インフルエンザにかかってしまうと、多くの場合、一気に38度から40度の高熱が出現し、日常生活が不可能なほどの強烈な全身の筋肉痛や倦怠感に襲われることになります。
そういった症状が発症する前に、インフルエンザウイルスは私達の身体にどのくらいの間潜伏しているのでしょうか?インフルエンザウイルスの潜伏期間などについてお伝えします。
インフルエンザウイルスの潜伏期間と兆候
インフルエンザウイルスの潜伏期間は、わずか1~2日といわれています。非常に短いのが特徴です。
インフルエンザの前駆症状としては、
・ 身体のだるさ
・ 強い悪寒
・ 鼻腔やのどの乾燥
といったものがあります。前駆症状としては通常の風邪の場合と似ていますが、風邪の場合、このような症状を感じてから熱が上がったり、全身に倦怠感があったりなど、明らかな感冒症状が出始めるまで期間があります。
一方インフルエンザの場合、こういった前駆症状を感じたか感じていないかの間に、すぐに高熱やひどいだるさ、筋肉痛、関節の痛みなど、はっきりした強い、いわゆるインフルエンザの症状が出てきます。
この発症の急激さが、通常の風邪とは異なる点の1つです。
潜伏期間中も感染する?
インフルエンザウイルスは飛沫感染や接触感染により感染するため、発症したことが確認されると学校への出席を停止するよう、学校保健安全法という法律で定められています。
感染してしまったら、出来るだけ他人へ感染させないよう配慮したいものですね。
実はインフルエンザウイルスは、発症する1日前から感染力をもっているといわれています。先ほどお伝えした通り、インフルエンザウイルスの潜伏期間は1~2日です。つまり、感染した当日から感染力をもっているということになります。症状をはっきりと感じることのない、発症前から既に感染力をもっているとなると、感染拡大を止めることが容易ではないことが想像できるかと思います。
この感染力は、発症後一週間程度まで持続し、特に発症してから3日ほどは感染力がピークに達すると考えられています。
出来るだけ感染を防ぐために
インフルエンザウイルスが体内で増殖するスピードはすさまじく、およそ8時間で100倍に増殖するといわれています。これはつまり、わずか1つのウイルスが一昼夜、24時間の間に100万個にも達することを意味します。
このインフルエンザウイルスが数千万に達すると症状が出始め、発症後3日目以降はウイルスが減少に転ずると考えられています。このことから、一般的に医療機関で広く行われているインフルエンザの検査を受けるには、発症後12時間から48時間程度で受けることが望ましいとされています。
また、インフルエンザは予防接種を受けても感染することがありますが、予防接種を受けていると症状が比較的軽く、発熱も38度に達しないこともあるようです。このため、症状がインフルエンザの典型的症状ではなくても、インフルエンザに感染している可能性があり、つまりは周囲の人に感染させてしまう危険性があります。
特に、ご家族に子供やお年寄り、妊婦さんや基礎疾患をお持ちの方がおられる方などは、普通の風邪の可能性が高いように思っても、大事をとって医療機関を受診し、必要に応じてインフルエンザの検査を受ける習慣をつけておくとよいでしょう。
インフルエンザの潜伏期間や、周囲を感染させる可能性についてみんなが正しい知識を持つことで、感染拡大を防ぐよう協力し合えるといいですね。