明治ほほえみ開発・設計のケーススタディ:母乳の成分に近づけるための調査研究

写真:明治ほほえみらくらくキューブの商品パッケージ

母乳と同じように赤ちゃんの健全な成長を促す粉ミルク「明治ほほえみ」。設計機能では、3つの項目に分けて品質保証に努めています。

母子の情報の積み重ねが品質保証のキー

写真:試験管

まずは、万全な品質管理体制で製造する「安心クオリティ」。次に栄養成分の量とバランスを母乳に近づけるための研究調査「母乳サイエンス」。そしてさまざまな場面で、さまざまな方に使いやすくした「育児サポート」。これらにより、常に世界最高水準の商品作りと、より良い育児サポートを実現しています。

そして、「明治ほほえみ」を設計する上で「母乳サイエンス」として取り組んでいるのが、世界でも類を見ないほど長期にわたる、赤ちゃんの発育と母乳成分の調査です。私達は赤ちゃんの大切な命を託されているという使命感のもと、情報の積み重ねという確かな裏づけを持って安全安心な商品を提供しています。

20万人以上の赤ちゃんで「発育哺乳量便性調査」

写真:調査をする女性

1972年から計12回にわたり、新商品やリニューアル商品の発売ごとに、赤ちゃんの「発育哺乳量便性調査」を行ってきました。母乳で栄養を摂っている赤ちゃんと、明治の粉ミルクで栄養を摂っている赤ちゃん、他メーカーの粉ミルクで栄養を摂っている赤ちゃんを、体重や身長の推移、哺乳量、便の硬さなどの項目で調査。これまでに調べた赤ちゃんは延べ20万人以上にもなります。

2006~2007年にかけて行った調査でも、2005年に発売した「明治ほほえみ」で育った赤ちゃんは、母乳で育った赤ちゃんに極めて近い順調な発育を示したことを確認しています。

毎回膨大な費用がかかる調査ですが、将来を見据えた商品設計と、お客様に安心していただくためには必要不可欠との思いを込めて実施しています。これからも常に赤ちゃんの発育を確かめながら、より母乳に近づけるための改良を重ねていきます。

お母さん達の協力で「母乳組成調査」

理想の栄養である母乳に粉ミルクを近づけるため、当社では1979年と1998~1999年の2回、大規模な母乳成分の分析調査を行いました。

1998~1999年の調査では、日本全国4000人以上のお母さんから母乳を集め、ひとつひとつを分析しました。たんぱく質濃度やエネルギー濃度など基本的な栄養情報はもちろん、ビタミン濃度やアミノ酸組成など、より詳細な情報も入手しました。「明治ほほえみ」の設計において、DHAやコレステロールといった各種成分の濃度設定にこれらの情報を活かしています。

母乳の成分は一日のうち、あるいは一回の授乳中でも変化が見られます。日本人の食生活が変化すれば、母乳の成分も必然的に変わってきます。それだけに、数多くのお母さんの母乳をある程度の期間を置いて継続しながら分析調査し、商品設計に活かしていくことが重要なのです。


開発・設計のケーススタディ