさせました。 このブティックは、同ブランド初となる「カーヴ ア ショコラ」と「バー ア ショコラ」を備えており、厳密な冷蔵管理をしてパリから空輸するショコラのほかマカロンやガトー(ケーキ)などを 販売しています。また店内のイートインでは、チョコレートやガトーと共にカカオの産地が異なるショコラ ショ(チョコレートドリンク)などのドリンクを味わうことができます。
2023年6月には、国内13店舗目となるブティックが日本橋三越本店内にオープンしました。
住所:東京都新宿区新宿3-14-1 伊勢丹新宿本店B1

basic49_02.jpg

ラ・メゾン・デュ・ショコラ/LA MAISON DU CHOCOLAT

ラ・メゾン・デュ・ショコラは、ロベール・ランクス氏によって1977年に創業されました。パリ、フォブール・サントレノ225番地に1号店をオープン、現在はM.O.F.(フランス国家最優秀職人章)を持つシェフ・パティシエ・ショコラティエ、ニコラ・クロワゾーのほか 熟練の職人技に取り組む35人のショコラティエにより、多くの芸術的なショコラが生み出されています。創業以来、手仕事による製造にこだわり、様々な種類のボンボン・ドゥ・ショコラや、チョコレートクリーム入りのエクレア、焼き菓子などを作っています。 また、数年前からは動物性の油脂やたんぱく質を一切使用しないヴィーガンコレクションも手掛けるなど、時代のニーズを取り入れた商品作りも行っています。
現在はフランスの他、東京、横浜、大阪、ニューヨーク、香港に店舗を展開しています。
住所:東京都千代田区丸の内3丁目4-1

basic49_03.jpg

ジャン=シャルル・ロシュ―/JEAN-CHARLES ROCHOUX

故郷リシュリューで修行を始め、パリのショコラトリー「ラ・プティット・ショコリエール」に勤務。 レストラン「ギー・ザヴォア」でデセールを担当した後、「ミッシェル・ショーダン」に10年間在籍し、シェフショコラティエを務めました。その後2004年に独立、パリ6区に現在の店舗を構えます。そして2018年1月、日本1号店を東京・青山にオープンしました。 ブティックには、アートのようなボンボンショコラやタブレット、動物をモチーフにしたチョコレートが並びます。
ジャン=シャルル・ロシューのショコラは、ペルーやマダガスカル、ベネズエラなど、世界中から集められたカカオ豆を使用。日本を訪れた際にロシュ―氏が出会った、山椒や生姜などを使った日本ならではのボンボンショコラも手掛けています。また、「カルーセル」というくるくると手で回す専用の道具でショコラを花びらのように薄く削る商品や、土曜日限定の、 旬のフレッシュフルーツを包み込んだフルーツタブレットは話題となりました。
住所:東京都港区南青山5丁目12-3 NOIRビル1F

basic49_04.jpg

ル・ショコラ・アラン・デュカス/LE CHOCOLAT ALAIN DUCASSE

フランス、南西地方のミシェル・ゲラール シェフの下で修行する料理人だったアラン・デュカス。パティシエのガストン・ルノートルらとの出会いでスイーツの世界に魅かれ、レストランが閑散期の冬には掛け持ちでパリのパティスリーでも働いていました。そこでショコラティエの仕事を垣間見て衝撃を受けたアラン・デュカスは、シェフになった後もショコラへの憧れを持ち続け、ついに2013年パリにショコラ工房を設立。 2018年3月には、パリに続き東京・日本橋にショコラ工房がオープン。日本で販売する商品は全てパリ工房でカカオ豆から作られたクーベルチュールを使用し、東京工房で製造しています。
彼の料理哲学は、良質な素材を厳選し、素材本来の味わいと香りを十分に引き出すこと。熟練のショコラティエたちがその技量を駆使し、カカオ豆本来の味わいを表現するチョコレートを作り出しています。ボンボンショコラやタブレットのほか、マカロンや焼き菓子など幅広い商品を手掛けています。
住所:東京都中央区日本橋本町1-1-1

basic49_05.jpg

まとめ

日本よりもかなり早くにチョコレートが伝わったフランス。そのあと長い歴史の中で、様々なブランドから多くのチョコレート商品が誕生しました。 人々の生活に根付き、愛されているフランス発のチョコレートは、日本に店を構えるブランドでも味わうことができます。フランスのチョコレートの見た目の美しさやその味わいなど、 お店ごとの違いを味わうのも楽しいですね。ぜひ自分が好きなブランドやお気に入りの1粒を見つけてみてください。

Hello, Chocolate 公式SNS

最新情報やトレンド情報など発信します!

  • チュコレート検定