「明治スキンケアヨーグルト素肌のミカタ」の基となる研究成果が「日本栄養・食糧学会 技術賞」を受賞

写真:「明治スキンケアヨーグルト素肌のミカタ」の商品パッケージ

株式会社 明治(代表取締役社長:松田 克也)は、公益社団法人 日本栄養・食糧学会の中で最大規模の集会である第75回日本栄養・食糧学会大会(開催期間:7月3日〜4日)におきまして、「明治スキンケアヨーグルト素肌のミカタ」の基となる研究成果を発表しました。本研究成果は、6月5日に開催された同大会の総会・授賞式にて「日本栄養・食糧学会 技術賞」を受賞しました。この賞は、栄養科学または食糧科学の発展に寄与する産業上の技術開発を対象とし、当該技術開発を行った個人もしくはグループに授与されるものです。基礎研究の成果とその実用化が認められ、本賞を受賞することとなりました。

受賞研究の内容

  • タイトル:
    「皮膚機能を高める食品素材の研究とその実用化」
  • 業績担当者:
    森藤 雅史、伊藤 恭子、市川 聡美、大庭 知慧、北出 晶美
  • 受賞研究の概要:
    人の体全体を覆う皮膚は、人体で最大の臓器であり、水分の喪失を防ぐ、微生物や物理化学的な刺激から生体を守るなど、生命を維持するためになくてはならないさまざまな機能をもっています。人は外部環境からの危険に常にさらされているため、皮膚機能を高めておくことが必要です。その手段として、日々の食生活の改善や機能性を有する食品素材の継続的な摂取が挙げられます。
    当社は、食品成分「SC-2乳酸菌※1」「コラーゲンペプチド※2」「スフィンゴミエリン※3」に着目し、これら3つの成分が皮膚機能を高めることとその作用機序を基礎研究レベルで明らかにしました。これらの研究結果に基づき、3つの成分「SC-2乳酸菌」「コラーゲンペプチド」「スフィンゴミエリン」を配合した新たな食品を開発しました。ランダム化二重盲検による臨床試験において、3つの成分を含む被験食品に、紫外線刺激から肌を保護するのを助ける機能、肌の潤いを保ち、肌の乾燥を緩和する機能を有することを初めて見出しました(図1、2)。
    これら3つの成分を配合した食品を実用化し、2020年4月に機能性表示食品「明治スキンケアヨーグルト素肌のミカタ」として発売しました。
    本技術により、食生活を通じて、人において皮膚機能を高めることが可能となり、人々の健康の維持・増進に貢献できることが期待されます。
  • ※12つの乳酸菌(L. delbrueckii subsp. bulgaricus OLL1247株およびS. thermophilus 3078株)の総称。

  • ※2コラーゲン(ゼラチン)を酵素によって加水分解した低分子のたんぱく質。

  • ※3セラミド骨格を有するリン脂質のひとつ。牛乳中のリン脂質の主要成分。

図1 スキンフォトタイプⅡの被験者における
試験食品摂取によるMEDの変化(左図)とその症例(右図)
出典:森藤ら、薬理と治療 44(11):1589-99(2016)の「表2」をグラフ化した。
  • 対象者:
    スキンフォトタイプⅡ~Ⅲ※4の30歳以上50歳未満の女性健常人67名。
  • 試験方法:
    被験者を2群に分け、【被験食品群】にはSC-2乳酸菌、コラーゲンペプチド、スフィンゴミエリンを含むヨーグルト、【対照食品群】には前述3成分を含まない酸性化乳を、1日1回6週間摂取させた。摂取前と摂取5週間後のMED※5の変化量を2群間で比較した。
  • 結果:
    スキンタイプⅡの被験者において、被験食品群は、対照食品群と比べて、摂取前後のMEDの変化量が有意に高値となった。
  • ※4スキンフォトタイプ
    日焼けに対する反応の違いから分類する肌の性質のこと
    スキンフォトタイプⅡ:常に赤くなり、その後少し皮膚色が濃くなる
    スキンフォトタイプⅢ:時々赤くなり、必ず皮膚色が濃くなる

  • ※5 MED(最小紅斑量)
    紫外線を浴びた16~24時間後に、肌に紅斑(赤み)を生じさせる最小の紫外線量

図2 試験食品摂取による上腕部の角層水分量の変化
出典:木村ら、薬理と治療 45(6):929-938(2017)の「表2」をグラフ化した。
  • 対象者:
    皮膚の乾燥の自覚があり、直近2週間の排便回数が週2回以上4回以下の20歳以上50歳未満の女性健常人79名。
  • 試験方法:
    被験者を2群に分け、【被験食品群】にはSC-2乳酸菌、コラーゲンペプチド、スフィンゴミエリンを含むヨーグルト、【対照食品群】には前述3成分を含まない酸性化乳を1日1回4週間摂取させた。摂取前と摂取4週間後の上腕部の角層水分量の変化量を2群間で比較した。
  • 結果:
    被験食品群は、対照食品群と比べて、摂取前後の上腕部の角層水分量の変化量が有意に高値となった。