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5分で分かる効果 (高カカオ)健康リスクを防ぐための低GI

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5分で分かる効果
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GI値基礎知識

GI値とは?

  • ・GIは、食後血糖値の上がり易さをあらわす指標
  • ・GI値が高い食品ほど急激に、低い食品ほどおだやかに血糖値が上昇
  • ・健康維持には血糖値を一定範囲に保つことが重要

GIは食後血糖値の上がり易さを示す指標で、Glycemic Index(グライセミック・インデックス)の略です。

私たちが食べ物を口にすると、食品に含まれる糖分が血液に取りこまれ、グルコース(ブドウ糖)となり血糖値が上がります。血糖値の上がり易さは食品によって異なるため、それを比較するために考え出されたのがGI値です。

GI値は、食品に含まれる糖質の量だけではなく、糖質の吸収度合いや糖代謝に関わるホルモンの誘導の度合いなどによって決まります。GI値が低い食品ほど上昇する血糖値の曲線は低くなだらかとなり、逆にGI値が高い食品ほど上昇幅が大きいものになるという特徴があります。

血糖値をコントロールする必要のある糖尿病の方だけでなく、一般の方々が健康な生活を送るうえでも、血糖値の急激な上昇を抑えて一定の範囲に収めることは重要です。その意味で、GI値という指標は、重要なものになってきています。

血糖値の上昇・低下のメカニズム

GI値は、基準となるグルコース(ブドウ糖)の血糖値の上昇をもとに、同じ糖質量の食品を摂取したときの血糖値の上昇の割合を算出して求めます。

GI値は“ブドウ糖革命” ~GI値の誕生と歴史~

1981年、カナダのジェンキンス博士らは論文1)を発表し、「糖質量が同等な食品でも血糖値を上昇させる速度や程度に差異が見られるため、血糖値への影響の程度によって食品を分類すべき」と主張しました。これがGIの概念の始まりです。

これまで糖類は、化学構造や糖鎖の形状からの分類が主流でした。それに対し、体内に取り込まれた際に血糖値をどれくらい上昇させるか、といった観点からの分類は、まさに“ブドウ糖革命”といえるほど画期的なことでした。

その後、2002年5月に米国の医学誌にGIに関する総説2)が掲載されると、GI値への注目が高まり、世界中で研究されるようになりました。日本では2001年7月に設立された日本Glycemic Index研究会が中心となり、日本の食材や食品、日本人の食習慣に沿ったGI研究が進められています。

参考論文

  • 1.Jenkins DJ, Wolever TM, Taylor Rh et al. Glycemic index of foods: a physiological basis for carbohydrate exchange. Am J Clin Nutr. 1981 Mar; 34(3): 362-6.
  • 2.Ludwig DS. The glycemic index: physiological mechanisms relating to obesity, diabetes, and cardiovascular disease. JAMA. 2002 May 8;287(18):2414-23.

GI値エビデンス

論文で公表された代表的な食品のGI値

※基準となるグルコース(ブドウ糖)を100として算出

チョコレートのGI値は40±3となっています。これは、例えばうどん55±7やスパゲティ49±2など、いろいろな食品と比べてもGI値は低いといえます。

佐々木先生の解説

健康的な食事を考えるうえで有効なGI値

【監修】公益財団法人佐々木研究所 理事長
東京慈恵会医科大学 客員教授 日本Glycemic Index研究会 代表幹事
佐々木 敬氏

プロフィール
佐々木研究所、杏雲堂病院を基盤に、代謝・内分泌領域を中心としたトランスレーショナル研究を推進している。
日本糖尿病学会専門医・日本内分泌学会専門医

人は食事をすると血糖値が上昇します。健康な人は自然に血糖値は下がりますが、何らかの理由で血糖値の高い状態が続くと、様々な病気を引き起こすリスクが生じます。そのため、あるレベルを超えると糖尿病と診断されます。

健康を保つうえで、血糖値を一定の範囲に保つことは非常に重要です。これまでの血糖値管理は、総摂取カロリーや糖質制限が中心の食事指導で行われてきました。しかし、健康的な食事を判断するうえでは、食材のカロリーや糖質含有量だけではなく、その食品がどのように血糖値に影響を及ぼすかにも着目する必要があります。その指標となるのが、食品ごとの血糖値の上昇のしかたや程度を表したGI値です。

GI値を指標とするうえでは、同一食品=同一GI値ではない点に注意する必要があります。
以下の図のように、「米」という食品であっても、白米、発芽玄米と種類によって、食後血糖値の推移は異なります。その食品が食物繊維や脂質をどれだけ含んでいるか、また調理法や食べ合わせによっても変わるからです。

白米、発芽玄米の血糖値の推移

このような食後血糖値の違いを意識して、GI値から食品を選んで食べることが望ましいのです。

高GI食品の摂りすぎは肥満やメタボにつながる

血糖値を健康な範囲に保つ役割を担うのが、すい臓から分泌される「インスリン」というホルモンです。インスリンは食事をして血液中のグルコース濃度が上がると分泌されます。そして様々な臓器にグルコース(ブドウ糖) が取り込まれることで、血糖値を下げてくれます。ほかにも、インスリンは骨を丈夫に保つなど健康維持に欠かせない重要な役割を担っています。

本来、健康を維持するのに欠かせないインスリンですが、過剰分泌には注意が必要です。次の図のように、高GI食品を摂取した後は、血糖値の上昇幅が大きくなり、血液中のインスリン濃度も著しく高まります。それにより、その後の空腹感が増したり、血糖値が食前よりかえって低下して不快な気分になることもあります。また、インスリンの作用によって、脂肪組織において脂肪の分解を強く抑制したり、合成を増やす現象も起きます。

このように、高GI食品によるインスリンの過剰分泌によって肥満や脂質・糖代謝異常、高血圧を伴うメタボリック症候群につながる可能性があります。これを繰り返すと血管にダメージが起こり、ひいては動脈硬化を引き起こすことになります。その結果、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などのリスクも高まってしまうのです。

図のような悪循環を引き起こさないためにも、血糖値が上がり易い糖尿病患者さんやその予備軍の人は高GI食品をなるべく控えた方がよいと言えます。また糖尿病でない人も、肥満やメタボリック症候群になるのを防ぐために、高GI食品の摂り過ぎは避け、日ごろから低GI食品を選ぶようにした方がよいでしょう。

高齢社会の健康維持にも注目されるGI値

健康的な食事を考えるうえでGI値に注目することは、これまでも専門医の間では共通認識でした。さらに近年は、加齢や疾患、栄養障害や運動量減少によって筋肉量が減少する「サルコペニア」を予防する面でも、GI値に着目した食事が非常に注目されています。それはインスリンにある「骨を丈夫に保つ作用」と関係しています。糖質制限などで不適切に糖質を制限するとインスリンの働きが抑えられ、健康維持に必要な骨格筋を失うことにつながります。その点、GI値を心がけた食事にはそのリスクがありません。

このようにGI値に関する様々な研究が進むなか、さらに一般の方の生活習慣病予防や健康増進にもGI値を役立てることができるのではないか、と期待が集まっています。サルコペニアは寝たきりや誤嚥(※1)、転倒や骨折のリスクになり、糖尿病に限らず、高齢社会の最も大きな問題であるフレイル(※2)の大きな要因なのです。このようなサルコペニアやフレイルの悪循環を断ち切り、高齢社会の健康増進、QOL(※3)の維持を考えるうえでも、GI値の一般への普及、活用が期待されます。

  • ※1 食べ物が食道ではなく気管に入ってしまうこと
  • ※2 加齢や疾患による心身全般の衰え
  • ※3 生活の質

GI値活用の今後の展望

現在、世界的にGI値の研究が進みつつあり、食品と健康の関係を考えるうえでの有用性が注目されています。すでに国際糖尿病連合(IDF)のガイドラインにもGI値を参照することが盛り込まれ、血糖値を意識する必要がある医療分野での活用が拡がってきています。

いっぽう、一般の方が食品について考える際の指標としては、GIという概念は未だ普及していません。今後は、食品に含まれる糖質量ではなく、食後の血糖値を推測可能にする、十分に検証されたGI値が食品ごとに表示されることが望まれます。そのために現在、わが国では日本Glycemic Index研究会が中心となり、そのための研究や啓蒙活動を進めているところです。近い将来、一般の方が食品を選ぶときに、簡単にGI値を意識することができ、日々の健康づくりに役立てられるようになるとよいでしょう。

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