インフルエンザの典型的な症状は、頭痛や関節痛・筋肉痛を伴う38度を超える熱ですが、これらは通常3~5日程度で引いて治っていきます。
そして、熱が出てから48時間以内に抗ウイルス薬を用いると、約1日程度早く熱が下がるとされています。
しかし、熱がなかなか下がらない場合もあり、その時の対応法は原因によって異なります。ここでは、どのような原因で熱が下がらないことがあるのか、そしてその対応方法についてお話しします。
それはほんとうにインフルエンザによる発熱?
熱がなかなか下がらない場合、以下のような可能性が考えられます。
・二峰性発熱(ピークが二度訪れる発熱)
B型インフルエンザウイルスの感染時や乳幼児に多い現象です。熱が一度下がった後、1~2日たってからウイルスと免疫との関わりで再度発熱するというものです。この発熱は数日で治まることがほとんどで心配はいりません。
・他のウイルスによる風邪の合併
インフルエンザで体力が落ちたところで、風邪などの他のウイルス感染を併発し微熱が続くことがあります。身体の免疫力が元に戻るまで、しっかり休みましょう。
・肺炎や気管支炎の合併
痰が出たり、息が苦しくなったりするなどの症状が出たら、インフルエンザに続いて生じる肺炎や気管支炎が疑われます。インフルエンザにかかった患者のの0.5~0.6%に起こるとされています。抗生物質などによる早めの治療を受ける必要がありますので、特に重症化しやすい高齢者では、すみやかな受診を心がけてください。
・中耳炎の合併
耳の痛みや聞こえにくさが起き、微熱が続く場合には中耳炎を疑います。インフルエンザにかかった患者の0.2%に起こるとされています。細菌感染が関与していることが多く、抗生物質での治療が必要になります。
・副鼻腔炎の合併
インフルエンザにかかった患者の0.7%に起こるとされています。鼻の周囲の痛みや響く感じ、目の奥の痛みといった症状が起こります。こちらも、抗生物質で治療が必要になります。
上述の通り、インフルエンザの熱だけであれば、通常数日で下がりますので、もし発熱が続くようであれば、早めに病院に行くよう心がけましょう。