- 代表取締役:
- 内田 光紀
- 事業本部住所:
- 〒910-2144
福井県福井市上毘沙門町1-126-3
- 電話番号:
- 0776-41-2866
- FAX番号:
- 0776-41-2903
今回訪問したのは、福井県福井市にある「けんこーや」。最寄り駅の「越前東郷」は福井駅から九頭龍線で10分少々。のどかな田園風景が広がるホームに降り立つと駅舎に『おつくねのまち』と書かれたおむすび型の看板が目に留まる。おつくねとはこの地方で「おむすび」を意味し、毎年夏にはおつくね祭りという町をあげてのイベントもあるそうだ。
そういえば、福井県と言えば有名なブランド米「こしひかり」の発祥の地であり、日本を代表する米どころだ。
「けんこーや」の創業は1988年に、現社長内田光紀さんのお父さんが地元の乳業会社から独立して開業され、その後息子の光紀さんが1998年にその事業を2代目として引き継いで16年目となる。
宅配店に伺うと、「遠いところをわざわざ、すみません」とスーツ姿にメガネのオシャレな社長が笑顔で出迎えてくれた。若手の2代目社長と伺ってきたもののその出で立ちは、周りの田園風景から私の勝手なイメージとはやや異なっていた。しかし、その理由も含めて宅配店経営における興味深いお話を伺うことができた。
「けんこーや」の最大の魅力は何と言ってもスタッフのお客様対応力。その背景には何があるのかを紐解くにあたり、まず社長自身のプロフィールや経営のお考えを伺ってみた。
「私は大学卒業後にメガネメーカーの営業を大阪で4年ほどやっていたんですよ」なるほど、それでオシャレなメガネを…。メガネといえば、日本のメガネフレームの90%以上の生産を誇る鯖江市が福井市に隣接する。
大阪の営業時代は量販店向けの担当として、人間関係を大切にしながら顧客の要望に応えていくという相手の懐に入り込む営業経験を積んでこられたという。「お客さんからは、家族のように接していただいたりとても可愛がっていただきました」と当時を振り返りながら話すその笑顔は、相手を引き込む魅力を感じる。
現社長がサラリーマンを辞めて店に入った当時は、お父さんとパートさんの2人で500軒程度のお宅に牛乳を宅配しながら、多少の卸事業を行っていた規模だったという。
「私は自社の屋号にもちょっと、コンプレックスを感じていたんですよ」「私が事業を継いだときの屋号は“チチヤ”ですよ、かっこよくないじゃないですか」都会で営業の仕事にもまれてきた社長にとってはギャップを感じられたのだろう。
内田社長のお話を伺っていると、営業経験で培われたマネジメントスキルの他に、発想の柔軟さと行動力を感じる。現状を何とかしたいと思い切るやすぐさま他店の視察に走る。
「北陸は近代的な宅配店が多いんですよ、そこで見てきたものは職場の空気感からして違うし、スタッフの対応が素晴らしくて大きな刺激を受けました」
また、明治の担当者にも宅配店事業に関するアドバイスも求めるなど、そうした甲斐もあり宅配店の事業は契約軒数が毎年倍増していく。