乳(にゅう)の神秘
人類と牛乳の歴史はなんと5000年以上!
私たち人類と牛乳の歴史は古く、今からおよそ6,000~5,000年前のメソポタミアでは、シュメール人たちによってすでに牛が飼育され、牛乳が飲まれていたようです。同時代のレリーフにも、人が牛から搾乳する場面が描かれています。その後、牛乳を飲む文化は古代エジプトへと渡り、4,300年程前の壁画や石棺にも搾乳する古代エジプト人の姿を見ることができます。このように、人と牛乳の関係の歴史は深く、紀元前の人類にとっては貴重な栄養源だったであろうことが伺えます。
古代エジプト時代の石棺に施されていた搾乳のレリーフ(イメージ)
乳は「赤ちゃんを育てる」ことだけを目的に存在する
唯一の食物
哺乳動物の乳は、その赤ちゃんに飲ませるためのもの。いうなれば、「赤ちゃんを育てる」ことだけを目的に存在するただ一つの食物です。母乳中のたんぱく質含有量は哺乳動物の種によって異なり、それぞれ適したたんぱく質濃度があります。発育が早い動物ほど乳に含まれるたんぱく質が多く、このことからも赤ちゃんの速やかな成長にはたんぱく質が重要だとわかります。
出典 上野川修一ら, 「ミルクの事典」, 朝倉書店, 2009年
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