L.ガセリ乳酸菌(OLL2809株)の子宮内膜症予防・治癒効果を動物試験で確認
〜「第87回日本薬理学会で発表」〜
2014/03/19
株式会社 明治(代表取締役社長:川村 和夫)は、当社の保有するL.ガセリ乳酸菌(OLL2809株)が、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)※1の活性化を介して、子宮内膜症の進行を抑制することを明らかにしました。
この研究結果を、2014年3月20日の「第87回日本薬理学会(開催期間:3月19日〜21日)」で発表します。
子宮内膜症とは、子宮外に子宮内膜やそれに似た組織ができてしまう病気のことです。20・30代女性に多く見られ、日本では約13万人の患者がおり、年々増加しています。
その要因として、女性の晩婚化や出産年齢の高齢化が挙げられると言われています。
今回、マウス・ラットを用いた2つの研究を通し、L.ガセリ乳酸菌(OLL2809株)の@子宮内膜症の予防効果とその作用メカニズム、A子宮内膜症の治癒効果について明らかにしました。
■研究1:子宮内膜症の予防効果とその作用メカニズムの検討
子宮内膜症の発症過程を模したマウスに、水またはL.ガセリ乳酸菌(OLL2809株)を21日間与え、予防効果を検討しました。
その結果、水を与えたマウスでは子宮内膜組織が腹腔内にて増殖して子宮内膜症に病変したのに対し、L.ガセリ乳酸菌(OLL2809株)を投与したマウスでは病変の増殖が有意に抑制されました(図1)。また、その作用メカニズムがNK細胞活性低下の抑制であることを、腹腔内細胞の遺伝子解析により明らかにしました(図2)。


■研究2:子宮内膜症の治癒効果の検討
子宮内膜症を発症させたラットに、水またはL.ガセリ乳酸菌(OLL2809株)を28日間与え、治癒効果を検討しました。
その結果、L.ガセリ乳酸菌(OLL2809株)を投与したラットでは子宮内膜症の治癒が有意に促進されました(図3)。

以上2つの研究結果より、L.ガセリ乳酸菌(OLL2809株)が、NK細胞の活性化を介して、子宮内膜症の進行を抑制することが明らかとなりました。
参考
※1:NK細胞
リンパ球に含まれる免疫細胞の1つで、免疫細胞のなかでも重要な働きをしており、ウイルスに感染した細胞など、異常のある細胞を攻撃して破壊するのが特徴です。
※2:NCR1遺伝子
NCR1は活性化したNK細胞表面に発現します。よって、NCR1遺伝子の発現量の増加はNK細胞の活性化を表します。