インフルエンザのシーズンになると、今年の流行時期やどんなタイプのウイルスが流行するかといった話題はもちろんのこと、ワクチンの話題、新型インフルエンザウイルスについて、予防に効果的な方法や食品についてなど、本当にたくさんの話題を聞くことになります。
スーパーやコンビニに行っても、ウイルス対策のマスクや除菌のウェットティッシュ、風邪・インフルエンザ対策に、と書かれたビタミンCが豊富なミカンなどのフルーツのポップ広告など、インフルエンザ対策の一大商戦が繰り広げられていますね。
さて、今回はこれほど多くの人が心配しているインフルエンザに、実際にかかってしまった場合、どんな症状がいつごろ出るのかに関してお話ししたいと思います。特に、冬場は風邪も流行期だけに一般的な風邪との見分けかたについても知っておきたいですよね。
潜伏期間から発症までの期間は?
まず、インフルエンザはウイルスが体内に入ってから、わずか1~2日で発症する(このことを潜伏期間と言います)と考えられています。ただ、インフルエンザにかかった人は、発症前でもウイルスを排出していて、発症1日前から発症一週間後くらいまで、ほかの人に感染させてしまう可能性があるとされています。
また、最も感染力が強いのは、発症から3日間ほどとされています。
一般的な風邪とインフルエンザの違いは?
インフルエンザの症状としては、38度以上の高熱がいきなり出る、というところが一般的な風邪とのわかりやすい違いかもしれません。一般的な風邪の場合、このように急激な高熱は出ません。
また、のどの痛み、咳などは一般感冒と似た症状ですが、全身倦怠感や関節痛などの症状がはげしく、日常生活を送ることが困難になって寝込んでしまうほどの強烈な症状が出ることがインフルエンザの特徴といえます。
インフルエンザを予防する方法は?
一度かかったら、二度とかかりたくないと多くの方が思うほどとてもつらい症状が出るインフルエンザ。
感染しないためには、
・流行時期より前に予防接種を済ませる
・手洗いやうがいなど自分でできる予防をする
・栄養バランスや生活リズムに気を付けて免疫を保つ
などの対策をし、出来るだけインフルエンザとは無縁の冬を楽しみたいものですね。もし、かかってしまったら、絶対に無理は禁物。インフルエンザにかかってひどくなると、肺炎、脳炎などといった重い合併症を引き起こす可能性もあるのです。そのため、体力に自信のある方でも、しっかり休息して過ごすようにしましょうね。
2002年医師免許取得、2012年医学博士号(甲)取得。
日本内科学会認定内科医、日本内科学会総合内科専門医、日本呼吸器学会呼吸器専門医、インフェクションコントロールドクター、日本感染症学会感染症専門医、日本化学療法学会化学療法認定医・指導医、日本結核病学会抗酸菌認定医・指導医、日本アレルギー学会専門医、肺がんCT検診認定医。