谷口先生は、水分補給飲料に必要な機能を満たすものとして、酸性ミルクプロテイン飲料を紹介されました。
酸性ミルクプロテイン飲料は、牛乳の「水分を長く保持する」機能を維持しつつ、胃から素早く小腸へ運ばれるように設計していることから、水分吸収が速いことが期待されます。
谷口先生が挙げられた動物実験の例では、酸性ミルクプロテイン飲料は、「体内への水分吸収が牛乳より速く、スポーツ飲料と同等以上」「水分保持効果はスポーツ飲料より高く、牛乳と同等」という結果が示されました。
すなわち、酸性ミルクプロテイン飲料は、水分吸収、水分保持の両面にすぐれているということです。
これについて、谷口先生は「私たちが考えている機序」と前置きして、次のように解説されました。
ミルクプロテインは、胃内でミルクペプチドに分解されて吸収されますが、このミルクペプチドの吸収が、水分吸収に寄与していると考えています。
スポーツドリンクでは、糖とナトリウムに引っ張られて水分が吸収されるので、これとはまったく違う機序での水分補給と考えられるのです。