インフルエンザの感染経路の1つに飛沫感染があります。これはインフルエンザにかかっている人がくしゃみや咳をするとウイルスが空気中にばら撒かれて周囲の人が感染する感染様式です。
また、ウイルスのついた手やタオルなどに触れ、その手が口や鼻を触ることによってうつる「接触感染」もあります。
正しくマスクを着用すればインフルエンザに感染することをある程度は防ぐことができます。マスクで鼻と口を覆うのはもちろん、マスクと顔との間に隙間を作らないようにすることが大切です。
マスクをすれば防げる?防げない?
最も一般的なガーゼマスク(織布マスク)ではウイルスの方がマスクの目より小さいので、たとえガーゼの上にマスクを着用しても空気中に漂っているインフルエンザウイルスを吸い込むことを完全に防ぐことはできません。空気中に漂っているインフルエンザウイルスにうつることを防ぐためにはウイルスより目の細かいマスクN95をする必要がありますが、ガーゼマスクよりは高価で、マスク構造の網目の密度が高いため呼吸がしづらく、長時間着用するにはやや向いていません。一般的に売られている使い捨てマスクの中では不織布マスクを選ぶのがよいでしょう。
ただ、ガーゼマスクだったとしても、全く効果がないかというと、そういうわけではありません。
インフルエンザウイルスは時として唾液などにくっついて浮遊していることもありますので、ガーゼマスクでも吸い込む量を減らす効果はあるでしょう。またマスクによって鼻や口を保温・保湿すると、温度が低く乾燥した環境が好きなインフルエンザウイルスを増やしにくくする効果も期待できます。
さらに、インフルエンザにかかってしまった時はマスクを着用することによってウイルスが飛び散ることを防ぐことができますので、他の人にインフルエンザをうつす可能性を減らすことができます。
その他の予防策も併せて実施!
マスクによる予防効果はある程度は期待はできるものの、それだけで完全に予防ができると思い込むのは危険です。
インフルエンザの予防接種や手洗い・うがいなどをしっかりと行い、栄養バランスのとれた食生活を送るなど、日々の生活の中でできる予防はたくさんあるので、「マスクだけをすれば大丈夫」ではなく「マスクもしておくことでより予防効果が高まる」という認識で、日々の予防に励みましょう。