物流機能

最終ランナーが運ぶ“5つの約束”

出来上がった製品を工場から販売店や問屋、量販店の物流センターに届けるのが物流の仕事。いわばリレーの最終ランナーです。品質管理のポイントも多岐にわたり、それを実践していく上でキーワードにしているのが「製品」「数量」「鮮度」「時刻」「態度」の5つです。これらはお客様にご満足いただき、そしておいしく召し上がっていただくための注意点として設けた約束事です。
どれも一見当たり前のことと思われるかもしれませんが、1年を通して休みなく製品を運び続ける中で、スタッフ作業者一人一人が“5つの約束”をきちんと自覚することが品質保証につながっています。

1. 「製品」「数量」「鮮度」「時刻」「態度」の約束を守る

物流における品質は5つの約束事を設けています。
最初の一つが「製品」。製造されたものが、形が壊れたり変質したりしないよう取り扱いには細心の注意を払います。例えば落下などの衝撃や輸送中の振動、製品によっては照明による光の影響を受けやすいものもあります。また、保管や輸送時の温度管理も「製品」の品質を保つための重要な要素です。
二つ目は「数量」。お客様からの注文数を過不足なくきちんとお届けします。人為的なミスを極力防ぐためコンピュータでシステム管理をしたり、複数の作業者が二重三重でチェックを行います。 三つ目は「鮮度」。先に作ったものから納品する先入れ先出しを守っています。この基本となる大原則を実行するために、製品群ごとに独自の入出庫管理システムを構築し、運用しています。
四つ目は「時刻」。倉庫から納品先までの経路やかかる時間をあらかじめシミュレーションし、指定の納品時刻を順守します。
最後は「態度」。車を運転して製品を運ぶことは、交通社会の中で社外の方々と接する業務でもあります。明治の製品を乗せた配送車は365日、日本中を走っています。ドライバーには一人一人が配送員作業標準にのっとった運転マナーや接客態度を守るよう指導をしています。

2. トレーサビリティなど管理体制のさらなる強化

製造履歴や配送履歴をすべて記録し、追跡ができるトレーサビリティにも力を入れています。

製品の製造履歴や、納品先、数量、運送会社などの配送履歴をすべて記録し、もしも何か問題が発生した場合はさかのぼって追跡ができるトレーサビリティにも力を入れています。
特に牛乳やヨーグルトなどチルド製品については、問題が生じれば該当倉庫からの出庫を瞬時にストップするなど、リアルタイムな対応が可能なシステムを構築しました。
さらに、フードディフェンスも視野に、監視カメラなどの施設管理や、工場や倉庫への外来者のアクセス制御などの体制を整えています。

今後は、牛乳販売店からの受注にインターネットを介したツールなども検討中で、受注ミスをなくし、利便性を高める工夫もしていきます。
食品の安全安心への関心が高まる中で、万が一に備えることは食品を扱うメーカーの責務。
物流工程における品質管理システムも、さまざまな改良を加えながら進化させています。

スタッフからのひとこと

写真:村田 信之

一人一人が愚直に仕事と向き合う

村田 信之物流 担当(チルド温度帯商品)

食品の物流は“安全”を守るのは当然ですが、同時に“安心”も運ばなくてはいけません。“安心”の定義は難しいですが、万が一も許されないという自覚を持って業務にあたっています。システム化を推進している一方で、最後は“人”という思いもあります。高度なシステムを扱うのは人であり、人と人とが協力し合わなければ進化もないでしょう。まずは一人一人が愚直に仕事と向き合うことが物流品質の向上につながると考えています。

物流のケーススタディ