ショコラアドバイザー販売・コミュニケーションのケーススタディ:チョコレートの特性と価値を正しく理解し、世界に広げるために

幅広い知識と柔軟な発想で情報発信

チョコレートは身近な食べ物ですが、実は気温の変化にとても敏感な商品です。お客様においしく召し上がっていただくために、販売店などに商品の適切な取扱いや保存方法を伝えていくことが、品質管理の上では特に重要です。さらに、チョコレートにまつわる幅広い知識を持つことで、販売店やお客様とより深いコミュニケーションにつながります。
そのために、当社は2009年からチョコレートを体系的に学ぶための社内資格「ショコラアドバイザー」をスタートさせました。まずは自分たちが改めてチョコレートについて学び、その特性と価値を正しく理解する。それが新しいチョコレート・コミュニケーションの世界を広げていくと考えています。

社内資格「ショコラアドバイザー」を実施

写真:ショコラアドバイザーテキスト
現在ではとても身近なお菓子として親しまれているチョコレートは、その長い歴史の中で、文化的、社会的そして技術的な波にもまれながら磨かれ、洗練され変遷を経て現在の姿になりました。
当社がお客様にチョコレートをお勧めするにあたっては、まずは当社の営業担当がチョコレートに関する正確かつ深い知識を持つことが大事であると考え、2009年から「ショコラアドバイザー」の制度をスタートさせました。専門知識を生かした営業活動で、より安全安心な、そしておいしさと楽しさの世界を広げる商品をお届けできるよう心がけています。
「ショコラアドバイザー」に要求される知識は、チョコレートの歴史や主原料であるカカオ豆のこと、製造方法、温度による物性の変化、法規など多岐にわたり、年に1度資格試験を実施しています。営業職以外からも積極的な参加があり、2013年までに延べ約2000人の社員が受験し、約1700名が合格しました。資格は3年ごとの更新制です。100ページにわたるオリジナルテキストは適宜見直して、チョコレートの国別消費量や高級ショコラ市場の変化、カカオポリフェノールの健康情報といった最新情報も盛り込んでいます。
合格者は「ショコラアドバイザー」の認定マークを各自の名刺に印刷しており、工場によっては制服にプリントしています。それを対外的なコミュニケーションのきっかけにする等、チョコレートの伝道師としての役割りを果たしています。

「チョコベジ」で新しいコミュニケーション

チョコレートと野菜(ベジタブル)を組み合わせて食べる「チョコベジ」プロジェクトが2011年からスタートしました。お客様にチョコレートの新しい楽しみ方を提案するもので、野菜に湯せんしたチョコレートを付けて食べたり、野菜ジュースやスムージーにチョコレートを加えたり……。その意外な組み合わせは予想以上においしいと好評をいただいています。
ピーマンやセロリが苦手だった子が、「チョコベジ」で初めて食べられたという報告もあります。チョコレートの良さは、口に入れるとすぐに溶けてしまうため、咀嚼(そしゃく)と最終的な味は野菜そのものという点。苦手な野菜の食経験ができることで、その後の継続的な野菜摂取につながれば、食育支援にもなります。
新しい食経験は新しい食文化にもつながるでしょう。当社はそのための情報を各種パンフレットやホームページで紹介しています。チョコレートの品質を踏まえたうえで、楽しく価値のあるコミュニケーションを今後も提供していきたいと考えています。

スタッフからのひとこと

写真:萩原 秀和

お客様に価値ある情報を発信

萩原 秀和菓子マーケティング 担当

「ショコラアドバイザー」の資格試験の目的の一つは、チョコレートを体系的に学ぶことです。営業担当者は開発や生産、物流の担当者がこだわって作り上げた明治のチョコレートの品質を正しく理解していなければマーケティング活動はできません。
最近は、カカオに注目した美容法や健康法など、チョコレートにまつわる情報が広く求められていると感じます。そのためには、ベースとなる正しい知識を持って、お客様に価値ある情報を発信したいと思います。

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