チョコレートの温度管理物流のケーススタディ:つややか・なめらか・口どけよし おいしいチョコレートをお届けするための温度管理

明治のチョコレートを開けた時のつややかさ、口に入れた時のなめらかさ、口どけのよさ。
そのカギは、配合、製造、そして徹底した温度管理にあります。
今回は、おいしいチョコレートを生み出す取り組みをご紹介します。

温度調整でつややかなチョコレートに

舌の先でもざらつきを感じないほど細かく、なめらかに。明治の工場で製造するチョコレートは、機械で攪拌(かくはん)されながら冷却ののち再加温されます。この時、よりきれいなツヤを出すため、チョコレートの特性に応じて、下の図のように温度調整が施されます。その後、型に充填されたチョコレートはじっくり冷やし固められます。

写真:左:型に充填する様子、中央:グラフ チョコレート温度の推移、右:冷却の様子

包装する際も、機械の熱でチョコレートがとけたりしないよう、包装ライン内にクリーンな冷風をあてています。

写真:包装の様子

巨大倉庫の温度を24時間365日コントロール

写真:倉庫の様子

包装したチョコレートを保管するのは、東日本・西日本にある巨大な倉庫です。2拠点を合わせると、東京ドームとほぼ同じ約40,000m2の面積になります。高さは約30mで、およそ10階建てマンションと同じくらいです。

まずは工場から倉庫へ。チョコレートを搬送する通路も、外気温の影響を受けないよう空調管理を行っています。そして搬送先の保管場所はもちろん、出荷口に至るまですべてのエリアに温度センサーを設置。「23℃以下」を保てているか、24時間365日、自動で制御しています。

さらに明治には、ナッツ・ビスケット等と組み合わせたチョコレートの保管に関する特許技術(特許第5464968号)があります。季節に応じて、倉庫内の温度を15℃~23℃の間で周期的に変動させる技術です。これにより、チョコレートのおいしさとつやつやの見た目を保つことができます。

配送ドライバーもチョコレートについて学び、専門部署と共に温度管理を徹底

写真:倉庫外観

倉庫から出荷された後も、温度管理のこだわりは続きます。チョコレートを運ぶトラックは、車内温度が23℃以下になったことを確認してから積み込みを始め、納品先の倉庫へ到着するまで一貫した温度管理を行います。配送ドライバーは温度管理モニターを定期的に確認し、万が一、品質劣化を伴う異常が発生した時は、明治の物流品質管理を担当とする部署へ、すぐに連絡・対応する体制になっています。

こうした配送中の品質管理を徹底してもらうため、毎年夏季に入る前に、明治製品を扱う配送ドライバーを対象として、チョコレートの取り扱いやおいしさを守る温度管理の啓発を行っています。

温度を意識することで、食べる瞬間までおいしく

「チョコレートの口どけがよい」ということは、「体温程度の熱がかかるととけてしまう」ことと表裏一体です。とけてから再び冷えて固まったチョコレートは、表面が白くなる「ブルーム」が起きて口どけのよさが失われてしまいます。

チョコレートを冷蔵庫で保管する際は野菜室がおすすめ。密閉できる袋に入れて保管し、冷蔵庫から取り出した後は、結露を防ぐために密閉したまま、直射日光が当たらない涼しいところで15~30分ほどかけて常温に戻すのがおすすめです。

つややか・なめらか・口どけよしのおいしいチョコレートを、どうぞお楽しみください。


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