カカオの文化

メキシコ(2)メキシコ・オアハカのメルカド(市場)

Hola! こんにちは。オアハカのHirokoです。今回はオアハカのメルカド(市場)についてご紹介します。

オアハカはメキシコ南部の州で、標高が低い地域ではカカオの栽培も可能ですが、私が住む州都のオアハカ市は標高1500mの高地で比較的涼しいため、カカオは育ちません。ただ、食の都なので、近隣の州で収穫されたカカオがこの町では沢山消費されます。メキシコはカカオ産出国ですが消費量も多いため、国産のカカオはほとんど国内消費されています。そのほとんどがオアハカ向けとなっていると言っても過言ではないかも。カカオが国の重要な輸出産業となっているほかの主要産出国とはかなり事情が異なりますね。やはり古代からカカオが食文化の一端を担っているという土地柄ならではなのでしょう。

メキシコの伝統的な食文化は2010年にユネスコの世界無形文化遺産に登録され、メキシコ人はメキシコ料理に特別の誇りと思い入れを持っています。そんなメキシコ人の胃袋を支えるのはメルカドと呼ばれる市場です。スーパーよりも新鮮で、少量でもお手頃価格で買えるので、私も生鮮食料品(青果や肉・魚など)はメルカドで調達することが多いです。先住民人口割合がメキシコ最多であるオアハカ州では、伝統的な食材や地場の食品が市場でよく売られています。郊外の村に行くと決まった曜日で青空市が開かれて、近隣の村々で収穫された新鮮な食材が所狭しと並びます。トマトやズッキーニ、アボカドなどはメキシコ原産だけあってさすがにとても美味しいです。またメキシコ料理に欠かせない唐辛子(チリ)は生のものも乾燥したものも大小様々、本当にたくさん売られています。そして乾物屋さんには必ずと言っていいほどカカオ豆も並んでいます。これは自家製のチョコラテやモーレ(煮込みソース)に使われます。

オアハカの街の中央広場のすぐ近くにある市場の周りには、私が勝手に『チョコラテ横丁』と呼んでいる一角があって、そこには何軒ものチョコラテ屋さんが並んでいます。オアハカのチョコラテ屋さんには必ずモリエンダと呼ばれる磨砕機が置かれていて、お客さんの指定した量のカカオや砂糖を店頭で摺混ぜてチョコラテのペーストにして販売するのです。
次回は日本のチョコレート屋さんとはずいぶん様子の異なるオアハカのチョコレート屋さんについてご紹介します!

このコラムは私が書きました。

ガイド名:Hiroko Sato
出身地:東京

オアハカ在住14年目。世界遺産検定1級。大学時代からメキシコについて専攻し、卒業後旅行会社に勤務。移住後はオアハカを中心にメキシコ全般のガイド、テレビ番組や出張のコーディネーターなど多く経験あり。