「ひらけ、カカオ。」カカオ”美容”新素材発表会＆素材活用商品レポート

会場には、発表会が始まる前から多くの報道陣が集まっており、注目度の高さがうかがえました。

発表会会場の入り口付近には、大きなカカオポッドやカカオの木のオブジェ、明治の手がけるライフスタイルブランド「CACAO STYLE」の商品や、カカオの未活用部位（カカオハスク）を使用した商品容器などの展示が行われており、新たに発表されたカカオをテーマにした映画のパンフレットと絵本も展示されていました。

発表会で最初に登場したのは、明治の松田 克也社長。松田社長は、「ひらけ、カカオ。」をスローガンに掲げ、これまでカカオの新しい価値創造に挑戦してきました。そのなかで、帝京大学と研究を重ね、独自の方法で世界初のカカオ由来の保湿成分である「カカオセラミド※」の抽出・素材化に成功したことを発表しました。

※「カカオセラミド」とは、カカオから抽出したセラミドのことです。

次に、帝京大学の古賀 仁一郎教授より、「カカオセラミド」についての説明がありました。
詳細はこちら：世界初の発見！カカオに含まれる保湿成分「カカオセラミド」について古賀教授にインタビュー

その後、Zero Gravity株式会社の首席顧問でスキンケア成分ハンターの竹岡 篤史氏より、「カカオセラミド」の化粧品への活用についての説明に続き、
詳細はこちら：世界をまたにかける“スキンケア成分ハンター”竹岡篤史氏が語る、「カカオセラミド」への期待

最後に株式会社ヘミセルロースの代表取締役社長、茄子川 仁氏よりカカオハスクのアップサイクルの可能性についての説明へと進行していきました。
詳細はこちら：カカオハスクをバイオプラスチックへ。開発者が語るカカオ樹脂プラスチックの可能性、未来への想い。

このカカオセラミドとはいったいどのような成分なのでしょうか？

肌の「表面」を覆う表皮に含まれる保湿因子のひとつ、セラミド。自覚症状として敏感肌であるという方が多い日本では特に人気が高く、ご存知の方も多いのではないでしょうか。

セラミドはその原料や性質により以下の図の通り分類されます。

人がもつセラミドと同じ構造の「ヒト型遊離セラミド」は非常に希少な成分のため、化粧品に使用されているセラミドの多くは「合成セラミド」です。

通常、植物セラミドに含まれるヒト型遊離セラミドの量はほんのわずかですが、今回、カカオから抽出した「カカオセラミド」には、この希少な「ヒト型遊離セラミド」が多く含まれていることが世界で初めて発見されました。

植物由来かつ、希少な成分が含まれている、これが「カカオセラミド」の特徴です。

さらに、驚きのポイントは、このカカオセラミドは今まで有効活用されていなかった部位に多く含まれているということです！具体的にはカカオ豆の薄皮「カカオハスク」という部位に「ヒト型遊離セラミド」が豊富に含まれていることがわかりました。

植物に含まれるグルコシルセラミド・遊離型セラミド含有量（mg/g）

食品用として使用される「グルコシルセラミド」も含まれているため、化粧品と食品の両方の分野での多いなる活用が期待されます。

カカオグルコシルセラミドは、株式会社アルビオン（以下アルビオン）とコラボレーションし、さっそく商品化されました。

アルビオンは、「高級化粧品の第一人者として本物志向に徹し、美しい感動と信頼の輪を世界に広げる。」をビジョンに機能性植物を研究している化粧品メーカー。サステナビリティを追求するアルビオンとコラボレーションし、チョコレートの枠を超えた新たな世界観を表現しています。

下記の２つの商品は、新素材「カカオグルコシルセラミド」をおいしく摂取していただき、カカオに関わる全ての人の”きらめく明日”に貢献するべく、一部百貨店のバレンタイン催事にて販売されました。

※現在は販売しておりません。

詳細はこちら：coming soon

チョコレートを作り続け、カカオと向き合ってきた明治。その明治が、持続可能なカカオ生産の実現に貢献し、カカオでつながる、すべての人を笑顔にしていきたいと考え、掲げたスローガンが「ひらけ、カカオ。」。

今回素材化に成功した「カカオセラミド」の化粧品原料化を目指し、「カカオセラミド」の価値を高め世界に届けていくため、新たなプロジェクト「meiji CACAO BEauty Project」の始動が発表されました。

「カカオセラミド」の化粧品への使用や商品化を目指すほか、「カカオセラミド」抽出後に残ったカカオハスクも余すことなく使用したアップサイクルへ取り組むプロジェクトです。

会場には実際にカカオハスクが「バイオプラスチック」にアップサイクルされた容器が展示されており、未活用部位の活用が推進されています。