
メイジ・カカオ・サポートを応援するカールおじさんが、ガーナ共和国のカカオ産地を訪問しました。 現地では、森林減少対策として注目されている「アグロフォレストリー」の取組みについて、実際の農園の様子を見学するとともに、これまでの経緯や現状などさまざまな話を聞いてきました。本記事では、その概要と現地での取組みについてご紹介します。
アグロフォレストリーとは
アグロフォレストリー(Agroforestry)とは、農業(Agriculture)と林業(Forestry)という2つの言葉を組み合わせたもので、自然の生態系にならい、多種の農林産物を共生させながら栽培する農法です。農家の経営安定や持続的な土地利用に繋がると共に、生物多様性の保持や二酸化炭素(CO₂)削減効果が期待され、環境対策の1つとして世界的に注目を集めています。
2006年に(株)明治(以下、明治と記載)が始めた独自のカカオ農家支援活動「メイジ・カカオ・サポート(以下、MCSと略)」では、産地に直接足を運び、産地が抱える様々な課題に合わせた支援を行っています。今回カールおじさんが訪問したガーナ共和国も、MCSの対象国のひとつです。
ガーナはCFI(Cocoa & Forests Initiative)という国際枠組みのもと、カカオ由来の森林破壊を防ぐ目的で多品種・多目的樹木の導入を進めています。カカオだけの単一ではなくバナナやプランテーン、キャッサバなどを栽培。シェイドツリー(※)となるティンバーツリー(家具や建築資材になる木)も栽培されます。その土地に合わせていろいろな樹木や作物を栽培し、カカオと共生させることでカカオにも良い環境となり、またそれらが生産者の収入の多角化にも繋がります。
※シェイドツリーとは:日陰樹とも言います。カカオの樹は風に弱く、直射日光を好まないため、樹が大きくなるまでよくシェイドツリー(日陰樹)が使われます。


オハヨー農園とは
カールおじさんが訪ねたのは、ガーナ政府認定NGO「おはようガーナ財団」が管理しているカカオ農園。


現在は日本人の方がオーナーで、ガーナの方々と共に農園を運営しています。
カールおじさんが訪ねた時は、この農園のカカオの樹は人の背丈より少し高いくらい、3mほどにまで成長していました。2025年にやっと実を結び、カカオが収穫できた際には生産者の人たちも大喜びしたそうです。
収穫時には、粒周りが大きく良い品質であることも確認されました。
元々試験農場としてスタートしたため、整備がしっかりしているのが特徴です。カカオ樹は通路に合わせてまっすぐ植えられており、それに沿うように灌漑設備が整っています。
ガーナのメインクロップ(主な収穫時期)は11月~3月頃まで、ミドルクロップ(2番目の収穫期)は5、6月です。オハヨー農園は試験農園的な位置づけのため、規模が小さいですが、灌漑設備が整っているなど環境は良いため、生産量は徐々にアップしています。ここでの栽培で得られた知見や情報を他の地域に広めていければとのことです。


明治との関係
明治は2020年からシェイドツリーの配布やチョコレートクラスの実施など、いろいろな支援をしています。
チョコレートクラスでは、発酵・乾燥後のカカオ豆をフライパンで炒り、すりつぶして砂糖と合わせて現地の生産者の方々と一緒にチョコレートを作りました。自分たちが栽培したカカオからおいしいチョコレートが作られ、現地の方々は、チョコレートの味に感激していました。
2025年に20本ほどのシェイドツリーの配布も行っています。カカオ樹が植えられている状況も見ながら、支援や交流を継続しています。



課題や今後への期待
明治が支援を開始してから6年目になり、少しずつ安定した収穫ができるようになってきています。
現地の方々は、日々農園全体を巡回し、エリアごとの状態をしっかり把握しています。
現地の方々の知見に加え、例えば土壌のチェック、水のやり方など、他の産地で蓄積した明治の知見を取り入れることで、ガーナの土壌や気候により適したアグロフォレストリーとしていくことが期待できます。
一般的にガーナ全体において1haあたりのカカオ収穫量は300~500㎏くらいです。今後、オハヨー農園での収穫量が上がったり安定してきたりすれば、技術や情報等を、他の農園にも広めていくことも期待されます。

まとめ
環境対策の1つとして世界的に注目を集めているアグロフォレストリー。
この数年、天候不順やその他複雑な要因等によりカカオの収穫や供給量が減って、カカオショックという言葉も聞かれました。明治として、他の様々なカカオ産地で得られた知見や技術を活かし、オハヨー農園がガーナにおけるアグロフォレストリーの好事例となるよう、引き続きサポートをしていきます。









