食育活動販売・コミュニケーションのケーススタディ:「食」を見つめて、学ぶ機会を提供

食育活動のあゆみ

“食育”という言葉がまだなかった1970年代の半ばから、牛乳・乳製品を使ったレシピの開発や料理教室を軸として、カルシウムやたんぱく質の大切さを伝える普及活動を行ってきました。
2005年の食育基本法施行に伴い、2006年から小中学生向けの“出前授業”をはじめとする食育活動を本格的に開始し、2012年には大人向けの“食育セミナー”も開始しました。全国7ヶ所(札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・福岡)に拠点を置き、現在約40名の担当者が講師として出向いてセミナーや料理教室を行い、2018年度の受講者は195,000名を超えました。
活動当初、小中学生に乳牛や牛乳・心身の健康・食事の重要性などをテーマにした「みるく教室」を実施していましたが、2015年以降、「カカオ・チョコレート」「水分補給」「ヨーグルト」「うがい・手あらい」「運動と食事」といった、明治ならではの知識が詰まった幅広いプログラムを追加し、学校のニーズに応えてきました。いずれのプログラムも、パワーポイントを用いたクイズや効果音・アニメーションのほか、乳牛やカカオの樹の大きさが分かるタペストリーや模型などを使い、子どもたちが楽しく集中して授業が受けられる工夫を重ねています。

写真:牛乳・乳製品に関する出前授業の様子
写真:カカオ・チョコレートに関する出前授業の様子

また、バターづくりをはじめとした乳の変化を感じる体験やチョコレートやヨーグルトの食べ比べ、一緒に体を動かす「ミルクで元気体操」など、五感を刺激する点も学校から好評をいただいています。
そして、子供たちの豊かな国際感覚醸成の一助となるべく、国際理解の気づきを生む授業も行っています。今後は、授業の中でワークシートを展開する手法を活用し、新学習指導要領に沿った内容へとブラッシュアップを図っていきます。

大人向け「健活セミナー」の拡大

写真:「健活セミナー」の様子
「食育」と聞くと、成長期である子供向けの食育を連想しがちですが、実は大人こそ、健康な食生活を送るためには「食」が大切です。
そこで、2015年度からは、それまで行っていた大人の方々に向けた食育セミナーを「健活セミナー」と名付け、プログラムを増やして受講者の拡大を図ってきました。たんぱく質やカルシウムなど大切な栄養素の働き、水分補給の重要性、口から食べることの重要性など、「食」の大切さを伝えるプログラムのほか、チョコレート・ヨーグルトの歴史やその価値を一緒に考えていただくプログラムがあります。

また、2019年度からは「十勝のチーズを知る」と題して、チーズの歴史や製法を紹介しながら、国産チーズを食べることが日本の酪農存続の一助になることもお伝えしています。
人生100年時代を迎え、大人の方にこそ日頃の食生活・食行動を見直すきっかけにしてもらえるように、体験も交えて楽しく学べる場を提供し続けます。

食育活動が担うもの

明治の食育活動のポイントは、“食の大切さ・楽しさ”“健康な生活”そして、身近な食品の向こう側にある“自然の恵み”“食への感謝”“歴史”を一緒に考えること。また、食品について“製造”や“自分の手元に届くまで”といった、明治商品のクオリティーの高さを伝えることです。
日々行っている出前授業や食育セミナー、料理教室に参加したお客さまから、担当者が新たな気づきを得たり、感銘を受けることは少なくありません。これは、お客さまと直に接する食育担当者ならではの貴重な経験です。
これからもお客さまに価値を伝え、その価値を共有できるダイレクトコミュニケーションであることを実感しながら、食育活動の更なる充実を図っていきます。

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