「知の融合」によって、お客さまに新たな価値の提供を

お客さまの「おいしく食べて、健康でありたい」を叶えるために
「おいしく食べて、健康でありたい」。そんなお客さまの願いは、いつの時代も変わらないものです。一方で、食品産業をめぐる環境、お客さまの嗜好やライフスタイル、サプライチェーンなどは時代と共に大きく変化しています。時代や社会の変化に対応し、お客さまに「価値」を提供し続けていくには、会社としてこれまで以上に力の結集、「知の融合」を進めていく必要がありました。これが、2017年に明治の研究開発機能を統合して、明治イノベーションセンターを設立した目的です。
明治イノベーションセンターには「企画管理部門」「商品開発ユニット」「機能型研究ユニット」などあらゆる研究部門が集結しています。知の融合を推し進めるには、研究者同士の活発な議論が不可欠です。そのため、このセンターはコミュニケーションがとりやすいオープンな施設になるように建物の設計からこだわっています。各フロアは端から端まで見通せる設計になっており、中央には気軽にミーティングができるコミュニケーションスペースがあります。フロア中央部に吹き抜けの階段を設けて、別の階への行き来もスムーズにできる構造になっています。また、研究成果を商品につなげるためには、社内のさまざまな部門との意見交換が重要になります。社内のさまざまな関係者ともこのスペースで活発に議論を行っています。
加えて、オープンであることは社外に対しても同様で、食品業界さらには異業種の研究者・技術者をお招きして意見交換する場も積極的に設けています。 新しい商品や技術を生み出すには、個々の知見の向上だけではなく、いかに多くのつながりを持てるかにかかっています。社内外を問わず、人と人との交流を図り、それぞれの知を融合させていく。そうした基本思想のもとで、このセンターは作られているのです。

1人ひとりのチャレンジがチームのチカラに
明治イノベーションセンターでは、赤ちゃんからご高齢の方まで、あらゆる世代のニーズに応える幅広い商品の研究開発を行っています。また、これらの商品の「ものづくり技術」の研究や、「食品の品質」に関する研究を積極的に行っています。これらさまざまな研究活動を有機的に連携させることが重要になります。
こうした連携を生み出すためには、所員1人ひとりのチャレンジがとても重要です。これまでの研究部門トップの諸先輩方も、口をそろえて必ず言うのが「チャレンジしなさい」ということでした。未知の課題に取り組めば、壁に突き当たることもあります。そんなときは、いろいろな部署からメンバーが集まり、アイデアを出し合い、課題解決に向けて協力していくという企業風土が当社にはあり、大事にしていきたいと考えています。チャレンジを積み重ね、さまざまなメンバーと喧々諤々の議論を行い、課題を突破することで、チームのチカラも個人のチカラも一歩先に進みます。こうしたことを繰り返していくことで、個と組織のチカラを常に高めていけると思っています。
明治イノベーションセンターだから生み出せた成果はいくつもあります。例えば「チョコレート効果」は、チョコレート製品の開発部門とカカオポリフェノールの研究部門が共同して、おいしくて健康に良い、新しいチョコレートカテゴリーを作りました。また、「明治おいしい牛乳」の新鮮な生乳の風味を実現するナチュラルテイスト製法の技術は、「明治ブルガリアヨーグルト」のまろやか丹念発酵でも活用され、本場ブルガリアの伝統的な風味・食感を工業的に再現する低温発酵を可能としました。さらにこのナチュラルテイスト製法は「もっと新鮮に」をキーワードに2018年に新製法として進化を遂げました。
常に一歩先を目指し、イノベーションセンター内はもちろん、全社一体となって新たなことへのチャレンジを続けていきます。
世界に開かれ、世界とつながる研究所へ
明治イノベーションセンターは「世界中のお客さまにもっと良い明日を作っていく」というビジョンを掲げています。
日本の食品メーカーのトップランナーとして、自社の強みである技術力や科学的知見をさらに深めて、国内のお客さまの食に貢献することはもちろん、今後は海外にも目を向けていく必要があります。海外の研究者とのオープンイノベーションも加速させ、世界に通じるイノベーションセンターになっていきます。