同じ食事でも、食べる時刻や食べる順番によって栄養学的効果が変わってきます。そこで注目されているのが、どんな食事をいつどのように食べると健康にいいのかを考える「時間栄養学」です。ストレスなどで不眠に悩んだり、運動不足で内臓脂肪が気になる方は、朝昼夜の時間帯で食べるものを意識してみましょう。
必須アミノ酸であるトリプトファンを摂取すると、自律神経を整えて精神を安定させるセロトニンが作られ、約15時間後に“睡眠ホルモン”とよばれるメラトニンに変化します。そのことから、トリプトファンの多い食品はタイミングとして朝ごはんに食べるのがオススメです。
トリプトファンを多く含む食品
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カルシウムは脳の神経細胞に出入りし、眠りの長さを調整する栄養素です。体内に蓄積されるのは夕方以降とされていて、夕食でカルシウム豊富な食品を食べることは質のよい眠りをサポートするだけでなく、骨粗鬆症の予防にもつながります。
カルシウムを多く含む食品etc.
中でも小松菜のカルシウム含有量は100gあたり170mgで、牛乳に匹敵するほど。他にも鉄、β-カロテン、ビタミンCなどの栄養素も含み、使い勝手がよい優れた野菜です。季節による栄養価の変化も少ないので、年中重宝されています。
このように日頃から時間栄養学を意識して食事を選ぶことで、効率的に栄養素を摂取することができ、睡眠の質の向上や体調管理にもつながります。食事だけでなくウォーキングなどの適度な運動も取り入れて健康な体を維持していきたいですね。
教えてくれたのは
清水加奈子さん/管理栄養士。国際中医薬膳師。調理師の資格をもち、多数のメディアでレシピの提案や監修を行う。