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カカオポリフェノールに閉経後女性の健康リスク予防の可能性

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レポート3 カカオポリフェノールに閉経後女性の健康リスク予防の可能性

閉経後女性の健康リスク予防に着目!

平成26年に行われた「チョコレート摂取による健康機能に関する実証研究」では、カカオポリフェノールのさまざまな健康効果が確認されました。その後、さらなるデータ解析を進めたところ、カカオポリフェノールにより、閉経後女性の血圧低下などに関する改善効果が確認されました。

そこで今回、東京医科大学とともに、「カカオポリフェノール摂取による健康リスク(高血圧、高血糖、高コレステロール)の変化に関する研究」を新たに実施。その結果から、カカオポリフェノールの摂取が、閉経後女性の健康リスク予防に役立つ可能性が示唆されました。

研究内容

カカオポリフェノール
摂取による
健康リスク
(高血圧、高血糖、高コレステロール)
変化に関する研究

血糖値が高めな45歳以上69歳以下の男女を、ランダムにAとBの2グループに分け、Aグループにはカカオポリフェノール抽出物を含むタブレットを、Bグループにはカカオポリフェノール非配合のタブレットを、それぞれ毎日、4週間続けて摂取して頂きました。さらに、タブレットを摂取しない期間を2週間空けたのち、AグループとBグループのタブレットを入れ替え、同様に4週間継続摂取して頂きました。

実証研究 共同研究結果報告

インスリン濃度の変化とHOMA-IRの変化

糖を体のエネルギー源へと変える働きを持つインスリン。その働きが弱くなり、糖を細胞へうまく取り込めなくなった状態を「インスリン抵抗性」と言います。閉経後の女性は内臓脂肪を蓄積しやすく、インスリンの働きが弱くなるため、糖尿病などのリスクが高まります。

今回の研究では、閉経後の女性がカカオポリフェノールを4週間摂取した結果、摂取を開始する前よりもインスリン濃度が低下する傾向が見られました。また、インスリン抵抗性の指標であるHOMA-IRも、インスリン濃度と同様に、摂取開始前よりも低下する傾向が見られました。
この結果から、閉経後の女性が継続的にカカオポリフェノールを摂取することで、インスリンの働きを改善できる可能性が示唆されました。

【図1 空腹時インスリン濃度の変化】

【図2 HOMA-IRの変化】

インスリン抵抗性と
「高血圧」「高血糖」「脂質異常症」の関係

インスリンは糖を取り込む以外にも、体内のさまざまな器官に働きかけています。そのため、インスリン抵抗性が悪化すると、糖尿病だけでなく、高血圧や脂質異常症の悪化など、さまざまな疾患につながることがあります。

インスリン抵抗性の要因として挙げられるのが、“内臓脂肪の増加”と“活性酸素”です。閉経後の女性は、閉経前よりも内臓脂肪を蓄積しやすく、活性酸素の働きを抑えるエストロゲンが枯渇しているため、インスリン抵抗性を引き起こしやすくなります。

血圧の変化

閉経後の女性は、インスリン抵抗性によって体外への塩分排出が阻害されやすく、体内の塩分が増えて血圧が上昇する可能性が高くなります。

今回の研究では、閉経後女性にカカオポリフェノールと対照食品をそれぞれ4週間摂取していただきました。その結果、対照食品では最高血圧・最低血圧ともにほぼ変化がなかったのに対し、カカオポリフェノールでは、摂取開始前に比べて最高血圧で10mmHg程度、最低血圧で5mmHg程度の低下をそれぞれ確認することができました。

【図3 血圧の変化】

LDL-コレステロールの変化

閉経後女性の健康リスクのひとつとして、動脈硬化を促進させるLDL-コレステロール(悪玉コレステロール)の増加が挙げられます。

対照食品とカカオポリフェノールの摂取を比較した今回の研究では、カカオポリフェノールを4週間摂取した場合において、摂取開始前に比べてLDL-コレステロールも減少したことが確認されました。

【図4 LDL-コレステロールの変化】

インスリン抵抗性が血圧や脂質代謝に
影響をおよぼすメカニズム

インスリン抵抗性が高血圧を悪化させる動きには、腎臓の働きが関係しています。インスリンには元々、腎臓の持つ「余分なナトリウム(塩)を尿として体外に排出する」という機能を妨げる作用があります。インスリン抵抗性によって糖を取り込む働きが低下すると、体は糖をより取り込むためにインスリン量を増加させます。その結果、インスリンが大量に分泌をされて塩分の排出が妨げられ、体内の塩分が増えて血圧の上昇を引き起こします。

インスリン抵抗性の増悪は、動脈硬化を促進する血中レムナントを増加させるとともに、動脈硬化を防ぐHDLの低下も引き起こします。このように、インスリン抵抗性の悪化により、脂質代謝のバランスが崩れることで、動脈硬化の発症リスクも上昇することが分かっています。

50代前半は女性の体の転換期

エストロゲンの「ゆらぎ」がもたらす、
更年期症状とエストロゲン欠乏関連疾患

女性の心身に大きな影響をおよぼす閉経。一般的に閉経は50歳前後で迎えるといわれていますが、40代後半ごろから月経の停止に向けて、エストロゲン(女性ホルモンの一種)の分泌は大きくゆらぎながら低下をしていきます。この時期に、ほてり、めまいなどの自律神経失調や、倦怠感、不安といった精神神経系に不調をきたすことを「更年期障害」と言います。

その後、閉経を迎えるとエストロゲンの分泌はほぼなくなります。しかし、エストロゲンは生殖器以外にもさまざまな器官に対して多様な働きをしているため、閉経後のエストロゲン欠乏は、泌尿生殖器の萎縮や骨粗しょう症、さらに、「3高リスク」と呼ばれる高血圧、高血糖、高コレステロールなど、体のいたるところに影響をおよぼします。これを「エストロゲン欠乏関連疾患群」と呼びます。

中村幸雄ほか:日本産科婦人科学会雑誌51, 1193-1204(1999)より作成

エストロゲンと心血管疾患の関係

閉経後の高血圧、高血糖、高コレステロールが、
心血管疾患の発症を高める要因に。

日本人の死因のトップはがん(悪性新生物)で、現在も高齢化に伴い増え続けています。しかし、男女別の死因別死亡数を見ると、男性の死因トップがここ20年以上がんであるのに対し、女性の死因トップは、20年以上心血管疾患です。働き盛りを過ぎた男性がかかるイメージの強い心血管疾患ですが、実は年齢が高くなると女性の発症リスクも高まります。

心血管疾患にはさまざまな要因が挙げられますが、閉経後のエストロゲン欠乏によって引き起こされる、高血圧、高血糖、高コレステロールといった「3高リスク」もそのひとつです。女性は閉経するまで、エストロゲンの働きによって心血管疾患の発症リスクが抑えられていますが、閉経後は著しく発症リスクが高まると言われています。閉経が、命に関わる大きなリスクとなる可能性があるのです。
今回の研究では、継続的なカカオポリフェノールの摂取により、閉経後女性の「3高」リスク予防が期待できるという結果を得ることができました。これは人生100年時代といわれる現代において、50代からますます輝き続ける女性が増えるための画期的な一歩と言えるでしょう。

出典:厚生労働省「人口動態統計」

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