- 代表取締役会長:
代表取締役社長:
専務取締役: - 戸井 貞治
戸井 英明
戸井 大(ひろし)
- 本社住所:
- 〒306-0022
茨城県古河市横山町2-2-10
- 電話番号:
- 0280-57-1751
- FAX番号:
- 0280-57-1753
- 営業所:
- 古河中央店、水戸店、古河店、下館店、牛久中央店、三和店、栃木店、佐野南店、小山店、羽生店、野田店
戸井乳業は茨城、栃木の県境で10店舗、約1万5千軒の宅配を営む大規模販売店。本社のある古河は、関東のほぼ中央に位置し、東京から向かうと大宮のちょっと先にあたる。地理的な位置や東北本線の沿線ということもあり、東京、栃木、埼玉とのアクセスが良いところでもある。
会社の近くには日光街道(国道4号線)が走っており、町おこしで整備された町並みが宿場町だった昔の風情を再現し、人の往来が盛んだった頃を偲ばせてくれる。
出迎えてくれたのは、会長の戸井貞治さんとご長男で社長の戸井英明さん。つい数か月前に、専務だった英明さんがお父さん(現会長)の後を継ぎ社長に、そして弟の大さんが専務に就任され、まさに兄弟で次世代の販売店づくりに向けて戸井乳業を盛り立てている。
販売店の成り立ちは様々だが、戸井乳業の歴史は古く、創業はなんと昭和12年、社長の代で3代目にあたるという。(株)明治の中でも老舗にあたる名店である。
インタビューの最中も戦前、戦中、戦後のとても歴史を感じるエピソードがいくつも飛び出し、戸井乳業の歴史を聞いているだけでも大変興味深いものだった。
初代社長が戸井乳業を創業されたのは、この辺りでは酪農が盛んであったこともあり牛乳処理メーカーとして事業をスタートしたことに始まる。
この頃のビンは飲み口のキャップが、金具だったという。最近ではプラスチックのキャップが一般的だが、時代とともに衛生面や環境面でも進化の過程があることを再確認させられた。
戸井乳業が宅配販売店を専業とするまでには、紆余曲折があったそうで戦時中には国の指示で戸井乳業を含む近隣の3つの業者が合併させられたり、戦後は牛乳の乱売という厳しい価格競争にさらされたりで、宅配業と牛乳処理業を2度3度転業されて来たという。
昭和30年代に入ると高度経済成長など環境変化を見てとり、最終的に宅配専業へと舵を切った。実はこの時点で取扱いメーカーは明治ではなく、他社を予定したという。
しかし、戸井乳業が宅配専業に事業転換するという情報を得た明治の担当者が「ぜひ当社を」との説得を受け、創業間もないころからの個人的な絆もあり、取り扱いは明治へと決まる。それ以来明治とはまさに2人3脚で宅配事業を拡大し続け、今日に至るという。
会長は当時を「高度経済成長で好景気だったからね、1日に50軒も契約が取れたんだよ、忙しかったねぇ」と振り返る。
もちろん景気の影響もあったのだろうが、私はインタビューを進める中で戸井乳業は80年近くに渡り地元でずっと乳業に携わってきた実績と信頼があってのことではないかと感じた。