育児での困ったを解決するための「キューブ製法技術」

育児中に粉ミルクを使ったことのある方なら誰もが経験する「困った」を解決する、画期的かつ利便性を高めるための技術革新、それがキューブ製法技術です。

より快適な育児生活に貢献するために

調乳の際の手間や粉のこぼれ、計量間違いなどは、子育てを経験した方なら、誰もが経験することです。
これらを軽減し、粉ミルクの利便性を飛躍的に高め、より快適な育児生活に貢献することを目的に固形化粉ミルクの開発に取り組みました。

製造工程での脂肪のしみ出しの防止や哺乳瓶内での溶解性の確保には、圧縮の程度を弱めて圧縮成形することが必須です。そこで、2MPa程度の低圧縮力で圧縮成形した後に、成形体を加湿および乾燥処理する製法により、添加物を一切加えることなく持ち運びの際に壊れにくく、しかもお湯にさっと溶ける便利なキューブ型の固形化粉ミルクを製造することができました。

写真:哺乳瓶でミルクを飲む赤ちゃん
写真:キューブ型の粉ミルク

圧縮成形した成形体の表面を加湿すると、表面の粉ミルクの一部が溶けて架橋※1を形成し、輸送や持ち運びなどで壊れない硬さにすることが可能になりました。
さらに、主成分である乳糖の結晶転移※2を利用して、粒子同士の架橋の形成を制御する技術を開発し、たんぱく質、脂肪、炭水化物などの主栄養成分やその配合割合が異なる製品への展開を可能にしました。

成形体の表面付近から内部に至る断面の観察写真のように成形体の表面付近は加湿により粒子同士が結合し、成形体の内部は水の進入路となる間隙が十分に確保されていることがわかります。
これがキューブ製法技術です。

  1. ※1架橋:粒子の表面の一部が溶けて、形成した粒子同士の連結箇所。

  2. ※2結晶転移:結晶構造(分子配列)が変化すること。

固形化粉ミルクの断面と表面、内部の電子顕微鏡写真

写真:固形化粉ミルクの断面と表面、内部の電子顕微鏡写真
加湿により成形体の表面付近の粉体粒子が溶けて、粒子間に架橋が形成され、保形性を高めています。
内部は水の侵入路となる間隔が充分に確保されています。

溶解試験「固形化粉ミルクの溶ける様子」

写真:「明治ほほえみらくらくキューブ」と「明治ステップらくらくキューブ」の商品パッケージ

「明治ほほえみらくらくキューブ」と「明治ステップらくらくキューブ」

キューブ製法技術を採用している「明治ほほえみらくらくキューブ」と「明治ステップらくらくキューブ」

特許番号:特許第4062357号


商品開発への取り組みについて

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