明治おいしい牛乳調達のケーススタディ:酪農家とともに取り組む原料乳の改善
原料乳の受け入れチェックと改善活動
まずは脂肪分と無脂乳固形分を調べる乳成分検査、そして総菌数や体細胞数等を調べる衛生的検査。最後に風味をチェックする官能検査です。いずれも規定値をクリアしたもののみを受け入れています。
「おいしい牛乳」に使用される生乳は、このような検査に加えて定期的に当社の研究所へサンプルを送付し、特別に訓練された複数のスタッフがにおいや味をチェックし、さらに細かな成分の分析を行います。そこで「おいしい牛乳」には適さないと判断した生乳があれば、生産者に対して改善の要請をします。
牛乳は水や添加物をいっさい加えない、100%生乳を原料とした飲み物なので、牧場で搾る生乳が商品の品質に大きく関わってきます。そのため生乳を調達する酪農部は、常に酪農家との連携を図り、乳質の維持・向上に努めています。
風味を守るための酪農家との取り組み
風味にこだわった「おいしい牛乳」は、牧場の協力なくしては品質を維持することができません。牧場主には搾った後に風味検査(味見)の励行をお願いしており、集乳車のドライバーも集乳前に風味検査を実施しています。もし何か問題があれば、その日の集乳は中止しています。
また、工場に集乳された生乳は複数の牧場の生乳が一緒に貯蔵される仕組みのため、毎日の集乳時に酪農家個別の生乳サンプルも一緒に入手します。工場や研究所の検査で乳質に問題があれば、サンプルを元に牧場が特定できるようにしています。その場合、牧場主に改善を依頼しますが、牛の飼料や飼育環境についての改善策を一緒に考えています。
さらに、病気で抗生物質等の動物医薬品を投与した牛は生乳の出荷停止期間が決められているため、酪農家はその使用を記帳するように取り組んでいます。
原料乳の品質改善、その成功例
牛乳の風味は牛の体調によっても変化するため、時には「おいしい牛乳」に適さない風味の生乳になってしまうこともあります。
ある牧場の例ですが、繰り返し調査をしても何が原因かわからなかったため、牛舎を24時間ビデオ撮影したところ、敷料(牛のベッド)がぬかるんでいるために牛が歩きづらく、餌を食べに行ったり水を飲みに行ったりするための移動が極端に少ないことが判明しました。そこで、敷料の改善をすることで、牛が快適に移動できるようにしました。結果、生乳の風味が良くなっただけでなく乳量もアップしました。
また、別の牧場では、本来横になっていることが多い牛が立ったままの状況であったため、ひとつの区画内の牛の頭数を減らす対策を取ったところ、全ての牛が落ち着いて横になるようになり、やはり風味が改善されました。牛のストレスはそのまま生乳の生産量や風味に影響します。
今後も当社の生乳検査を確実に実施すると共に牧場の協力を仰ぐことで、より良い品質の生乳調達を継続して目指していきます。
スタッフからのひとこと
明治と酪農家は信頼し合える関係に
大川 光樹酪農 担当
「品質」とは、安心しておいしく飲めること。「おいしい牛乳」はそのための努力や管理を続けています。そして、牧場の方や牛が毎日休みなく働き、生産されたということも思い浮かべてください。
明治おいしい牛乳 ブランドサイト