「明治メイバランス」は、一人の男の子を救った流動食からはじまりました。

-
-
経静脈栄養法が主流だった医療現場で、当社が本格的に流動食・経腸栄養剤に関わるようになったのは、1978年、大学病院に勤務する外科医のもとに運び込まれた一人の男の子がきっかけでした。
男の子は全身に重度の熱傷を負っていて、日増しに食欲を失い、体力を落としていきました。
-
-
「なんとかしてこの子を救いたい」。そう思った医師は、ヨーグルトで栄養補給ができないものかと考え、当社に問い合わせてきたのです。
当社の研究員は、すぐに明治ブルガリアヨーグルトとその研究資料を携えて、医師のもとに駆けつけました。
そして多量のカロリーを必要とする熱傷患者のため、ハチミツを加えたヨーグルトの投与が開始されたのです。
-
-
そこから男の子の体力は急速に回復しました。熱傷の回復も通常より早く感じられたということです。
それをきっかけにこの手法は広まり、1980年の新宿西口バス放火事件の被害者の回復にも効果を上げることとなりました。
-
-
医療現場からの要請をいただいて商品化された「YH-8280」は、次第に臨床現場での使用頻度と評価を高め、1986年に「YH-80」として発売されることになりました。
-
-
「明治メイバランス」は、「YH-80」の栄養組成を踏襲し、 おいしさ、栄養、使いやすさを提供する汎用タイプの流動食として発売されました。
「明治メイバランス」は、医療・介護現場のニーズに応え、その歴史が築かれてきました。20年以上もの間、安全・安心なブランドとして発展し、病院栄養領域・在宅栄養領域で、いちばん選ばれている信頼のNo.1ブランドです。


1995年、「明治メイバランス」は日本人の嗜好に配慮したお茶風味として開発されました。
その後、病床での生活に配慮して便臭を低減するシャンピニオンエキスを配合し、さらに、多様な栄養ニーズに対応するためにたんぱく質量や濃度の異なる商品を網羅的に開発しました。
さらに1999年からは革新的なソフトパックの開発により、医療・介護従事者様の負担軽減に大きく貢献しています。
また、2005年には、経口用の需要拡大を背景に、「明治メイバランスMini」を開発しました。
その後、2008年の群馬栄養食工場稼働により、医療・介護領域で必要とされる「明治メイバランス」のラインナップをほぼ完成させるとともに、翌年には日本初の希釈タイプ流動食「明治メイバランスR」を発売。
さらに2014年の関西栄養食工場の稼働によって、カップ入り栄養食品「明治メイバランスMiniカップ」を商品化しました。
「明治メイバランス」は20年以上、患者様や医療・介護従事者様を支えてきています。1995年の発売から20年以上の間、多くの患者様に食事代替として使用され、命をつないできたという事実。そして、この事実からもたらされる安心感を、「明治メイバランス」の価値として提供するという意味があると考えています。