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健康に良いと言われるカカオニブとは?効果・おいしく食べられるレシピを紹介

2022/05/27

健康に良いと言われるカカオニブとは?効果・おいしく食べられるレシピを紹介

カカオニブは、チョコレートの製造過程でできる素材ですが、最近はスーパーフードとして注目を集めています。この記事では、カカオニブの定義や含まれる栄養素、摂取することでもたらされる効果などを解説します。カカオニブを食べやすくするおすすめレシピも紹介します。

カカオニブとはいったい何?

カカオマスと混同されることもあるカカオニブですが、実は全く異なるものです。まずはカカオニブとは何か、またカカオニブに含まれる成分も紹介します。

カカオニブとはカカオ豆を砕いたもの

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カカオ豆を粗く砕き、シェル(種皮)や胚芽を取り除いた胚乳部を「カカオニブ」といいます。これをすりつぶしたものを「カカオマス」といい、そこにココアバターや砂糖、乳製品などを加えて粉砕し練り上げたものが「チョコレート」になります。つまりカカオニブは、カカオ豆からチョコレートになるまでの加工過程においてできる素材のひとつです。

カカオニブの成分の多くはココアバター

カカオニブにはココアバターが50~57%程度(標準的な含有量は約55%)含まれています。残りは、非脂肪カカオ分のほか、水分(ローストしたカカオニブの場合は1~2%)が含まれています。ちなみに、チョコレートを食べた時のなめらかな口どけは、このココアバターの性質によるものです。

スーパーフードとしても注目されているカカオニブ

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近年、スーパーフードとして紹介されることもあるカカオニブ。そのまま食べたり、ひと手間加えてアレンジしたりして味わうこともできます。ここではカカオニブがどんな使われ方をしているか紹介します。

カカオニブが使ったレシピが増えている

本来、カカオニブは加工されてチョコレートになるものですが、チョコレートの原材料としてではなく、ひとつの素材として注目されています。欧米のスーパーでは健康食品のコーナーに並んでいることもあり、栄養豊富で健康・美容効果が期待できるため、国内でも取り扱う店が少しずつ増えています。カカオニブは香ばしい風味と食感があり、そのまま食べることもできますが、苦味もありますので他の食材と組み合わせることで食べやすくなります。

ボンボンショコラの副素材にも使われている

ガナッシュやキャラメルなどをチョコレートでコーティングしたボンボンショコラ。その副素材としてカカオニブが使われることがあります。例えば、コーティングのチョコレートと共にカカオニブをトッピングすることで、香ばしい食感やほろ苦い風味がショコラのアクセントになります。そのほか板チョコレートに混ぜ込んだりトッピングしたりする使い方や、クッキーなどの焼菓子に加えることもあります。

カカオニブに含まれる成分と効果

カカオニブには様々な成分が含まれていて、健康効果が期待できると言われています。ここではカカオニブに含まれるいくつかの成分を取り上げ、その効果・効能について紹介します。

①ポリフェノール

ポリフェノールは多くの植物に含まれる抗酸化物質。特に赤ワインやお茶に多く含まれることは知られていますが、カカオニブにも含まれています。ポリフェノールを含むチョコレートやココアを摂取することで、血管内皮機能の改善や血圧低下、糖や脂質代謝の改善などが見られることが報告されています。これらの改善により糖尿病や動脈硬化の発症を遅延させたり、ポリフェノールの抗酸化活性により、様々な病気の発症を遅らせる可能性があることがわかってきました(※1)。

(※1)夏目みどり「カカオポリフェノールの包括的研究 カカオは神様の食べ物?」化学と生物.2018年 56巻7号 490-495.

②カフェイン

カフェインは眠気防止の効果などで知られていますが、コーヒーや茶のほか、チョコレートにも含まれています。カフェインの摂取は注意力のアップや集中力の持続に有効性があるほか、覚醒の維持や有酸素運動の向上に有益と報告されています。また、気分向上効果が見られることも確認されています(※1)。大量に摂取することで、中枢神経への刺激作用により不眠や不安などの影響があると言われていますが(※2)、カフェインが嗜好品から医薬品まで多岐に渡って幅広く使用されているのは、作用がマイルドで顕著な有害作用が起こりにくいからとされています(※2)。

(※1)栗原久「コーヒー/カフェイン摂取と生活―カフェインの精神運動刺激作用と行動遂行―」東京福祉大学・大学院紀要第7巻 第1号
(※2)栗原久「日常生活の中におけるカフェイン摂取―作用機序と安全性評価―」東京福祉大学・大学院紀要第7巻 第2号

③テオブロミン

テオブロミンは、カフェインによく似た構造のカカオ豆に特有のアルカロイド成分で、チョコレートやココアの苦味の主成分です(※1)。このテオブロミンが、癒しに関係する脳内ホルモンであるセロトニンを増加させることで、リラックス感が得られると考えられています。カフェインに比べて効果が穏やかなため、興奮作用も少ないのが特徴です。また、毛細血管を刺激して全身の血流を促すため、冷え性改善の作用も期待されています(※1)。

(※1)水野かおり「カカオ製品の生理効果」あいち産業科学技術総合センター 食品工業技術センター 2016

④リグニン

カカオには何種類かの食物繊維が含まれますが、そのうち、不溶性食物繊維のひとつであるリグニンが多く含まれています(※1)。リグニンは便量の増加や腸の蠕動(ぜんどう)運動の促進などの作用があるとされています。こうした整腸作用から、食物繊維は私たちの健康維持に重要な役割を果たすことが次第に知られるようになりました(※2)。

(※1)水野かおり「カカオ製品の生理効果」あいち産業科学技術総合センター 食品工業技術センター 2016
(※2)高橋陽子「繊維質と食物繊維」独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構食品総合研究所/日本食品科学工学会誌58巻(2011)4号

カカオニブをおいしく食べるレシピ

そのまま食べることもできるカカオニブですが、いろいろなアレンジを加えると飽きずに楽しめます。ここでは簡単においしく食べられるカカオニブの活用レシピをご紹介します。

手軽に食べられる「グラノーラ カカオニブトッピング」

1つ目のアレンジレシピは、市販のグラノーラにカカオニブをトッピングするだけの簡単アレンジ。手軽に、カカオニブの香ばしい食感や香りを楽しめます。お好みのグラノーラ1食分(1人分約40gくらい)に、カカオニブ7~8g(小さじ2程度)をのせ、ヨーグルトや牛乳をかけてお召し上がりください。特に相性が良いのはナッツ類や、甘酸っぱいクランベリーなどのドライフルーツ、蜂蜜ともよく合います。お好みでプラスしてみてください。(※カカオニブの粒の大きさにより計量時の重さは前後しますので、お好みにより調整してください。)

おいしくて満足度の高い「バナナヨーグルトスムージー カカオニブ入り」

ミキサーやハンドブレンダーで簡単に作れるスムージーにカカオニブを加えるのもおすすめです。下記に紹介する「砂糖なしのバナナヨーグルトスムージー」レシピにカカオニブを加え、ミキサーにかけるだけでできあがり。

おすすめレシピ:「砂糖なしのバナナヨーグルトスムージー」
https://www.meijibulgariayogurt.com/recipe/detail-468.html
※加えるカカニブ(2人分)・・・15g程度(大さじ1.5くらい)
※作り方3の際にカカオニブを加えて混ぜます。

ミキサーやハンドブレンダーで混ぜる時、カカオニブが完全に混ざらず粒が残っていても大丈夫です。カカオニブのカリカリとした食感がアクセントとなって満足度もアップ。バナナの甘味にカカオニブの香ばしさが加わり、リッチな味わいのスムージーになります。バナナとカカオニブの相性はとても良いのでぜひ試してみてくださいね。

ほんのり甘くてザクザク食感「カカオニブのスコーン」

そして3つ目のレシピはカカオニブを加えたスコーンです。簡単なのに本格的なスコーンレシピにカカオニブを加えると、カリっとした食感や心地良いカカオの苦味が楽しめるワンランク上の味わいになります。カカオニブとも相性の良いハチミツを添えて食べるのがおすすめです。

おすすめレシピ「ビスケットスコーン」
https://www.meijioishiigyunyu.com/recipe/detail/497.html
※加えるカカオニブ・・・25~30g程度(大さじ3くらい)
※STEP4でカカオニブを加えてから牛乳を入れ、ひとまとまりになるように混ぜる。あとはレシピ通りの材料と手順です。
尚、小麦粉の1割程度を全粒粉に置き換えるとよりヘルシーになります。

カカオニブを取り入れて健康にきれいになろう

健康・美容効果が高いといわれているカカオニブ。紹介したレシピ以外に、食感を生かしてサラダやヨーグルトのトッピングなどで手軽に取り入れるのもおすすめです。ぜひ自分が試しやすい食べ方でカカオニブを日々の食生活に取り入れ、カカオの香りと心地よい苦味を楽しんでみてください。