明治ブルガリアヨーグルト生産のケーススタディ:生き物である乳酸菌を徹底管理

写真:明治ブルガリアヨーグルトの商品パッケージ
ヨーグルトは乳酸菌の発酵の力を借りて作る食品です。

生き物である乳酸菌を徹底管理

「明治ブルガリアヨーグルト」の品質も発酵に関する各種管理が重要になります。
乳酸菌の添加量は社内の標準に基づいて正確に管理し、発酵のための温度と時間のコントロールも徹底しています。また、雑菌による汚染や異物混入をさせないための衛生面、さらに設備や機器類のメンテナンスもきっちりとルール化されています。

発酵時の温度と時間が最大のポイント

写真:酸度の測定の様子
ヨーグルトは、使用する原材料以外にも乳酸菌の種類や発酵の条件によって出来栄えが変わってきます。
「明治ブルガリアヨーグルト」は砂糖や香料などの添加物を一切加えないシンプルなヨーグルトですから、乳酸菌(ブルガリア菌とサーモフィラス菌)の比率や発酵温度、発酵時間等、発酵に関わる条件を厳密にコントロールすることによって、常に一定の品質を保っています。
例えば発酵時間については、製品中で乳酸菌が増殖するときに産生する乳酸の酸度を指標にして管理しています。生き物である乳酸菌は、数が同じでもその活力によって発酵の進み具合が微妙に変わるため、発酵の途中で酸度を測定し、その結果によって、さらにどれくらい発酵が必要か、あるいは温度を下げて発酵をストップさせるかを判断しています。
また発酵終了後の冷却工程においても、大量の製品をムラなく冷却するための専用設備を導入して、製品の仕上がりを一定のものにしています。

「特保」認可を担保する乳酸菌測定

写真:乳酸菌の測定
「明治ブルガリアヨーグルトLB81」には、ブルガリア菌とサーモフィラス菌という2種類の乳酸菌が使われています。お腹の調子を良好に保つ効果・効用から、厚生労働省の「特定保健用食品」の承認を得ており、商品100g中にはブルガリア菌が10億個以上、サーモフィラス菌が100億個以上入っていなければならないという規定があります。
生産工程では、乳酸菌の添加量などは標準に基づいて厳密に管理されていますが、出来上がった製品から抜き取り検査をして、乳酸菌の数を日々確認しています。
確認方法は、出来上がったヨーグルトの一定量を専用の培地に植え付け、所定の温度と時間で培養させた後、培地上に出現したコロニー(乳酸菌)の数をカウントするやり方です。
億を越える菌数を確認する検査なので、試料は定められた希釈操作を行った後に、植え付けて培養します。そうすることで正確な乳酸菌数を把握することができます。

製造ラインの衛生管理やメンテナンスも重要

写真:製造ライン
工場内の設備や機器を、洗浄、殺菌、そしてメンテナンスすることは、安全・安心なものづくりを行ううえでは、実際の生産と同じくらい重要なことです。
殺菌機や充填機本体、及びそれらをつなぐ配管やバルブ類は、生産終了後にきれいに洗浄しますが、さらに生産直前には蒸気や熱水を使って殺菌を行います。乳酸菌の活動が活発になる温度帯は他の菌にとっても同様に好条件であるため、こうした準備をおこない、製造ラインを衛生的な状態にしておくことはとても大切です。
また、たくさんあるバルブのメンテナンスやパッキンの交換などを定期的に行い、機器類が正常にはたらくよう維持管理に務めています。

生産のケーススタディ