立命館大学 スポーツ健康科学部 副学部長
海老 久美子 教授
博士(栄養学)。公認スポーツ栄養士。管理栄養士。 2006 年国立スポーツ科学センタースポーツ医学研究部契約研究員。2010 年より現職。NPO 法人日本スポーツ栄養学会副会長。
(一財)全日本野球協会選手強化委員会医科学部会委員。
2014・2015 年度文部科学省「スーパー食育スクール(SSS)」に指定された立命館守山高校で食育のサポート等も実施。著書に『野球食』『アスリートのための食トレ』『女子部活食』など。
立命館大学 スポーツ健康科学部 副学部長
海老 久美子 教授
博士(栄養学)。公認スポーツ栄養士。管理栄養士。 2006 年国立スポーツ科学センタースポーツ医学研究部契約研究員。2010 年より現職。NPO 法人日本スポーツ栄養学会副会長。
(一財)全日本野球協会選手強化委員会医科学部会委員。
2014・2015 年度文部科学省「スーパー食育スクール(SSS)」に指定された立命館守山高校で食育のサポート等も実施。著書に『野球食』『アスリートのための食トレ』『女子部活食』など。
高校の運動部所属生徒には、成長に必要な栄養に加え、運動を行うことを考慮した食事が必要です。私はこれまで、高校野球選手を中心に、体格・体力とパフォーマンス向上を目的とした栄養・食事指導について研究してきました。日本体育協会が示す「エネルギー別の栄養素の目標量例」は表1の通りですが、高校野球選手では、1日4500~5000kcalが必要なケースも経験しました。
成長期は、全身が成長段階で未完成の状態ですから、食事についてはその消化・吸収についても配慮する必要があります。例えば、皿数を多くすることよりも時には、色々な食材を1皿で、消化良く、栄養素が取れるように工夫し、食べる側の負担を軽減するなど、「栄養素の高密度化」を計り、成長とスポーツ活動による栄養の需要を満たせる食事をすることが求められます。
出典 日本体育協会スポーツ医・科学専門委員会監修:アスリートの栄養・食事ガイドp19,第一出版,2006より
運動に不可欠な筋肉をつけるためには、トレーニングと併せて食事、とくにたんぱく質の摂取が重要です。筋肉だけでなく体の多くの部分は食事から摂取するたんぱく質をもとにつくられます。また、たんぱく質不足は体力とともに免疫力の低下を引き起こし、結果、風邪を引きやすくなるなど、コンディションにも影響します。「運動する人に必要なたんぱく質量」の目安は表2の通りです。海外の研究ではスポーツ選手の場合、体重1kgあたり1. 6~1. 7gとされていますが、日本の食事では植物性たんぱく質を摂る機会が多いことも考慮して、日本人のジュニアアスリートでは体重1kgあたりたんぱく質2gの摂取が目安とされています。
出典 アスリートのための食トレp.17,池田書店,2013