職場などでインフルエンザの予防接種・ワクチン接種をされたかたも多いかと思います。
予防接種はワクチンの接種により免疫反応が起こり、ウイルスを異物と認識するタンパク質「抗体」が作られます。この免疫反応は記憶されるため、次にウイルスが体内に侵入した時に免疫細胞が素早く対応し、私たちの身体を守ってくれるのです。
ではその大切な抗体はどうやってでき、いつまで効果がもつのでしょうか。
どのように抗体ができるの?
インフルエンザワクチンは、抗体をつくるために必要な成分のみを、ウイルスからとりだしてつくられた「不活化ワクチン」です。インフルエンザワクチンを接種することで、身体が反応し、免疫反応によって抗体がつくられます。
一方で、普段の生活の中でインフルエンザウイルスが体内に入ったときにも、免疫反応によって抗体がつくられます。このとき、入ったウイルスの量が少なかったり、身体の免疫反応が十分であれば、発症せずに済んだり、症状の重篤化が抑えられたりします。しかし、ワクチン接種を受けておくことにより、より早くより強く抗体がインフルエンザウイルスを攻撃できる態勢がつくられるため、ウイルスの増殖をより強く抑えられるのです。
抗体はどのくらいもつ?接種のベストなタイミングは?
インフルエンザのワクチンを接種して抗体ができるまでは2週間ほどかかり、一度できた抗体による免疫の持続期間は5か月ほどです。
インフルエンザが流行するのが11月下旬から4月ごろですので、11月はじめあたりには予防接種を受けることをおすすめします。
ワクチンをうっても抗体ができないことがある?
ワクチンを接種したにもかかわらず、インフルエンザにかかることもあります。抗体がつくられにくい体質の方や、病気の治療のために免疫抑制剤やステロイド剤などを使っている方は、ワクチンをうっても効果が得られにくいかもしれません。
また、ワクチンに含まれるインフルエンザウイルスの株(タイプ)と、実際に感染した株(タイプ)が異なる場合、やはりワクチンを接種したにもかかわらずインフルエンザにかかるリスクが高くなります。
予防接種はインフルエンザ予防に有効ですが、完璧というわけではありません。ワクチン接種も重要ですが、免疫力を高めるために、運動の習慣をつけたり、食事をしっかりとったりすることも大事ですね。