インフルエンザといえば、38度を超えるような高い熱が一気に出ること、筋肉などの痛みや、日常生活がままならないほどの強い倦怠感などさまざまなつらい症状が出ることで知られている疾患です。
時には40度近くも出ることがある高熱は、インフルエンザの症状のトレードマーク的な存在ともいえるかもしれません。
インフルエンザにかかったというと、一週間近く寝込むような漠然としたイメージをお持ちの方も多いのですが、インフルエンザの熱は平均どのくらいで解熱することが多いのでしょうか。
インフルエンザの熱が下がるまでの時間
インフルエンザは、抗インフルエンザ薬を使用しなくても熱が高いのはせいぜい3日程度といわれています。
症状が出てから48時間以内に抗インフルエンザ薬を服用したとすると、症状が重いといわれるA型インフルエンザでおよそ1~2日、お腹の風邪のような消化器症状が出やすいB型インフルエンザでおよそ2~3日でたいていの場合熱が下がります。それ以上発熱が長引く場合は、肺炎や脳炎などの合併症を引き起こしている可能性もあり得ますので注意が必要です。
高熱が出ることも含め、インフルエンザにかかると全身の消耗が激しく、やはり一週間程度は自宅で無理をせず療養したほうがよいでしょう。特に高い熱が出ると身体の水分や電解質を急速に失い、脱水を起こしやすくなりますので、十分な水分・電解質の補給は非常に大切です。
解熱剤の種類には要注意!
また、高熱が出ると慌てて、自宅に常備してある解熱剤などを使おうとする方がいらっしゃいますが、インフルエンザの場合、使ってはいけない解熱剤がとても多くあります。
ごく一般的に市販されているものの中にも、インフルエンザの熱に対して使うとインフルエンザ脳炎など重篤な合併症の問題が起きるものがありますから、自己判断で服用せず、病院を受診するか、少なくとも服用の可否をかかりつけの病院に問い合わせるようにしましょう。
小さなお子さまがインフルエンザにかかって苦しそうだと、心配のあまりおろおろしてしまうのが親心ですね。いろいろとインフルエンザの危険性について怖い報道がなされていますが、正しい処置をとればインフルエンザはほとんどの場合、問題なく回復する病気です。出来るだけ正しい知識を持って、落ち着いて対処するようにしましょう。
不安や疑問が湧いた場合は、ためらわずにかかりつけの先生を受診して、相談するようにしてくださいね。