明治とTOPPAN 「未来の売場づくり」へ向けた購買行動調査を実施 聴覚や視覚を刺激する販促物を設置した売場で「興味関心」や「自分ゴト化」の働きに関連する部位の脳血流活性化を確認

株式会社 明治(本社:東京都中央区、代表取締役社長:松田 克也)と、TOPPANホールディングスのグループ会社であるTOPPAN株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:齊藤昌典、以下 TOPPAN)は、2023年10月に「未来の売場づくり」につながる「脳血流計測」を用いた購買行動調査を共同で実施しました。

お客さまの店頭購買行動における潜在意識を把握するために、これまではインタビューやアンケートといった手法で調査が行われてきました。しかし、設問の設定やインタビュー時の環境によって得られる回答は、意識下における意見であり、お客さまの無意識下の反応を定量化/可視化することは難しいとされてきました。TOPPANではこの課題に対し、インタビューやアンケートという従来の手法に加え、視線や脳活動などを活用した生体反応調査に取り組んでいます。

このたび、「明治ブルガリアヨーグルト」ブランドが発売50周年を迎えるにあたり「未来の売場づくり」の取り組みを強化するため、TOPPANの知見を活かし、ヨーグルトの購買行動について、生体反応を活用した調査を実施しました。

アンケート調査という意識的な評価に加え、脳血流という無意識的なデータを取得し、陳列方法や販促物が、お客さまの購買行動にどのような影響を与えるかを検証しました。

結果として、視覚と聴覚、特に聴覚を刺激する販促物を用いた売場で、「興味関心・自分ゴト化」の働きに関連する部位の脳血流に活性化が見られ、お客さまの楽しい買い物体験にもつながりやすいという示唆を得られました。

ヨーグルト売場に関する購買行動調査

  • 視覚・聴覚を刺激する販促物を用いた売場で、「興味関心」や「自分ゴト化」の働きに関連する部位の脳血流が活性化(図1、2)
  • 視覚・聴覚を刺激する販促物を用いた売場が、アンケートでも「楽しい・ワクワクする」関連の項目で高い評価を獲得(図3)

視覚・聴覚を刺激する販促物を用いた売場で「興味関心」や「自分ゴト化」に関する脳血流が活性化

(図1)ヨーグルト売場における「興味関心・自分ゴト化」に関する脳血流計測値比較

今回の調査では、模擬店舗を構築し、入口とヨーグルト売場の二カ所でデジタルサイネージ(視覚刺激=天気予報などの動画)と音声POP(聴覚刺激=明治ブルガリアヨーグルトのサウンドロゴ)を設置しました。

ヨーグルト売場において「興味関心・自分ゴト化」の働きに関連する部位の脳血流を比較したところ、販促物が何もない売場に比べ、視覚を刺激する販促物および視覚・聴覚を刺激する販促物の双方を設置した売場の方が、計測値が高い傾向を示しました(図1)。

(図2)入口とヨーグルト売場における「興味関心・自分ゴト化」に関する脳血流計測値比較

また、入口とヨーグルト売場の「興味関心・自分ゴト化」に関する脳血流計測値を比較したところ、販促物が何もない売場や視覚刺激のみを設置した売場では計測値の低下が見られるのに対し、視覚・聴覚を刺激する販促物双方を設置した売場では計測値が上昇するという結果が得られました(図2)。

これらのことから、特に聴覚刺激が脳血流の活性化に影響を与えたと考えられ、例えば入口で聞きなじみのある明治ブルガリアヨーグルトのサウンドロゴが流れることにより、お客さまがヨーグルトに親近感を持つことで商品や購買に対する自分ゴト化が促進されたと考えられます。さらにその後何もない売場では「いつも通りの買い物」として徐々に落ち着いてしまう興味関心の働きを、ヨーグルト売場でも同じサウンドロゴを聞くことで、一層喚起させる効果が高いということなどが推察されます。

アンケートでも、視覚・聴覚刺激の販促物を用いた売場が「楽しい・ワクワクする」関連の項目で高評価

(図3)ヨーグルト売場に対するアンケート評価 加重平均値一覧
※ 5段階の評価回答に重みを持たせて足し上げ、回答者人数で除算した数値。
そう思う(+2)/ややそう思う(+1)/どちらともいえない(0)/あまりそう思わない(-1)/そう思わない(-2)

アンケートによる意識的な評価でも同様の傾向が示されました。「楽しい・ワクワクする売場」関連の評価項目について、5項目中4項目で、視覚・聴覚を刺激する販促物双方を設置した売場で評価指標(加重平均値)が高いという結果がみられました(図3)。ヨーグルト売場で普段流れない音が鳴る非日常感から得られるワクワク感に加えて、明治ブルガリアヨーグルトのサウンドロゴがアテンションとなり棚に並ぶ商品への注目が高まった結果、お客さまが知らなかった商品と出会う機会を創出し、それが楽しい買い物体験にもつながるのではないかと考えます。

調査結果について

これまでの結果から、脳血流という無意識的なデータからも、アンケート調査という意識的な評価からも、視覚と聴覚、特に聴覚を刺激する販促物によって、お客さまが「興味関心」や「自分ゴト化」に関する脳活動を活性化させながら、より楽しく買い物をしていただける体験につながりやすいという示唆を得られました。

明治は本結果を踏まえ、「明治ブルガリアヨーグルト」ブランドを始めとするさまざまな商品において、お客さまに愛される商品づくりと、ワクワクするような買い物体験を目指し、「未来の売場づくり」に取り組んでいきます。TOPPANは本調査を始めとして、さまざまな調査手法やセンシングデバイスを活用し、企業の商品開発・販売促進などのCX(顧客体験価値)向上支援を推進していきます。

そして明治とTOPPANの両社は、今後もさまざまな商品のマーケティングや販促を共同で進め、生活者の「おいしさ・楽しさ」の世界をひろげ、高品質で安全・安心な商品を提供していきます。

調査概要

調査エリア:TOPPAN株式会社 本所スタジオ
調査対象者:30-60代女性
調査方法:脳血流計測、アイカメラによる視線データ取得、アンケートによる調査
調査期間:2023年10月27日~11月3日
有効回答数:118

本ニュースリリースに含まれる調査結果をご掲載いただく際は、以下のクレジットを必ず明記してください。
クレジット:明治・TOPPAN 調べ

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