
健康を維持するうえで大切な「食事」「運動」「睡眠」、そして、もう1つ、私たちの生活空間に欠かせないのが「掃除」です。家の中で汚れが溜まりやすい場所を知れば、効率よく花粉や菌をホコリとともにスッキリ減らすことができます。健康を守る掃除習慣を、病院掃除のプロ、松本忠男さんに伺いました。
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花粉や菌から身を守るには、家の中で汚れやホコリが集まりやすい“汚れスポット”を知ることが先決。部屋の角や壁など「ホコリがたまりやすい場所」や、テーブルまわりなど「飛沫が飛びやすい場所」の汚れの量を減らすことがポイントです。
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玄関:風にのって花粉などが入ってくる
窓:風で部屋のホコリが舞い上がる
キッチン:手で触れる場所が多く、口に入る可能性が高い
テーブル:飛沫や食べかすが多い
トイレ:汚れが床や壁に飛び散る可能性が高い
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窓開けはNG!
掃除中は窓を開けがちですが、風でホコリが舞い上がり部屋中に拡散してホコリを取りきるのが難しくなります。換気は掃除の後に。
いきなり水拭きはNG!
掃除のはじめに床やテーブルを水拭きするのはNG。水分にくっつき、ホコリや雑菌を広げてしまう恐れが。まずは乾拭きで汚れを減らしてから水拭きしましょう。
ゴシゴシ拭くのはNG!
同じ場所を何度もゴシゴシ拭くと、かえって汚れを広げてしまうことがあります。ホコリを一方向に集めて拭き取りましょう。
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まず、掃除は「一方向拭き」が基本のキです。車のワイパーのように往復拭きをすると、クロスに付着したホコリや菌を置き去りにするだけでなく、拭いた場所に再度付着させる恐れがあります。些細な違いですが、一方向に拭くことを覚えておきましょう。では、代表的な汚れスポットである、「玄関」「窓」「キッチン」「テーブル」「トイレ」の5カ所の掃除術をご紹介します。
玄関
家の中に花粉やホコリを少しでも持ち込まないために、玄関で衣服やバッグをウェットティッシュで押し当てるように拭き取りましょう。衣服をパタパタと払うのは、花粉などが舞うのでNGです。
窓 p>
カーテンレールの上にはホコリがいっぱい。窓を開けるたびに部屋中に散らばってしまうので、定期的に掃除を。化繊ハタキなどを使って、一方向にゆっくり滑らせてホコリを取ります。ハタキは使う前に手でクシュクシュとこするとホコリを吸着する力が強くなります。
キッチン
家族が頻繁に触る場所は、日頃から清潔にしておきたいものです。冷蔵庫や電子レンジ、収納扉の取っ手は、一方向乾拭きの後、重曹水※で汚れを除去しましょう。重曹水を吹きかけて3分放置してから、乾いたマイクロファイバークロスで一方向に拭きます。この方法はフローリングの床掃除にも応用できます。手足の皮脂汚れがスッキリ落ちます。
※重曹水の作り方:80度のお湯500mlに重曹大さじ1を加え溶かし冷ます。
テーブル
家族が集まるダイニングテーブルは、飛沫がつきやすい場所。食事が終わったらすぐに一方向に乾拭きをしましょう。 除菌シートは必要に応じて乾拭きの後にします。食べこぼしには、キッチンで紹介した重曹水を活用して、ペーパータオルで拭き取り捨てます。
トイレ
特に汚れが溜まりやすい場所です。便器から掃除すると水が飛び、床や壁のホコリが濡れて取りづらくなるので、壁→床→便器の順に掃除します。
まず使い捨ての手袋などをし、壁は頻繁に行う必要はないですが、化繊ハタキで上から下へホコリを掃除します。 床は、切り目を入れたスクイージー※でホコリを取ります。 床の奥から手前に向かって丁寧に行いましょう。 壁沿いや便器沿いは重点的に。便器は流せるウェットシートで本体の上から下に向かって拭きます。タンクまわり→便器のフタ→便座→便器内部の順で拭きます。
便器内部は、中性洗剤をつけてたたんだトイレットペーパーでパックするように3分ほど放置してから流せるシートでこすって汚れを取り流します。
よく触れる部分、ドアノブ、水洗レバー、ペーパーホルダーは一方向乾拭きをします。トイレットペーパーの乾拭きでかまわないので、トイレを使うたびにホコリを取る習慣をつけるとよいでしょう。
毎日、家の隅々までキレイにするのは大変。ホコリや汚れが集まりやすい場所だけでも日常生活の中で、何かのついでに掃除をする習慣をつけましょう。
教えてくれたのは
松本忠男さん/病院や介護施設の衛生管理の専門家。日本ヘルスケアクリーニング協会代表理事。