カードってなに?
生乳(せいにゅう)に乳酸菌(にゅうさんきん)と酵素(こうそ)を入れると、固まりと水分(ホエイ)に分かれます。この固まりを「カード」または「凝乳」(ぎょうにゅう)とよんでいます。たんぱく質・脂肪(しぼう)・カルシウム・ビタミンなどの栄養がいっぱいです。カードを熟成(じゅくせい)させることでナチュラルチーズになるのです。
ホエイってなに?
生乳(せいにゅう)に乳酸菌(にゅうさんきん)と酵素(こうそ)を入れると、固まりと水分に分かれます。この水分のことを「ホエイ」または「乳清(にゅうせい)」といいます。チーズをつくるときには、たくさんのホエイが出ます。高たんぱく低脂肪(ていしぼう)なので、食品の原料や動物のえさなどに活用されています。イタリアには、ホエイを加熱してつくるリコッタがあります。
チーズの栄養ってどのくらい?
チーズの栄養分は、なんと牛乳(ぎゅうにゅう)の10倍! 100グラムのチーズをつくるためには、およそ1000ミリリットルの牛乳が必要です。チーズには牛乳の栄養をぎゅっと固めてつくられているんです。
- 工場の近くの牧場から、しんせんな生乳(せいにゅう)を取り寄せます。生乳は「なま」なので、冷やしたままタンクローリーで運ばれてきます。工場ではまず、とどいた生乳を検査して、合格したものだけを受け入れます。
- 生乳(せいにゅう)を分離器(ぶんりき)という機械にかけて、脂肪(しぼう)いっぱいのクリームと、脂肪のない脱脂乳(だっしにゅう)に分けます。これからつくるチーズの種類に合わせて成分をととのえます。
- 生乳(せいにゅう)のなかにはさまざまな菌(きん)が入っています。まず重い菌をとりのぞいて数をへらしてから、高い温度で温めて、殺菌(さっきん)します。これでチーズづくりの準備ができました。
- チーズをつくるには、発酵(はっこう)をうながす乳酸菌(にゅうさんきん)と乳(にゅう)を固める酵素(こうそ)が必要です。
酵素は「レンネット」とよばれています。乳酸菌と酵素を生乳(せいにゅう)に入れて混ぜ、しばらくすると固まってきます。この固まった乳のことを「カード」といいます。その「カード」をカットし、「ホエイ」といわれる水分をぬきます。
- カードを積み重ねてはひっくりかえす作業をくりかえします。この作業を「チェダリング」といいます。ひっくりかえしながら「ホエイ」といわれる水分を取りのぞいていきます。
- 水分を取りのぞいたカードをこまかくきざんで、塩を加えていきます。
- 細かくきざまれたカードを、ブロックフォーマーという機械でぎゅっと固めて四角のブロック状にします。これをフィルムでつつんで包装(ほうそう)します。
- チーズの中によけいなものが入っていないか、決まったとおりの重さかどうか、検査します。問題のないチーズは、大きな箱に入れてすぐに冷やします。
- 細かくきざまれたカードを加熱(かねつ)した後、ぐるぐる回しながら練っていきます。すると、もちもちした弾力(だんりょく)がでてきます。これがモッツァレラチーズ独特の、おもちのようなやわらかさのひみつです。
- 練ったカードを小分けにして形をととのえ、冷やしておきます。
- 冷やしたあと、塩水につけます。チーズに風味をつけたり、雑菌(ざっきん)がふえるのを防ぐためです。
- できたチーズをフィルムで包みます。それから、チーズの中によけいなものが入っていないか、決まったとおりの重さかどうか、検査します。
- 冷やしたあと、温度管理した部屋でチーズをしばらくねかせます。チーズの中に生きている乳酸菌(にゅうさんきん)の働きで独特の風味が生まれます。これを熟成・保管(じゅくせい・ほかん)といって、チーズの味をつくる決め手になります。
- できあがったチーズは出荷(しゅっか)前に、もういちど品質検査(ひんしつけんさ)をしてから他の工場に運ばれ、いろいろなチーズの原料になります。