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チョコレートの意外な話 太るってホント?

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1太るってホント?

肥満の原因にはなりにくいチョコレート

カカオ豆に最も多く含まれている栄養素は全体の約半分を占めている脂肪です。こう聞くと、「やっぱりチョコレートを食べると太るんだ」と思う人もいることでしょう。

ところが、カカオ豆の脂肪は、他の食べものに含まれる脂肪と比べて良質なもので、しかも直接太ることにつながらないということが報告されています。(※1)
※1 Kritchevsky, D: Nutr Rev., 46(5), 177-81, 1988.

同じ脂肪でも、食べものによってこうした違いが生じるのはなぜなのでしょうか?脂肪の仲間にはいくつかの種類がありますが、肥満の原因として目の敵にされているのが中性脂肪(トリグリセリド)。中性脂肪はグリセリンに脂肪酸という物質が3つくっついた形をしており、しかもくっついている脂肪酸の種類によって性質が大きく変わります。

カカオ豆の脂肪はちょっと違う

では、カカオ豆の脂肪にはどのような性質があるのでしょうか。カカオ豆の脂肪分を構成している主な脂肪酸はステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸の3種類です。このなかで一番多いのはステアリン酸で、体内に吸収されにくいという性質を持っています。ということはエネルギー源になりにくい、つまり体脂肪として蓄えられにくいというわけです。

また、3つの脂肪酸はそれぞれ、パルミチン酸とステアリン酸が飽和脂肪酸、そしてオレイン酸が不飽和脂肪酸という種類に分けられます。飽和脂肪酸は構造が安定していますが、不飽和脂肪酸は不安定な構造をしており、酸化しやすいのが特徴。例えば、てんぷら油(不飽和脂肪酸がたくさん含まれている)を使った後、空気にさらしたままにしておくと変色し、悪臭を生じます。これが酸化です。カカオ豆に最も多く含まれているステアリン酸は飽和脂肪酸なので変質しにくいのです。チョコレートが長期保存できる理由はここにあります。
ただし、食べすぎには注意してくださいね。