- 代表取締役:
- 野村 拓郎
- 事業本部住所:
- 〒309-1626
茨城県笠間市下市毛188-1
- 電話番号:
- 0296-72-1739
- FAX番号:
- 0296-72-1739
今回訪問したのは、茨城県の笠間市にある「笠間ミルクセンター野村」。
笠間市は県のほぼ中央に位置し、水戸市や石岡市と隣接する人口7万8千人ほどの静かな街である。
しかし、日本三大稲荷の一つに数えられる笠間稲荷の門前町であり、また焼き物好きには笠間焼で名が知られ、イベントが開催されるときには多くの観光客が訪れる。
「笠間ミルクセンター野村」の創業は1960年、社長の野村拓郎さんは祖父の代から3代目にあたる。
こうした地元に根差し家族でその経営を受け継いでいる宅配店は全国に多いが、「笠間ミルクセンター野村」の特筆すべき点はスタッフひとりひとりが輝いていること。宅配店にスタッフ名で年賀状が届くほか、野菜の収穫時期にはお客様からスタッフ宛にいただいた野菜が並ぶというほど、お客様とのつながりの深さが特徴である。
それにより、契約の解約率も全国の宅配店平均を大きく下回る。
「笠間ミルクセンター野村」は、お客様サービスを超えたさらにその先の「お客様との強い絆作り」で実績を上げ始めている注目の宅配店だ。多くの宅配店がお客様満足の向上に力を入れている中で、これほどまでの関係を築くにはどんな取り組みをされてきたのだろう。
野村社長の前職は服飾業界で販売に携わり、3年ほど店長の経験もあったという。先代社長である父親から事業を引き継ぎ、異業種で経験した実績を宅配店経営にどのように活かされたのだろうか。
当時、500軒ほどのお客様を抱えていた宅配店を「もう少し大きくできれば・・・」という漠然とした目標で宅配店を手伝うようになった社長は「先代から、1,000軒のお客様を獲得するのはここでは無理だと言われたんですよ」現実の厳しさを目の当たりにし、事業を引き継いだもののしばらくは経営に積極的なビジョンが描けずにいたという。
野村社長は苦笑いを浮かべながら「そんな状況だったんで、経営に積極になれませんでした。会社の数字もほとんど見ていませんでしたし、スタッフにも高い期待を寄せていませんでしたから」
やや意外な言葉に、同席いただいた2名のスタッフも思わず顔を見合わせ苦笑い。
しかし、こうした話を臆することなく、スタッフの前で話が出来る様子から経営者とスタッフの垣根のようなものは感じられない。
それはインタビューを始めてすぐ、野村社長の自然体の人柄に気づく。まずどんな話も丁寧に率直な言葉で語られ、何事においても気負いが感じられない。
だからこそ、現状の問題を解決しこれからの宅配店づくりを行おうとする野村社長の思いがスタッフの方々にも届いているのだろう。