生産国との関係は?
おいしいチョコレートをつくるには、つねに生産国からよりよいカカオ豆を手に入れなければなりません。明治は、カカオ豆の生産国をサポートする取り組みを行い、生産国といっしょにカカオを育てています。たとえば、西アフリカのガーナでは、カカオ農家への支援や、明治の社員が農家を訪問して交流を深めるなどの活動を続けています。ブラジルでは、森を守りながらカカオを育てる「アグロフォレストリー農法」の取り組みに協力しています。
カカオ豆の秘密?!
カカオの実は「カカオポッド」と呼ばれています。カカオポッドは、かたい殻(から)を持ち、その中の白いヌルヌルした果肉(パルプといいます)の中にカカオ豆が30~40粒入っています。
収穫(しゅうかく)したカカオポッドから、カカオ豆だけをすぐに取り出すことはできません。まず、パルプごとバナナの葉に包んだり木箱に入れるなどして発酵(はっこう)させます。発酵により白いヌルヌルした果肉が溶けて、カカオ豆が出てきます。また、発酵することでカカオ豆はチョコレート色に変化し、独特(どくとく)の香りが生まれます。発酵はチョコレートの美味しさを左右する大切な工程です。
ココアバターって?
ココアバターは、カカオ豆にふくまれている脂肪分(しぼうぶん)のこと。とてもとけやすい性質をもっています。ふつうの温度のときには固まっていますが、25℃ぐらいからとけ始め、体温より低い32℃ぐらいで完全にとけてしまいます。チョコレートを食べると、なめらかに口の中でとけておいしいかおりが広がるのは、ココアバターの働きのおかげです。
温度調整(テンパリング)はむずかしい!
手づくりチョコレートで失敗しやすいのが、固める前の温度調整。明治の工場では、独自の研究と技術によってチョコレートを温度変化させ、ココアバターを安定した結晶(けっしょう)にします。正しい温度調整でつくられたものはきちんと固まって劣化しにくく、口どけがよくてツヤのあるチョコレートになります。
- カカオ豆は、生産国で発酵(はっこう)・乾燥(かんそう)させたあと、ふくろにつめられて船で運ばれてきます。世界の国々から輸入したカカオ豆が工場にとどきます。
- とどいたカカオ豆から、いい豆だけを選びます。生産国でのふくろづめの時点で、小石などが混じっていることもあります。クリーナーという機械で、わるい豆やゴミを取りのぞきます。
- ロースターという機械(きかい)でカカオ豆をロースト(炒ること)します。熱を加えることでカカオ独特のかおりと風味を引き出すのです。
- クラッシャーという機械でカカオ豆をくだき、ウィノワという機械で皮などをとりのぞきます。皮を取りのぞくと、カカオニブとよばれる中心部分がでてきます。皮を取りのぞいてからローストする場合もあります。
- グラインダーという機械でカカオニブをすりつぶします。カカオニブには、ココアバターという脂肪分(しぼうぶん)がおよそ55%もふくまれているため、すりつぶすとドロドロしたペースト状になります。このペースト状になったものをカカオマスといいます。
- ミキサーで、カカオマス、ココアバター、さとう、ミルクなどの乳製品(にゅうせいひん)を混ぜます。
- レファイナーという機械でチョコレートをロールにかけ、舌の先でもざらつきを感じないほど細かく、なめらかにしていきます。
- コンチェという機械で、時間をかけて練りあげます。原料が均一化して、チョコレート独特のかおりが生まれます。
- テンパリングマシンという機械で、チョコレートの温度を調整します。温度を調整することでココアバターが安定した結晶(けっしょう)になり、なめらかでツヤのある、口どけのいいチョコレートになるのです。
- デポジッターという機械で、チョコレートを型に流しこみます。型を揺らして、チョコレートの中の空気のあわを取りのぞきます。
- 冷却(れいきゃく)コンベアに型をのせ、クーラーという機械でチョコレートを冷やして固めます。
- 冷やし終わったら、デモールダーという機械で型をたたいて、型からチョコレートをはずします。
- よけいなものが入っていないか、チョコレートのツヤはどうか、われたり欠けたりしていないか検査します。検査に合格したチョコレートをきれいに包装(ほうそう)します。